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バナナとレモン

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.10.03
野沢 秀雄

<バナナとレモンの共通点は?>

 「共通点は――うーん,どちらも黄色いフルーツだよ」という答えでは残念ながら失格。「どちらも1年中店に並んでいて,いつでも新鮮なものが食べられる」という答えなら,かなりいい線をいっている。
 そのとおり。さらに研究した人なら「どちらも消化しやすく,体の疲労をとるのに効果があるアルカリ性食品である」と答えるにちがいない。
 生鮮食品には必ずシュン(出盛り期)があり,そのときの栄養価が一番高いのだ。近ごろは温室裁培とかビニール裁培などの技術が進んで,冬でも新鮮なトマトやキュウリが食べられるが,値段が高いばかりで少しもおいしくない。栄養価がグーンと少ないからだ。
 その点,ここに紹介するバナナやレモンは1年中収穫されるので,いつも栄養分に富んでいる。ありがたいことだ。

<バナナの消化率はバツグン>

 果物が甘いのはブドウ糖や果糖の甘さのためで,砂糖よりもずっと早く消化される。果物の中でも,とくにバナナは水分が少ないので,東南アジアの国では主食になっていることを知っている人も多いだろう。
 また,ビタミンA,カロチン,りんなどの含有量が多いので,赤ちゃんの発育によい。離乳食(ベビー・フード)の缶詰にバナナが多いことからもこのことが理解できる。
 タタキ売りで買ってきたバナナがおいしくないのは,熟成期間が短いからだ。現地でバナナの実がなっているところを見た人ならわかるように,あおいバナナをバサッと切りとって,それを船に積む。航海の途中で色づきはじめ,日本に到着後ムロに入れ,うれるのを待つ。その間に,でんぶんが分解して甘いブドウ糖や果糖に変化する。およそ10日~30日かかるのだが,それを省略すると,まずいバナナになる。
 台湾との国交が断絶して,バナナも値上がりすると心配されているが,いまのところエクアドルやキューバから入荷しているので,その心配はない。これまたありがたいことだ。
記事画像1

<もちにゆずがついているのは>

 さて正月のおかがみ。頂上には必ずゆずかみかんがのっている。なぜだろうか。もちはご存知のように炭水化物のかたまりで,酸性食品の代表選手だ。
エネルギー源にはいいが,食べすぎると胃が重く,体全体がバテやすくなるこれを中和するのが,みかんなどのカンキツ類。
 どれにもビタミンA・B2・C・カロチン・カルシウムなどスタミナの回復に役立つ栄養素がたっぷり含まれている。また,酸味の主成分であるクエン酸が疲労回復にいいことはよく知られている。
 このように,われわれの先祖様たちは,古くからもちとカンキツ類を組み
合わせると,バランスがとれて健康体を維持するのにいいことを知っていたのだ。それを神様に捧げて礼拝する習慣は心にくいばかりだ。
 現在は貿易自由化のおかげで,海外の安いレモン類が豊富に入ってくる。ごはん・みそ汁・納豆・豆腐・大根おろし・焼魚・ステーキ・水たき・すきやき,何の料理にもタップリ使うとよい。
 レモンのすっぱさを,おいしいと感じるときは体が快調の証拠だ。反対にわずかのレモンでも,すっぱくて食べられないときは注意信号。このようにレモンは健康のバロメーターともいえよう。

<タンパク質が不足です>

 ところで,いくら健康にいいからといっても,バナナやレモンさえ食べていれば満点というわけにはいかない。この点は,どんな健康食品や薬品にもいえることで,会社の宣伝にうっかりのせられると,それさえ食べていればいいんだという錯覚におちいる。
 当然ながらバナナとレモンにはタンパク質が足りないので,うまくメニューを組むことだ。
 たとえば,間食に食べるときはチーズやソーセージなどをアベックにするといい。朝食や夕食なら,魚や肉,あるいは豆腐などを忘れないように食べる。ステーキやハンバーグにレモンをかけて食べるのが最高だ。
 また,インドネシア料理店にいくとバナナを天ぷらにあげてくれる。変わ
った食べ方もあるものだ。
 バナナとレモンを使ったメニューの1例は次のとおり。
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[ 月刊ボディビルディング 1973年1月号 ]

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