ペプチドの特徴と吸収
掲載日:2019.07.04
この章では「ペプチド」について紹介していきます。
アミノ酸が二つ繋がるとジペプチド、三つ繋がるとトリペプチドとなり、これらを含めて基本的に少数のアミノ酸が繋がったものを「オリゴペプチド」と呼びます。
もっと数が多くなると「ポリペプチド」となり、さらに多くなると、もうそれは「タンパク質」となります。
ペプチドは「ペプチド結合」によって繋がるのですが、このときはアミノ酸のアミノ基と、別のアミノ酸のカルボキシル基が繋がります。
そして同時に水(H2O)が取れます。
インスリンやグルカゴン、成長ホルモンなどは「ペプチドホルモン」で、アミノ酸が連なったものです。
対して男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモンはステロイド骨格を持ったホルモンで、これは脂質の仲間だと言えます。
ペプチドの吸収栄養素を吸収する小腸や、アミノ酸の再吸収を行う腎臓粘膜には「アミノ酸トランスポーター」が存在し、アミノ酸を運び込みます。
これはナトリウム依存性のものと、ナトリウムに依存しないものがあります。
しかし小腸および腎臓ではアミノ酸としてだけでなく、ペプチドとしても吸収されます。このときに働くのが「ペプチドトランスポーター(PEPT)」です。
ただしPEPTはペプチドだけでなく、非ペプチド性化合物も輸送します。
アミノ酸単体とペプチドとでは、どちらが吸収が早いのでしょうか。
エスカレーターに一人ずつ乗る場合と、数人が並んで乗る場合を考えてみましょう。
明らかに数人まとめて乗るほうが、一度に多くの人数を運ぶことができます。
それと同様、ペプチドとしてまとめて運ぶほうが吸収は早くなります。
不二製油が大豆ペプチドを使って12名の男性に12.5gのプロテインとペプチド、アミノ酸を摂取させたところ、ペプチドが最も急峻なカーブを描き、血中濃度を高めることができています。(※181)
アミノ酸が二つ繋がるとジペプチド、三つ繋がるとトリペプチドとなり、これらを含めて基本的に少数のアミノ酸が繋がったものを「オリゴペプチド」と呼びます。
もっと数が多くなると「ポリペプチド」となり、さらに多くなると、もうそれは「タンパク質」となります。
ペプチドは「ペプチド結合」によって繋がるのですが、このときはアミノ酸のアミノ基と、別のアミノ酸のカルボキシル基が繋がります。
そして同時に水(H2O)が取れます。
インスリンやグルカゴン、成長ホルモンなどは「ペプチドホルモン」で、アミノ酸が連なったものです。
対して男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモンはステロイド骨格を持ったホルモンで、これは脂質の仲間だと言えます。
ペプチドの吸収栄養素を吸収する小腸や、アミノ酸の再吸収を行う腎臓粘膜には「アミノ酸トランスポーター」が存在し、アミノ酸を運び込みます。
これはナトリウム依存性のものと、ナトリウムに依存しないものがあります。
しかし小腸および腎臓ではアミノ酸としてだけでなく、ペプチドとしても吸収されます。このときに働くのが「ペプチドトランスポーター(PEPT)」です。
ただしPEPTはペプチドだけでなく、非ペプチド性化合物も輸送します。
アミノ酸単体とペプチドとでは、どちらが吸収が早いのでしょうか。
エスカレーターに一人ずつ乗る場合と、数人が並んで乗る場合を考えてみましょう。
明らかに数人まとめて乗るほうが、一度に多くの人数を運ぶことができます。
それと同様、ペプチドとしてまとめて運ぶほうが吸収は早くなります。
不二製油が大豆ペプチドを使って12名の男性に12.5gのプロテインとペプチド、アミノ酸を摂取させたところ、ペプチドが最も急峻なカーブを描き、血中濃度を高めることができています。(※181)
また、ペプチドとして摂取したほうがアミノ酸単体で摂取するよりも窒素を保留するという報告もあります。(※182,※183)
ただし(※181)の研究ではジペプチドとトリペプチドの割合が72%に達していますが、多くのペプチド製品は加水分解しただけで、実際はもっと大きい分子であり、これほど吸収は早くありません。
前編で紹介しましたが、「加水分解ホエイプロテイン(WPH)」も、WPIと比べて消化吸収の速度に大差はないのです。なお最近出てきた「ペプトプロ」は60%がジペプチドとトリペプチドだとされています。
20世紀から筆者がお伝えしていることですが、普通のホエイプロテインに消化酵素を働かせると、ある程度分解されてペプチドに近くすることができます。「ブロメライン」というタンパク消化酵素のサプリメントがあります。
そのカプセルを割って、プロテインに入れて30分ほど待つと、お手軽WPHを作ることができます。
なおパイナップルジュースにもタンパク分解酵素が含まれるため、パイナップルジュースでプロテインを溶かし、やはり30分ほど待つと、WPHの出来上がりです。ただし前述の通り、WPIと比べてそこまで違いはないと考えられます。
※181: Improvement in the intestinal absorption of soy protein by enzymatic digestion to oligopeptide in healthy adult men Food Sci. Technol. Res., 13, 45-53 (2007)
※182: Use of a peptide rather than free amino acid nitrogen source in chemically defined "elemental" diets. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1980 Nov-Dec; 4( 6): 548-53.
※183: Studies on the absorption of ‘Small peptides’ and free amino acids in elemental diets Clinical Nutrition Volume 3, Issue 1, May 1984, Pages 17-21
ただし(※181)の研究ではジペプチドとトリペプチドの割合が72%に達していますが、多くのペプチド製品は加水分解しただけで、実際はもっと大きい分子であり、これほど吸収は早くありません。
前編で紹介しましたが、「加水分解ホエイプロテイン(WPH)」も、WPIと比べて消化吸収の速度に大差はないのです。なお最近出てきた「ペプトプロ」は60%がジペプチドとトリペプチドだとされています。
20世紀から筆者がお伝えしていることですが、普通のホエイプロテインに消化酵素を働かせると、ある程度分解されてペプチドに近くすることができます。「ブロメライン」というタンパク消化酵素のサプリメントがあります。
そのカプセルを割って、プロテインに入れて30分ほど待つと、お手軽WPHを作ることができます。
なおパイナップルジュースにもタンパク分解酵素が含まれるため、パイナップルジュースでプロテインを溶かし、やはり30分ほど待つと、WPHの出来上がりです。ただし前述の通り、WPIと比べてそこまで違いはないと考えられます。
※181: Improvement in the intestinal absorption of soy protein by enzymatic digestion to oligopeptide in healthy adult men Food Sci. Technol. Res., 13, 45-53 (2007)
※182: Use of a peptide rather than free amino acid nitrogen source in chemically defined "elemental" diets. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1980 Nov-Dec; 4( 6): 548-53.
※183: Studies on the absorption of ‘Small peptides’ and free amino acids in elemental diets Clinical Nutrition Volume 3, Issue 1, May 1984, Pages 17-21
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