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BCAAとEAAの効果的な摂取方法

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掲載日:2019.02.22
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ではBCAAやEAAは具体的にどのように摂取すれば良いのでしょうか。
前述の通り、BCAAを摂取すると摂取後15~30分で血中レベルが最大になり、それからゆっくりと低下して2時間後には元のレベルに戻ります。

またBCAAはエネルギーとしても使われますし、集中力増加作用もあります。よってトレーニング前の摂取が良いでしょう。
血中から筋肉中に移行するのにもある程度の時間がかかるため、タイミングとしては練習や試合の30分くらい前に摂取するようにすればピッタリです。
短時間で終わる運動ならばそれだけで十分です。
しかし運動が長時間に渡る場合は、それに加えて運動中のドリンクにBCAAを入れ、少しずつ飲むようにします。そうすることで体内のBCAAを常にハイレベルに保つことができます。

効果的な摂取量としては、だいたい体重1kgあたり、0.08g~0.12gを目安とします。
体重の軽い人は5g、体重の重い人(80kg以上)は10gが目安です。これだけの量を運動の30分前に飲み、長時間の運動の場合は同じだけの量を運動中のドリンクに配合して少しずつ飲むことによって効果が期待できます。(※97,※98,※123,※130,※131)

EAAの摂取と注意点

予算に制限がない場合、大量のEAAを摂取するという選択肢が可能となります。
ただし問題があります。15g以上ものEAAを一気飲みすると、多くの人が浸透圧性の下痢(前述)を引き起こしてしまうのです。

そのため、筆者としてはEAAをワークアウトドリンクに混ぜ、少しずつトレーニング中に飲んでいくことを勧めています。
ワークアウトを1時間とし、その間に15g以上のEAAを少しずつ飲んでいくのであれば、浸透圧性下痢の心配はありません。
また1時間以内に飲み切るのであれば、十分に急峻な血中EAA濃度を期待することができます。

では30分前にBCAAを飲み、トレーニング中にEAAを飲めばベストなのでしょうか。
そうとも言えません。
筋タンパク合成能力の高まりには限度があり、BCAAを飲んでからさらにEAAを飲んでも、タンパク合成は頭打ちになる可能性が高いのです。

ホエイとEAAを時間差で組み合わせる

それよりは、トレーニング1時間前にホエイプロテインを飲み、トレーニング中にEAAという方法をお勧めします。EAAと組み合わせた場合、ホエイは十分に血中アミノ酸レベルを高め、またBCAAと違って急激に濃度が低下することもありません。「ホエイ+EAA」であれば、筋タンパク合成能力は十分以上に高まり、頭打ちの無駄も少なく、またトレーニング後数時間にわたって筋タンパク合成を高めることができます。

体重に応じて増やす必要はあるのでしょうか。
基本的に筋肉量が多いほど、タンパク質は多く要求されます。(※132※133,※134)
また前述の通り、タンパク合成が高まっているときこそ、多くの必須アミノ酸が必要となります。よって15gは最低ラインとし、筋肉量が多い場合は20~25g程度までEAA摂取量を増やすことをお勧めします。

なおワークアウトドリンクには糖質を入れるのが一般的な方法です。
アミノ酸と糖質を同時に摂取することで、アナボリック作用が増加したという報告は数多くあります。(※135)
しかし高齢者(平均72歳)の場合は糖質を同時に配合することで、むしろアナボリック作用が減少したという報告もあります。(※136)
そのため、高齢者はワークアウトドリンクに入れる糖質は控え、アミノ酸だけにしたほうが良いかもしれません。(※137)

EAAには様々な製品がありますが、筆者が良くお勧めするのがPurpleWraathという製品です。後述するシトルリンやBアラニン、イミダペプチドなども配合されており、コストパフォーマンスも悪くありません。


97 : Effects of carbohydrates-BCAAs-caffeine ingestion on performance and neuromuscular function during a 2-h treadmill run: a randomized, double-blind, cross-over placebo-controlled study. J Int Soc Sports Nutr. 2011 Dec 7;8:22. doi: 10.1186/1550-2783-8-22.

98 : Effect of BCAA intake during endurance exercises on fatigue substances, muscle damage substances, and energy metabolism substances. J Exerc Nutrition Biochem. 2013 Dec;17(4):169-80. doi: 10.5717/jenb.2013.17.4.169. Epub 2013 Nov 28.

132 : Nutritional regulation of muscle protein synthesis with resistance exercise: strategies to enhance anabolism. Nutr Metab (Lond). 2012 May 17;9(1):40. doi: 10.1186/1743-7075-9-40.

133 : Nutritional interventions to augment resistance training-induced skeletal muscle hypertrophy. Front Physiol. 2015 Sep 3;6:245. doi: 10.3389/fphys.2015.00245. eCollection 2015.

134 : Protein Considerations for Optimising Skeletal Muscle Mass in Healthy Young and Older Adults. Nutrients. 2016 Mar 23;8(4):181. doi: 10.3390/nu8040181.

135: Independent and combined effects of amino acids and glucose after resistance exercise. Med Sci Sports Exerc. 2003 Mar;35(3):449-55.

136:substances, muscle damage substances, and energy metabolism substances. J Exerc Nutrition Biochem. 2013 Dec;17(4):169-80. doi: 10.5717/jenb.2013.17.4.169. Epub 2013 Nov 28.

137 : Amino acid ingestion improves muscle protein synthesis in the young and elderly. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2004 Mar;286(3):E321-8. Epub 2003 Oct 28.
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


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