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果糖・ガラクトースの問題点【前編】

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掲載日:2018.03.29
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「果糖」というと、果物に含まれる身体に良さそうな糖質というイメ ージがあります。
でも本当は違います。果糖は痛風の原因になったり、AGEsを生成したり、中性脂肪を増やして脂肪肝を誘発したりなど、様々な問題があるのです。

なぜ他の糖質(ブドウ糖など)に比べて、そのような問題があるのでしょうか。小腸で果糖が吸収されるのは、「受動輸送」によるものです。このときはGLUT5というトランスポーターによって吸収されます。これは水に落としたインクが広がっていくように、自然と濃度の高いものから低いものへ移動していく「拡散輸送」です。この場合、果糖の濃度が高いほうから低いほうにしか移動できません。

SGLT2阻害薬のところで説明したとおり、ブドウ糖はナトリウム依存性トランスポーターによって「能動輸送」されます。そのため、小腸からの吸収は果糖よりもブドウ糖のほうが早くなります。しかし、問題はここからなのです。
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実はGLUT5というのは、肝臓にしかありません。
つまり果糖はまず肝臓にいかないといけないのです。では、その後にどうなるのか。エネルギーを産み出す解糖系において、グルコースは「グルコース6リン酸」になります。
そして次に「フルクトース6リン酸」になり、さらに「フルクトース1,6ビスリン酸」になります。ここまでの反応においては、もちろん酵素が使われます。
このとき十分にATPがあると、「もうエネルギーを作らなくても良い」とカラダは判断します。そして酵素の働きが悪くなり、解糖系がストップします。このような働きを「ネガティブフィードバック」と呼びます。

いっぽうで果糖は肝臓に入るとフルクトース1リン酸になり、それがフルクトース1,6ビスリン酸となって、いきなり解糖系に入ることができます。
つまりグルコースはここまで来るのに酵素による調節を受けますが、果糖は酵素による調節を受けないのです。

そのため果糖の解糖系における代謝は歯止めが利かず、すべてアセチルCoAになります。そして余ったアセチルCoAが、中性脂肪を増やすという流れになります。
このように、果糖はいったん吸収されると、グルコースよりも遥かに早く代謝されます。また肝臓での代謝が主ですので、筋グリコーゲンを増やすこともできません。
さらに果糖はアセチルCoAを増やすだけでなく、脂肪酸合成にかかわる酵素の活性を高めることによっても、中性脂肪を増やしてしまいます。また特に肝臓での働きが大きいため、脂肪肝になりやすいのです。(※4)

すい臓がんで亡くなったスティーブ・ジョブズが、果物ばかりを食べるダイエットをしていたことは知られています。ベジタリアンの中でも、特に果物を重視する「フルータリアン」だったとか。しかし果糖はトランスケトラーゼというペントースリン酸経路(解糖系の側路)で使われる酵素の活性を高め、すい臓がんの増殖を促進してしまうのです。(※5)

また果糖の代謝酵素のフルクトキナーゼには2種類あるのですが、そのうちの一つ、フルクトキナーゼCは肝臓や小腸、腎臓に存在し、果糖との結合性が高いため、急速に代謝されてATPの減少を引き起こします。
それにより、インスリン抵抗性や脂肪肝となり、体脂肪増加の一因となる可能性が指摘されています。(※6)

果糖・ガラクトースの問題点【後編】へ続く!(近日公開)
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]

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