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Don King Style  ドン・キングの気になる選手!Vol.7 小川佳香

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[ 月刊ボディビルディング 2014年8月号 ]
掲載日:2017.09.14
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文=千束正彦

舞い降りたシンデレラ 小川佳香(YOSHIKA OGAWA)

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おがわ・よしか/1977年5月1日生まれ/千葉県出身/身長155cm、体重オン42~45kg/目標とする選手:アイリス・カイル/好きな男性のタイプ:尊敬出来る人/好きな食べ物:お酒、甘い物全般、辛いラーメン/嫌いな物:高脂肪低たんぱくのお肉/趣味:お酒を飲むこと/戦績:2010年東京クラス別優勝、2013年ミス東京準優勝
 去年のミス東京ではバルク、シルエットでは目を見張るものがあり1位でもおかしくはなかったと私は思っている。その個性的な立ち振るい、ポージングは賛否分かれるところだろう。ステージでは睨みつけるような独特な雰囲気で、私自身、結構見入っていた。現在、東京の選手の中では日本選手権に十分に通用するポテンシャルは秘めていると思う。そして彼女のご主人は小川裕一郎選手で、彼も私の一押し選手である。
ドン 小川さん、こんちには! 去年の大会はとってもインパクトがあったね。その時から、俺は小川さんを興味深く思っていたんだよ! この連載が始まった時、いずれは話を聞きたいと思っていたよ。さて、トレーニングを始めようとしたきっかけって何かあったのかな?

小川 私が24才の時、2001年に主人が東京オープン60kgに出るということで初めてボディビルを見に行きました。見る前は気持ち悪いと思っていたんですけど、主人のその姿に感動して女子ボディビルも含め、そのかっこ良さに意識が変わりました。そして2002年に主人がアメリカ留学したんですけど、サプライズ好きだった私は、彼が帰国したときに私の鍛えた身体を見せてびっくりさせようと思い、半年間人生初の手探りでの筋トレを始め、1日30分くらい1日おきに腹筋背筋、腕立て伏せ1kgのダンベルで二頭のトレーニング等自宅で密かに計画を遂行しました(笑)。その結果、作戦は大成功、ものすごく驚いたのが嬉しくて、筋トレが楽しいと始めたのが最初です。それからすこし本気になって区のトレーニング施設や、スポーツジムに行き、たまに軽い筋トレやスタジオに通うようになりました。2006年4月にゴールドジム北千住ができ、主人と通うようになり、本格的にボディビルトレーニングをはじめました。

ドン 旦那を驚かそうとして始めたなんて面白いね。そんな事普通じゃ考えないよ!

 で、今現在、オフのトレーニングの分割とトレーニング部位の各種目、そしてセット数とレップ数なんかを教えてくれる?

小川 いまは8分割で、各パートを3~5種目を選んで回数は8~15レップスで、時間にすると2時間くらいです。

ドン 8分割?(笑)中何日なんだ? 中7日! じゃあ、現在のトレーニングにおいて何を一番重点をおいている?

小川 主働筋を完全にアイソレートした状態で、主働筋のみに集中的に負荷がかかるフォームをまずは作り上げ、その後、そのフォームを崩さず、オーバロードの原則に基づいて、負荷を増やしながら1セット毎、最後まで追い込むことに注意しています。

ドン ほう、なかなか科学的な(笑)。トレーニングの方法で、何か変わったというかテクニックをやってる?

小川 変わったテクニックは使いません。いかに主働筋から負荷を逃がさず、最後まで一人で追い込めるかに全神経を集中させています。

ドン 減量に入ると重量が落ちたり、エネルギー不足でトレーニング内容とかかえる?

 小川 減量中のトレーニング自体の種目は変えませんが、インターバルをオフより短くして、時間にすると一分くらいですけど常に代謝を高める事を意識しています。また、セット数も通常の3セットから、5セット程度まで1種目毎に増やしています。できるだけ、強度を落とさず、時間当たりの運動量を上げるようにしています。

ドン トレーニングはやはり旦那に教えてもらってるのかな? トレーニングを始めた頃と比べて、トレーニングもすこしずつ変わると思うけど、どう?

小川 トレーニングは主人と行ってきましたが、当初は高重量トレーニングを最重要視しており、例えばワンハンドダンベルローイングでは、56kgを引いていたりしていました。これにより、基礎的なバルクはついたと思いますが、ある程度になるとディテールの強化、継続的なバルクアップに限界を感じるようになりました。そのため、自己流だったトレーニングから、パーソナルトレーニングを取り入れ、何人かのトレーナーの方に教えて頂きました。結果様々なトレーニング知識及びテクニックを得たと思います。結果的には、全身を細部まで分け、万遍なく発達させるような、分割、種目数増加を行い、現在のトレーニングスタイルとなりました。
ボディビルの先輩である旦那さんと

ボディビルの先輩である旦那さんと

ドン 確かに全身くまなくやるということは大事だね。欠点を作らないためには。有酸素運動はやってる? 人によってはやると筋肉が落ちるとかいうけど。根拠はまったくないけどね(笑)。また、現在の食事法をサプリメントも含めて具体的に教えてくれる?

小川 有酸素は週に3回、一回30分ウォーキングをやります。オフは行いません。そして今は子供が欲しいのでトレーニングをほぼしていない為、たんぱく質はかなり少ない普通の食事を、1日3食と、3時にはおやつなどの間食も食べています。トレーニングをしていた頃のバルクアップ時期は、1日5食で、約3時間おきにたんぱく質を、食事やプロテインから摂り、炭水化物は一日4回摂っていました。

ドン 結構、きっちりと食事管理はしているね。子供を作るなら余計にタンパク質は必要でしょう。ビルダーってオンとオフの差がありすぎるから、大会が終わったあとどうしても食べ過ぎるし。減量に入るとどのように食事内容を変えて行くの?

小川 まずはおやつを止め、次にカロリーは変えずにクリーンな食事に切り替え、体の状態を見ながら、炭水化物の量を増減させていきます。

ドン おやつって楽しみだからね(笑)。大会の前日、当日はどのようなものを食べるのかな?

小川 主に肉や白米、和菓子類です。

ドン 1日のスケジュールはだいたいどんな感じで過ごしてる?

小川 だいたい次のようなかんじです。

6時 起床
6時半 朝食
9~17時 仕事
18~19時 家事等
20~22時 トレーニング
23時~ 家事等
0時半過ぎ 就寝

ドン ほう、寝る時間少ないね! 今までの大会をふりかえってみての想いとか気持ちを教えて。

小川 皆さんが申し訳ないほどに応援とサポートをしてくれていたので、勝たなければいけないと思っていました。しかし、ミス東京では力不足を痛感しました。減量幅が大きく、減量自体に疲れ果て、そのためポーズ練習を怠った自分が非常に情けなく、大変後悔しました。ボディビルは体で勝負するので、笑顔はそれほど必要ないと思っていました。そのため、表情を含めたポーズ練習を一切していませんでした。しかし大会後、写真を見ると驚くほど自分でも強張った表情をしていたのだと、気付かされました。

ドン そうだね。逆にそれがインパクトがあったんだけどね。最後にこれからの目標を教えてくれる?

小川 昨年のステージでは、自分の力不足を痛感しました。またいつか、大会に出る時はミス東京の称号にふさわしい体になって、ステージに立ちたいと思います。

ドン 早く戻って来てくれることを願っているよ。今日は本当にありがとう!

小川 こちらこそありがとうございました。
〇後 記

 取材当日の小川選手は、あの東京大会で見たのとは全くの別人かと思うくらい、むしろ拍子抜けするほどとってもフランクで明るい感じのお嬢さん! だった。でも私はあのギラギラした一匹狼風の小川選手が好きだ。子作りのためしばらく休むという事なのでとても残念だが次回、我々の前に現れる時は多分サプライズ好きの彼女! 素晴らしい身体で登場するに違いない。今後、年齢的にも間違いなく女子ボディビル界を背負うであろうシンデレラを、私は楽しみにしている。
[ 月刊ボディビルディング 2014年8月号 ]

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