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疲労と栄養対策<ストレスとグルタミン/筋肉痛に頭痛薬?/オスグッド・シュラッター病(成長痛)>

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掲載日:2016.09.21

ストレスとグルタミン

ストレス負荷時のグルタミンの働き

アミノ酸については別の機会に詳しく述べようと思っていますので、今回はあとひとつだけ、グルタミンについてお話ししましょう。

グルタミンは非必須アミノ酸ですが、骨格筋のアミノ酸の約60%を占める、身体の中で最も多いアミノ酸です。グルタミンの血中濃度を保つため、その多くは筋細胞の中に貯蔵されています。最近の研究により、小腸吸収細胞の主要なエネルギー源であることが突き止められ、胃疾患へのアプローチにグルタミンが試みられています。

また、ストレス時には、筋肉中のグルタミン量が約50%も減少します。ストレスに対応するために筋肉中のグルタミンが使われるからです。ストレスでやつれるというのは、この現象です。
グルタミンの主な働き

①免疫力の向上
②筋タン白質の崩壊抑制
③筋タン白質の合成
④筋力アップ
⑤ストレスの回避
試合前に体調を崩しやすい人は、グルタミン不足かもしれません。

筋肉痛に頭痛薬?

さて、筋肉痛の起こるメカニズムはわかりましたが、その対処として鎮痛剤を使う方がいると聞いたことがあります。

鎮痛剤にはアスピリン、イブプロフェン、インドメタシンなど様々ありますが、その殆どが痛みの信号を伝える一番元をブロックします。ブロックする力が強ければ強いほど、「よく効く」という事になるわけですが、実はその痛みを発生させる場所は、CoQ10を産生する場所でもあり、エネルギー産生に大きく関与しているのです。痛みをブロックすればCoQ10を作れなくなる、ということになりますから、どうしても我慢できないのでなければ、鎮痛剤は軽々に使うべきではない、と私は思います。

これは、生理痛や頭痛などで鎮痛剤を使われる方も同様です。

オスグッド・シュラッター病(成長痛)

成長期には、親から貰ったDNAという設計図を元に身体を作り上げます。この時、材料が足りないと、骨の成長に筋肉や腱の成長が間に合わず、引っ張られた膝や足首に痛みを生じます。成長期の骨は特に関節の近くでよく伸びるため、そこに付いている腱や筋肉が同様に伸びてくれないと引っ張られ、痛みを生じます。以前、100名程の20~30代の男性を対象に講義をした時、約20%の方々が「成長痛を経験したことがある」と言っていました。最近、とてもよく聞く症状です。

原因は材料不足ですから、腱や筋肉の構成材料であるプロテイン、コンドロイチン硫酸、カルシウム、マグネシウム、ヘム鉄、ビタミンA(マルチカロチノイド)、ビタミンB群、ビタミンCをしっかり摂取してください。出来れば痛みを感じる年齢より以前に、しっかり摂ってほしいものです。

成長できる時期はヒトの一生の中でも限られた期間しかありません。その時、せっかく「もっと伸びなさい」という命令があるのに、材料が無くて背が伸び悩んでいるのは、もったいないことです。

この時に必要な材料が足りないと、骨が正しい形に成長できずに歪んでしまうこともあり、そうなると治すことは難しくなります。

子供の頃は、一晩寝たら疲れはリセットできていた筈です。大人になってもそんな風にいられたら素晴らしいですね。それが可能なのが栄養と休養のバランスだと思います。しっかり栄養を摂り、ぐっすり眠って、いつまでも若々しい身体を作りたいものです。
  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)

    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901〜1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


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