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パントテン酸(ビタミンB5)の効果

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掲載日:2019.11.29
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パントテン酸の「パントテン」は「どこにでもある」という意味で、食物に広く含まれます。
体内では補酵素A(CoA)の構成成分となり、その名の通り補酵素として広範に利用されます。なお腸内細菌によっても合成されます。

ナイアシンやパントテン酸は、発見時はビタミンだとされていたのですが、体内で合成可能なことが分かってからは、ビタミンから外されています。

通常は不足することのないパントテン酸ですが、トレーニングをハードに行い、高脂肪食を続けていると徐々に体内のパントテン酸が減少してくることがラットの実験で確認されています。(※28)

パントテン酸が不足するとテストステロンの低下が起こる可能性があります。(※29)
また副腎皮質ホルモンの分泌にもパントテン酸は必要とされ、ストレスに対抗するのに必要となります。アスリートには欠かせない栄養素といっていいでしょう。ビタミンCと同様、副腎疲労の軽減にも役立ちます。

ストレスへの対抗ということで、アトピーの治療にも使われることが多い栄養素ですが、皮膚の脂質代謝を助ける作用もあるため、ニキビや脂性の肌の改善にも良く使われます。この場合、一日に1000mg以上の大量が必要となります。

※28: Exercise and a High Fat Diet Synergistically Increase the Pantothenic Acid Requirement in Rats. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2015; 61( 3): 215-21. doi: 10. 3177/ jnsv. 61. 215.
  • 山本 義徳(やまもと よしのり)
    1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
    ◆著書
    ・体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング(永岡書店)
    ・「腹」を鍛えると(辰巳出版)
    ・サプリメント百科事典(辰巳出版)
    ・かっこいいカラダ(ベースボール出版)
    など30冊以上

    ◆指導実績
    ・鹿島建設(アメフトXリーグ日本一となる)
    ・五洋建設(アメフトXリーグ昇格)
    ・ニコラス・ペタス(極真空手世界大会5位)
    ・ディーン元気(やり投げ、オリンピック日本代表)
    ・清水隆行(野球、セリーグ最多安打タイ記録)
    その他ダルビッシュ有(野球)、松坂大輔(野球)、皆川賢太郎(アルペンスキー)、CIMA(プロレス)などを指導。

  • アスリートのための最新栄養学(上)
    2017年9月9日初発行
    著者:山本 義徳


[ アスリートのための最新栄養学(上) ]