フィジーク・オンライン
Weekly Monthly Shopping

糖化は老化 ~糖化を抑えるために~

この記事をシェアする

118
掲載日:2018.06.21
記事画像1

糖化を抑えるために

糖化を防ぐためには、インスリンをしっかり働かせること。その方法については前述しました。また、食事からの糖質を制限することも必要であり、むしろこれが根本的な解決と言っていいでしょう。
しかし日本人の食生活では、なかなか糖質制限には踏み切りにくいものです。では、どのように対策すればよいのでしょうか。

○糖化を抑える食材

まずはカルノシンです。これはBアラニンとヒスチジンからなるイミダペプチドで、カルボニル基を除去する作用があるため、AGEsの生成を防ぐことができます。
他にもコラーゲンの架橋結合の生成を減らしたり、乳酸を緩衝して持久力をアップさせたり、傷の修復を早めたり、脳の機能を高めたりなどの効果もあります。(※25、26、※27)

カルノシンを配合した目薬もあり、AGEsが原因となる白内障や緑内障、加齢性黄斑変性などの予防や治療に使われています。カルノシンは鶏の胸肉に豊富に含まれます。

またショウガやシナモン、緑茶に糖化を抑える高い効果が認められています。またAGEsの抑制だけでなく、AGEsによる炎症を防ぐ効果としても、ショウガとシナモンがダントツで高いようです。食材として安価に使えるものですので、積極的に利用していきたいものです。 (※28、※29)

○糖化を抑える薬品

医薬品になりますが、インスリン感受性を高めるということで、メトホルミンにも強い効果があります。またメトホルミンは分子内にアミノ基を持つため、それがカルボニル基を補足してくれるという作用もあるのです。メトホルミンには癌をはじめとした生活習慣病への効果があるということが知られていますが、AGEs抑制もその作用に貢献しているのです。(※30、※31)

さらにACE阻害薬やARBにも酸化ストレス改善を介してAGEs蓄積を改善する作用があります。(※32)
トレーニーは高タンパクの食事を長期に渡って継続するため、普通よりは腎臓に負担をかけていることは間違いありません。常識的な量であれば気にしなくて良いのですが、非常識な量を摂取しているような場合は腎臓保護も兼ねて、ACE阻害薬を予防的に使用することも検討しておいて損はないでしょう。

○糖化を抑えるサプリメント

記事画像2
糖化を抑えるには、血糖値を安定させることです。つまりインスリン感受性を高めておくことが重要となります。つまり「2.4インスリンの働きを高めるために」の項目で紹介したアルギニンやEPA、αリポ酸、クロム、バナジウムなどを摂取しておくことで、糖化の抑制が期待できます。

これらに加え、糖化を防ぐお茶をここでご紹介しましょう。「柿の葉茶」と「バナバ茶」、「クマザサ茶」、「甜茶」の4種類をブレンドしたものです。(※33)
なぜこれらのブレンドになったのかというと、I型コラーゲンにおける蛍光性AGEs生成抑制作用は甜茶が強く、カルボキシメチルリジン(CML)の抑制作用はバナバ茶が強かった。

また血中アルブミン(HSA)におけるPentosidineの抑制作用は柿の葉茶が強く、3DGの抑制作用はクマザサ茶が強いという結果が出たからということだと思われます。このブレンド茶はそれぞれを単体で使った場合の5倍以上のAGEs生成抑制作用を持っており、また抗酸化作用も強くなっています。そしてブレンド茶を皮膚に塗ったところ、4週間後には肌の水分量に顕著な違いが出てきたとのことです。


バナバ茶に含まれるコロソリン酸には血糖値の上昇を抑える作用があり、糖尿病の治療にも使われていますが、その一部の効果は糖化の抑制作用によるものでしょう。
甜茶に含まれるポリフェノールには抗アレルギー作用があるとともに、AGEs抑制による抗炎症作用も発揮できると思われます。

クマザサ茶にはAHSSと呼ばれる強い抗酸化作用を持つ物質が含まれ、それがAGEs抑制のみならず、抗ウィルス、抗バクテリア、抗炎症作用を持っているようです。柿の葉茶に含まれるプロビタミンCはコラーゲン生成やメラニン抑制作用があるとともに、コラーゲナーゼ(コラーゲンを分解)やエラスターゼ(エラスチンを分解)などの酵素活性を抑える物質が含まれるとも言われています。

ハーブティーには様々な物質が含まれ、それらをブレンドして長所を取り出して利用することにより、相乗効果が期待できます。今回紹介した4種類のみならず、様々なブレンド茶がこれからも出てくることでしょう。

○果糖と砂糖に気を付けよ!

ブドウ糖などに比べると果糖は非常に糖化しやすく(※34、※35)、 また糖質の代謝経路に「ポリオール経路」というものがありますが、この経路の中間生成物である「フルクトース3リン酸」から、糖化反応の中間生成物ができてしまいます。そのため果糖とそれを含む砂糖は、糖化を防ぐという観点からも、できるだけ避けるようにしたいものです。
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]