フィジーク・オンライン

第五十三回 新サプリメント・トピックス グリセミック指数

この記事をシェアする

0
[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]
掲載日:2017.09.12
江崎グリコ株式会社スポーツフーズ営業部 桑原弘樹

グリセミック指数

 そろそろ減量も本格化する季節になりました。減量が当たり前のボディビルの世界では、GI(グリセミック指数)に関しては比較的浸透しているかもしれません。減量時にどういった炭水化物を食べたらいいかのひとつの指標になっているからでしょう。

 GIとは簡単に言えば、炭水化物が糖に変わるスピードを比較したものです。糖に変わることで血糖値が上がりますから、GIの値が高いものは太りやすく、GI値が低いものは太りにくいといった感覚で認識している人も多いでしょう。

 大雑把な感覚としては必ずしも間違いではありませんが、妄信的にGI値のみを指標にすることには落とし穴もありますので、改めてGIについておさえておきたいと思います。

 そもそもGIとは絶対的な数値ではなく、ブドウ糖を基準としたときの相対的な数値です。ある炭水化物を50g摂取した際に、その血糖値の上昇度合いをブドウ糖の場合と比較した時の数値です。従ってブドウ糖が基準の100となります。

 甘いものはGI値が高いという印象を受けますが、砂糖はイメージよりも意外に低く60半ばです。砂糖はブドウ糖と果糖の組み合わせで、ブドウ糖は100なのですが、果糖はGI値が30程度と低いため、結果として砂糖は甘さの印象よりもGI値が低くなるわけです。

 また血糖値が上昇していく時の曲線内の面積が基準となるので、すぐに血糖値があがってもすぐに下がる場合は意外に低く、ゆっくり上がるものの長く上がり続ける場合などは高くなったりもします。あくまでも炭水化物を50gを摂取した際の数値なのですが、食品そのものを50g摂取したケースと混同して捉えているケースも見かけますから注意が必要です。

 以前、GIダイエットが流行ったときは、この混同が多く、例えばチョコレートケーキはGI値が低いから食べても太らないとか、肉類はGI値が低いから食べても太らないとか、様々な情報が蔓延しました。

 GI自体が炭水化物を基準に考えている数値なので、本来はチョコレートケーキなり肉類なり、そこに含まれている炭水化物50gということで考えなくてはなりません。

 当然脂質がもつカロリーは9kcal/gありますし、仮に如何にGI値が低くても、食べても太らないという発想は危険です。

 また仮にGI値が低くても、トータルの摂取量が多くカロリー過多になれば、当然に体重は増えていきますし、場合によっては脂肪も増えます。
記事画像1
 しかしGI値の指標自体は役に立つことは間違いありません。特に摂取する炭水化物の選定の際には参考にすべきでしょう。減量時の炭水化物として、白米(81)よりは玄米(55)ですし、うどん(85)であれば蕎麦(54)を選ぶ方がいいでしょう。イモ類でいえば、ジャガイモは90とGI値が高く、一方でさつまいもは55と低めです。

 そして更に大切なのは、どういった組み合わせでの食事かという点です。空腹時の比較であればGIは一つの目安として成り立ちますが、一緒に食べる食材によって条件は変わってきます。

 食物繊維は吸収を緩やかにするという特長がありますから、仮にGI値の高めの食材であったとしても最初に野菜などから食物繊維を摂ることで血糖値の上昇は緩やかになります。

 逆にGI値が低いからといって脂質の高い食材は禁物です。また食べる時間帯の影響も無視できません。一般的に朝の炭水化物は太りにくく、夜の炭水化物は太りやすいといわれていますが、これには明確な根拠があります。

 朝はこれからエネルギーを使い始めるため蓄積よりも消費に傾きますし、夜の場合はこの逆に働きます。体内では体内時計にかかわるタンパク質であるBMAL1という物質があります。25時間の体内時計を24時間に調整するうえで大切な役割を担うタンパク質ですが、同時に脂肪を蓄える機能ももちます。このBMAL1は日中は低く、夜の2時をピークに高くなります。陽にあたると減るという特徴もあり、いわゆる夜型の物質です。

 GI値が低くてもBMAL1が体内に豊富な状況では体脂肪は増えるでしょうし、少々GI値が高くてもBMAL1が少なく活動的な日中での摂取であれば、それが脂肪に変わる可能性は低くなります。

 このあたりの情報をいったんまとめて総合的に考えると、毎回食事には食物繊維を意識して、炭水化物はGI値が低めのものを選定し、夕食に関してはタンパク質以外のボリュームを絞り早い時間帯に終わらせるということになります。

 しかしこれって、通常ボディビルダーが意識している食事の内容でしたね。やはりスポーツニュートリションが栄養学の頂点にあることがよくわかります。
[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]

Recommend