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体脂肪を増やさないバルクアップ法

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掲載日:2018.05.17
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インスリンがあまり出ていないときでも、GLUT4がトランスロケーションすることがあるのです。それがトレーニング中です。

トレーニング中はエネルギー源であるATPが大量に使われます。するとAMPKという酵素が活性化されます。AMPKは「エネルギーセンサー」の役割を持ち、ATPが少なくなってくると、AMPKが活性化されてGLUT4がトランスロケーションし、ブドウ糖を細胞内に取り込もうとします。

さらにトレーニングして筋肉を動かすことで、筋肉の物理的な収縮や血行の促進により、GLUT4のトランスロケーションが促進されます。そしてこの状態は運動開始後すぐにはじまり、運動終了後3時間ほど続きます。(※23)

つまり運動中~運動後3時間以内に、十分な量の栄養物質を筋肉細胞に送り届けることがポイントです。このタイミングだと栄養が体脂肪ではなく筋肉に働くため、大量のカロリー、糖質、タンパク質などを摂取しても体脂肪が増えることはありません。

○インスリン・ヒエラルヒー

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インスリンは最初に筋肉に働き、つぎに肝臓、最後に脂肪に働きます。これを「インスリン・ヒエラルヒー」と呼びます。そのため筋肉が多ければ多いほど、インスリンによって体脂肪が増える可能性は小さくなります。筋肉が多いと太りにくいのですが、これは基礎代謝が高いというだけでなく、インスリンの働きも関係してくるのです。逆に筋肉が少ない人は、脂肪にインスリンが働く割合が大きくなってしまい、より体脂肪が増えやすくなるというわけです。

「インスリン感受性が高い」という言葉があります。これはインスリンが細胞に働きやすくなっているということ。逆にインスリンが働きにくいことを、「インスリン抵抗性」と呼びます。

前述のとおり、トレーニングすることでGLUT4のトランスロケーションが起こりやすくなり、筋肉におけるインスリン感受性が高くなります。つまりトレーニング直後3時間の間は筋肉のインスリン感受性が非常に高く、このときはインスリンが大量に分泌されたとしても、脂肪細胞に働く割合を非常に小さくできるのです。

○具体的な栄養摂取法

具体的には、ワークアウトドリンクに大量の糖質、アミノ酸(プロテインでも可)を溶かしこみ、運動中に飲み切ります。そして運動終了直後にも、アミノ酸を摂取します。運動終了直後は血流が筋肉に行っており、交感神経が興奮しているため、消化能力が低くなっています。そこで胃腸に負担をかけないように、ここでは消化の必要がないアミノ酸を摂取するわけです。

運動終了後、数十分すれば胃腸に血流が戻り、交感神経の興奮も収まりますので、その辺りで「糖質+プロテイン」を飲みます。

そこからさらに1時間ちょっとしてプロテインが消化されたあたりで、 高糖質、高タンパクの食事をするのです。

なお、トレーニング中に炭水化物のドリンクを飲むと、「インスリンが出てしまって血糖値が下がり、運動の妨げにならないか?」という疑問が出てきます。
しかしそれは大丈夫。運動中はアドレナリンやグルカゴンなど、血糖値を高めるホルモンがふんだんに出ていますので、低血糖にはならないのです。ただし運動の少し前に砂糖の多い菓子を食べたりするのはNGです。運動前はアドレナリンもグルカゴンも出ていませんから、低血糖になってしまって運動の妨げになる可能性があります。糖質のドリンクは運動が始まってから飲むようにしましょう。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]

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