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[2011ミス日本 優勝者手記] 山野内里子

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.05.10

2011日本選手権優勝者手記 山野内里子

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今年はシーズン当初から、「今年の10月10日には、あなたが鈴木君と二人で胸に金メダルを下げて、優勝者記念撮影をするのだから。毎日それだけをイメージして」と私のパーソナルトレーナーである本野さんに言われ続けながら、日々のトレーニングに打ち込んできました。そして、本当にこの言葉が現実となり、とても嬉しいです。
毎日私がトレーニングに励む傍らで、私を陰ながら応援し、さらには様々な協力をしてくれている主人や子供たちのことを考えると、今年は必ず金メダルを手にして家族の元へ持ち帰りたいと強く思うようになっていました。そして本当にそれが実現し、今回は東京まで応援に来ることが出来なかった主人や子供たちへ本物の金メダルを見せることができたことが、家族への最高のプレゼントであり、恩返しになったのではないかと思っています。

今シーズンは、昨年の日本選手権の自分とは全く違った身体造りをすることを目標に、年明け直ぐからほぼ毎日のようにトレーニングを行なってきました。本当に一から自分を変えたいと強く思うようになったのですが、そのためには自分ひとりの主観的な見方だけではいけない、誰か厳しい目で私を客観的に見て下さる方を探して、色々な意見を頂きながらトレーニングを進めて行こうと、今年の1月に思い切って本野さんにパーソナルトレーニングをお願いしてみることにしました。

最初はどのようなことからお願いすれば良いのかも解らずに色々考えてしまったのですが、先ずはオフシーズン用の身体ボディパーツ別トレーニングメニューを作って頂きました。最初の3カ月間はそのメニューを実施して行く中で私の筋肉にどのような変化が起こるのかを一緒に観察してもらうことにしました。4月からはコンテスト仕様のトレーニング、つまりシーズン最初にひかえていた日本クラス別選手権や8月のジャパンオープン、そして最終目標である全日本選手権大会に向けての本格的なトレーニングを開始しました。
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昨年の日本選手権では5位入賞というその前年よりも数段良い結果を出すことはできました。しかし、大会後に多くの方々から「表彰台まで、もう一歩だったね」と励ましの言葉を頂き続けているうちに、だんだんと、「大阪まで応援に行くから、頑張って表彰台を狙ってね」と大会前に言って下さった周囲の期待に応えることが出来なかった自分の不甲斐なさと、メダルを手にすることが出来なかった私自身への悔しさが湧いてきました。「応援して下さる皆様、そして自分自身の夢実現のために、今年こそは表彰台の一番高いところを目指して頑張らなきゃ!今村選手へは、胸をお借りするつもりで全力で挑戦をさせて頂こう!」という強い気持ちを常に持ち、また、自分の中で想い描いた優勝のイメージを明確にしながらトレーニングに臨んだ6ヶ月でした。

そして、10月10日は、今年の私の集大成を皆様に観ていただくつもりで日本選手権大会の舞台に立ちました。

思い起こせば、私にとって今年のシーズンは6月に韓国にて行なわれました日韓親善試合から始まりました。この海外での大会出場の経験が7月の日本クラス別選手権へのモチベーションにも繋がったと思います。言葉の通じない外国でも、自分がそれまで行なってきた日々のトレーニングを信じることで、自信をもって大会に臨むことができたと思っています。

また、8月にはジャパンオープン1週間前に、人生初のゲストポーザーという大役を三重県大会にて頂戴する機会がありました。この日のゲストポーズが、私にとっての大きな転機にもなりました。ゲストポーザーとして舞台に立つことで、それまではコンテスタントとしてしか舞台経験が無かった私の気持ちが、今までとは違った意味で前向きになり「舞台を楽しむ」という余裕が生まれました。

この「舞台を楽しむ」ということは私の中では本当に大きな転機でした。昨年までの大会では「ポーズをとった時の表情がかたい」などのご指摘を多く頂いており、特に毎年のように会場へ応援に来てくれる長女には「大会のお母さんは怖いよ。いつもの笑顔で」と言われ続けていました。

確かに、過去の大会の映像や写真をみても、自分では笑顔でいるつもりなのに、緊張しているのか顔がひきつってしまっており、日常で私が見せる笑顔の数%も出せていません。おそらく、昨年までは舞台を楽しむ余裕が私には無かったのでしょう。

しかし、ゲストポーズを経験した後のジャパンオープンでは、大会の始めから終わりまで舞台、つまりステージングを楽しむことができました。そして、楽しんでいることを全身で表現できたことが優勝につながったのだと思っています。

ジャパンオープン終了後は、全日本選手権に向けてさらなる下半身強化に力を入れなくてはいけないと感じておりました。しかし、今までの疲労が蓄積したのか股関節を痛めてしまい、そのため、思うようにスクワットやランジが出来ない日々が続きました。

そこで、スクワット無しでもサイドポーズでしっかりと大腿四頭筋とハムストリングス、そして大臀筋の間にディフィニションを出せるようにトレーニング内容を工夫しました。加えて、正面ポーズに於ける、縫工筋や大腿直筋、さらには外側広筋などのカットが出せるようにポージングも日々練習しました。

今年のフリーポーズ曲をレディー・ガガさんのジャストダンスにしたのには理由があります。彼女がこの一曲で長かった下積み時代に終わりを告げて、一気にポップス界での女王の座を手に入れた様に、私もこの曲を使う事で日本ボディビル界の女王になるんだという強い気持ちを持ちたかったからです。

去年のフリーポーズはマッスルの度合いが多く、どうしても男性的な動きや硬い動きが目立っていました。ですから今回はその点を反省して、幼少の頃に習っていた日本舞踊の手の動きを加えることで動きを柔軟に見せ、さらには、前半を女性らしい動きや曲線を多用するポーズで組み、後半に向けて力強いポーズで盛り上げて行くという構成にしてみました。

そして、私の大好きなレンダ・マーレー選手を模倣したフロントラットスプレッドから先は、中にはお気づきになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は歴代の女性チャンピオンの方々が持つ得意ポーズを一つずつ並べさせて頂き、最後に私の得意ポーズであるバックダブルバイセプス及び、フロントダブルバイセプスポーズ、そして最後には再度、女性らしさを演出できる螺旋型のラットスプレッドで締めくくるという流れでまとめてみました。

「今回のフリーポーズのテーマは、『SATOKO劇場の始まり』だからね。それをしっかりと演出できるように」と、何度も本野さんに言われ、自分でも、このフリーポーズから私の新しいボディビル人生がスタートするんだからきちんと成功させなきゃと思うようになり、毎日ビデオを撮りながら練習を重ねました。

今年はさらにステージングの一環として、日本クラス別選手権、ジャパンオープン、日本選手権と、大会ごとに髪型と髪の色を変えて試合に臨みました。先ずは、今まで長かった髪を思い切ってショートにし、髪色を明るくして自分の中の気持ちを切り替えることから始めました。

その後は、本野さんから頂いた細かい助言、例えばジャパンオープン前に「あなたは顔の右半分が左よりも長いので、前髪は右からではなく左から分けなさい」と言われたことや、日本選手権直前には「今回はサイドポーズ時の外側広筋に深くて太いカットが出るようになったからそれを際立たせるために、前髪を斜め、それもかなりシャープな角度でストレートパーマをかけてもらって来て」などの本当に細かい指摘及び指示が今回の私の全日本選手権大会優勝への道につながったと思っています。
今年大会ごとに髪型を変えたという山野内選手。右から日本クラス別、ジャパンオープン、そして日本選手権

今年大会ごとに髪型を変えたという山野内選手。右から日本クラス別、ジャパンオープン、そして日本選手権

日本選手権直前の1ヶ月間は自分自身を追い込むために敢えてトレーニング環境を変えようと思い、月の半分くらいは名古屋を離れ東京で過ごすことを決心し、ゴールドジム大塚店やさいたまスーパーアリーナ店でのトレーニング合宿期間としました。ジャパンオープンからの気持ちの切り替えや、少しゆるんでしまった精神状態を再度建て直したいという意味もありました。

この期間中に目にした、大塚店やアリーナ店で一生懸命に頑張っているトレーニーの皆様の姿がとても刺激になり、私が挫けることなく最後までトレーニングを続けられたパワーの源になりました。

全日本選手権大会ラスト3日間は、まるでそこに住んでいるかのようにほとんど朝から閉館時間ぎりぎりまでゴールドジム大塚店にて過ごし、タンニング、トレーニング、ポージングとフルコースのメニューで練習に励みました。

減量方法について聞かれることが多いのですが、私の場合は、とにかく年間を通してしっかり食べることです。基本的には食事とトレーニングのバランスが重要だと考えておりますので、食事を無理に制限したりすることはありません。

食事内容は、例えばたんぱく質源に関して言いますと、私の場合、牛肉・豚肉・鶏肉を年間通してたくさん食べます。大会前だから、肉を止めて魚や大豆へ変える、という事はあまり考えていません。

ボディビルダーらしくないと言われてしまうかもしれませんが、鶏ささみもあまり好きではないのでほとんど食べません。とにかく減量期間でもしっかりと牛肉や豚肉を食べて、いつも元気でいることが私の基本スタンスです。

大会前日は、朝と昼はベーグルと一緒にローストビーフや牛タンをしっかり食べます。夕方にはステーキ定食を(もちろんご飯はおかわりします)、その後もちょくちょく何かをつまんでいて、午後10時過ぎにはイタリアンレストランへオリーブオイルたっぷりのパスタを食べに行くなど、とにかく2時間置きくらいには何かしら食べていました。

「大会前日も当日もしっかり食べて元気一杯、ウェイトトレーニングも前日までしっかり行なってハッピーな気持ちで舞台に立つ」これが私の勝利への方程式。今回は特に、毎日の楽しい食事とトレーニング、そして100%の笑顔で舞台に立てたことが優勝に繋がったと思います。

日本選手権まで私を支え応援してくれた、主人と長男、長女に感謝。さらには、名古屋から沢山の方が応援に来てくださり、その声援が私にとって本番での力になりました。本当にありがとうございます。この場を借りてお礼を言いたいと思います。今後も皆様の応援を力にしてさらに進化をし、アジアや世界の舞台で戦える身体造りと山野内オーラを出せるように頑張って行きたいと思います。

そして、ゴールドジム名古屋店スタッフ及びメンバーの皆様、トレーニング中の私をいつも温かく見守って下さり、本当にありがとうございます。

最後になりましたが、挫けそうになる私をラストのラストまで励まし、タイトなスケジュールの中、トレーニング合宿に付き合ってくれたパーソナルトレーナーの本野さん、本当にありがとうございました。来年は2連覇を狙いますので、これからもよろしくお願いします。

月刊ボディビルディング読者の皆様、応援ありがとうございました。
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[ 月刊ボディビルディング 2012年2月号 ]

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