フィジーク・オンライン

Ad by SUPLINX

Weekly Monthly Shopping

BIG★HIDE Speak Out~IFBBプロビルダー 山岸秀匡のアメリカ便り~

この記事をシェアする

0
[ 月刊ボディビルディング 2009年9月号 ]
掲載日:2017.04.20
記事画像1

新しいボディビルのメッカ?中東のボディビル事情

中東の国々にといえば、私がアマチュア時代にアジア大会でイラン・イラク・バーレーンなどの選手としのぎを削ってきましたが(そうです。中東は一応アジアとされています)、当時から有望な選手が多く、近い将来世界大会でもどんどん活躍してくるだろうなと思っていました。

現在のアマチュアの世界チャンピオンはイランの選手ですし、古くはミスターオリンピアのサミア・バヌーはレバノン出身、今プロで活躍しているアーマッド・ハイダーやモー・エル・モッサウィももともとレバノン人で、そう考えるとボディビルはずっと盛んだったんですね。イスラムの厳しい戒律があってボディビルは難しいんじゃないかと勝手に想像していましたが、男子に限っては逞しく強いほうが良しとされるお国柄です。

ジムも大規模なものがたくさんあり、設備はアメリカ製の器具がふんだんに輸入されていて、ジムで売っているサプリメントもアメリカ製です。男女のジムが別れているところを除けばトレーニング環境はアメリカと変わらないですね。そんな中東で最近トッププロたちの注目を集めているのがクウェートです。

クウェート滞在記

数年前からクウェートを代表するハードコアジム・オキシジェンジムのオーナーであるベダー氏がトッププロを招待してプロモーションとしてジムでトレーニングをしてもらい、デニス・ジェームス、メルビン・アンソニー、デニス・ウルフ、トニー・フリーマン、カイ・グリーンなどの選手が毎年クウェートを訪れてオキシジェンジムの名前を世界に知らしめました。今回私もベダー氏からの招待を受け、初めて中東を訪れましたが、事前にイメージしていた治安が悪い、政情不安、厳しいイスラムの国という感じは全くなく私の中東に対する先入観は到着早々になくなりました。空港の綺麗さや道を走る車のほとんどがアメリカ製の高級車であったり、道中に見られる豪邸の数々などオイル産業で潤った豊かな国だなと思いました。

今回の滞在は1週間でホテルはキッチン付です。まずはスーパーに連れて行ってもらい食料その他日用品の買出しです。スーパーもアメリカみたいでなんでも売ってます。今回一緒にトレーニングするデニス・ウルフとは07年にアメリカで一緒にトレーニングしているので安心です。負けず嫌いで変人(笑)がけっこう多いプロの中で彼は数少ない信用のおける友達ですね。とりあえず1日目はトレーニングはオフで11時間のフライトの疲れをとります。
一緒に招待されたデニス・ウルフ。数少ない信用のおける友人である

一緒に招待されたデニス・ウルフ。数少ない信用のおける友人である

2日目からトレーニング開始。ジムに到着してまず目に飛び込んできたのがジム正面に掲げられた巨大なポスター、でっかいデニスと私の写真です。これにはビックリしました。もちろんジムも巨大です。ワンフロアでこれだけの規模のジムはアメリカでもあまり見ないでしょう。フリーウェイト、マシン、カーディオと全てアメリカ製です。第1日目は背中のトレーニング。デニスは、今はまだオフシーズンということでそれ程追い込んだトレーニングはしていないそうで、私も試しに彼のトレーニングをやってみます。4種目で4セットずつ、基本は各セット8レップスです。全体のトレーニング時間は45分くらいで、いつも1時間みっちりやる私にはやや物足りない感じがしましたが、数日やってみてなるほどと思いました。身体がパンパンに張っているんですね。これはうまく回復している証拠で、オーバートレーニングのときは身体がフラットになる傾向があります。いつもトレーニングは倒れるまでやるのがいいと思ってましたが、思わぬ発見でした。

たくさんのマシンの中には今まで、見たこともないものも結構あるのでいつもミッドブレスやゴールドジムベニスでやるのとは違った刺激を求めて積極的に新しいマシンに挑戦してみます。特に大腿部のマシンは秀逸で、デニスも私も大腿部の発達には問題ないですが、膝がたまに痛むことがあるので関節に負担がかからず筋肉にダイレクトにヒットするマシンは大いに利用したいところです。

ジムは午前中こそやや空いていますが、夕方になると巨大なジムが人でごった返します。日本のジムと同じようにトレーナーがいて指導や補助もしてくれるようで、トレーナーはフィリピンから来ているコンテストビルダーで皆相当なレベルです。メンバーもボディビルのことをよく知っていて、あらためて中東でのボディビル人気の高さが感じられますね。ベダー氏によるとクウェートには未だボディビル連盟というものが存在していないということで、これが今まで国際大会でクウェート選手が見られなかった理由でした。今後はベダー氏の私費で選手を派遣しながら徐々に連盟として確立させていきたいとのことで、さらに近いうちにプロコンテストの開催も視野に入れているとのことでした。

なんとも景気の良い話で、羨ましいですが、ベダー氏はもともとは事業家としてレストランなどを手掛け大成功を収め、大のボディビル好きで当時自分が満足にトレーニングできるジムがなかったのがそもそもオキシジェンジムをオープンした理由だったそうです。現在は2つのジムが大成功を収め、近日中に3店舗目がオープンします。この新しいジムも見学しましたが、巨大なスペースに最新のマシン、フリーウェイト、ニュートリションバー、サプリメントショップ、ジャグジー、なんと床屋まで完備し世界でも有数の設備を誇るジムでした。

クウェート滞在の1週間はトレーニング、食事、休養と基本に帰ってボディビル漬けの生活を送り、体重が3kgほどアップしました。最近オフでも体重が増えず、食も細かったのですが、2時間おきに食事を欠かさないデニスのプロフェッショナルぶりと140kgの巨大なフィジークに影響を受け、プロテインシェイクでごまかさず、できるだけ自然の食事で栄養を摂るように、2時間、長くても3時間おきに食事を食べることを実行してます。クウェートから帰国後もそれ程コンディションを崩さずにバルクアップしてきてますね。103kgあたりまで増えていますので、調整前に105kgまでもっていきたいものです。

しかしデニスはでかくなっている!2007年のときより一回り成長している。オーバーダイエットせずに張りを残し、昨年並みの仕上がりにもっていければオリンピアで確実に優勝争いに絡みますね。

セミナー@チャンプスジム&ミッドブレス

帰国後第一弾のセミナーは、いつもお世話になっているご存知森田会長のチャンプスジムです。良いときも悪いときも変わらず応援してくれる会長とメンバーの方々には本当に感謝しています。いつもオフ気味の身体でしたが、今回ある程度のコンディションを保っていけたのでポージングにも森田会長の合格点をいただき、ホッと一安心でした(笑)。広島、近隣県のファンの皆さんありがとうございました!
6月に開催された山本義徳さんとのデュアルセミナー

6月に開催された山本義徳さんとのデュアルセミナー

それから、私の東京でのトレーニングの拠点であるミッドブレスでのセミナーも、いつも盛り上げてくれる水戸川支配人始めスタッフの皆さんのおかげで盛大に開催することができました。ミッドブレスでは恒例になりつつある先輩の山本義徳さんとのデュアルセミナーもつい先日開催され、こちらも前回を越える大盛況で多いに盛り上がりました。山本さんとのトークは、私も参加者の1人のような気持ちで質問していつも納得します。ただいつも食事などのときに2人で話す内容は、ボディビル以外のくだらない話題がけっこう多く、いつか何でもありのトークもできたらいいのになぁ…。

某ジム関係者の私の友人がセミナーに参加したがっていたんだけど、どうやら山岸セミナー参加禁止令が出たらしい。どういった理由なのかは聞かなかったけれど、笑うしかありませんでした(笑)。
[ 月刊ボディビルディング 2009年9月号 ]

Recommend