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特別座談会 ボディビルの今、そしてこれから~さらなる飛躍のため何をなすべきか

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.04.12
競技として、あるいは健康づくりのための運動としてさまざまな面において発展をし、その歩みを進めてきた日本国内のボディビルが、今、新たな一歩を目指そうとしている。

今回は、そのための決意を固いものとする社団法人日本ボディビル連盟(JBBF)において、重要な役割を担いつつ、ボディビル界を牽引する方々に集まっていただき、それぞれの視点からの意見を述べていただいた。

競技人口の拡大、大会の演出、大会の参加資格……幾多の課題に向けての挑戦が今、行われている。
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トップのレベルはめざましく向上!しかし、競技人口の数は?

玉利 本日は、今後のボディビル界の目指すところについて座談会を行っていこうということになりまして、かくのごとくの集いとなりました。ボディビル界の現状や課題、施策、そうしたことについて、皆様ボディビル界の枢要にある方々、あるいは専門委員会の委員長の方々の前向きなご意見をおうかがいできればと思います。

橋本 振り返ってみますと、月刊ボディビルディングはその歴史の中で、つねにJBBFさんと歩みをともにし、発展を共にしてきたように感じられます。そうした中で、さらにボディビルディング誌はその内容を広げていこうとしていく上でも、今回の座談会は大きな意味をもつようにも思えます。本日は今後のボディビルディング誌の進むべき方向をさらに見いだしていく上でも皆様の忌憚のないご意見をぜひともおうかがいしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いもうしあげます。

早速なのですが、かねてより、玉利会長よりボディビルには競技としての世界、筋カトレーニングとしてあらゆるスポーツに対して指導的な立場にある世界、そして健康運動としての世界、これらの面をもつものとしての役割があるとうかがっておりますが、そのうちまずは、競技としての世界の面についてお話をおうかがいできればと思います。私も幾度となく競技を見に大会へ足を運んでいるのですが、正直最近は参加者の人数が減ってはいないだろうか、あるいは若い人の参加が増えていないのではないかと感じるときがあります。そうしたことに関しまして、ボディビル競技人口の裾野拡大への施策について皆様のご認識はいかがでしょうか。

中尾 そうですね。競技人口が増えたり減ったりということは実際に何度も繰り返すことですが、そうしたことに加えてやはり最近顕著であることは、競技としての専門化がかなり進んだということです。昔は、都道府県の大会などでは、ボディビルを始めてまだ数ヶ月という人も参加をして、お祭り騒ぎのような様相を見せることもありましたが、最近ではそうした、いわゆる愛好家という程度では出場することは到底できないほどのレベルとなり、純粋に競技スポーツとしての専門化が進んでいます。特にトップレベルの大会に関していえば、以前は都道府県大会で3位以上になった選手がどんどん出場していたのですが、最近はそれぐらいでは無理だと皆、躊躇してしまい出場しないのです。そうしたことは参加者の減少にも関係しているかもしれません。

玉利 やはり、ボディビルの場合は、他のスポーツ競技と違って、ランクが下の選手がより上位の選手に勝つというようなことが比較的少ないという現状があるので、本番の大会の以前から、勝敗の予測がついてしまいやすく、そのために参加をやめてしまうという人が多いのかもしれませんね。

中尾 はい。ボディビルの場合は、続けている限り体はどんどん良くなっていくという特性があるので、そこに例えば経験の浅い若い人がいきなり大会の上位入り込むのは非常に難しいという面があります。ですから大きな大会で入賞選手が前年から入れ替わるということはなかなか少ないです。それがいいことであるのか、悪いことであるのかは分かりませんが…。

玉利 そうですね。ただ、競技のレベルということでいえば、やはりボディビルもJOC(日本オリンピック委員会)に加盟して、そのことが大いに向上をもたらしたといえるでしょう。その点においては、選手の強化委員長を務めておられる朝生さんから見ていかがでしょう。

朝生 はい。選手のレベルは確かに向上しているといえますが、選手の数ということでは少なくなっているという現状は確かにあるように思えます。その背景にあるものとして、良いマシンを置いているジムにはそれだけ多くの選手が集まるという傾向があげられます。そのようなジムは東京や名古屋といった大都市に片寄っているようであり、そしてやはり例えば地方の個人ジムではその点はなかなか苦しいようです。もちろん、個人ジムでも優秀な選手を出しているところはありますが、やはり厳しい現状であり、そのことも大会の参加人数を減少させている要因の一つになっているのかもしれません。

また、ボディビル競技人口の裾野拡大のための方法ということに関してですが、現在では、例えばジュニアの大会に出場した選手がそのまま成長してトップ選手になるということがなかなか果たせていないという現状があります。ですからやはりそうしたことを目指した上での指導が必要となってくると思います。現在でもなかなか高校生にとっては、ジムに入りにくいということがありますので、その点に関して、こちらから働きかけるというようなことも大事ではないでしょうか。

玉利 やはりボディビルのさらなるレベルアップのためにも競技人口の裾野拡大ということは必須といえるでしょう。しかし、ジュニアの育成という面で言えば、ボディビルというのは、どちらかといえば、もともと学校体育として生まれ育ってきたものではなく、クラブスポーツとして成長してきたものなので、生涯スポーツとしての面は進んでいても青少年の体育教育的な面は遅れをとってしまっているのかもしれません。だから、毎年マスターズの出場選手はどんどん増えてきていますが、ジュニアの選手はなかなか増えないのではないでしょうか。今後は、頂点の選手のレベルは高く、競技人口の裾野は広い、あたかも富士山のような形となることこそが発展のためには大切でしょう。ですからその意味でもこれからは学校体育としての面をボディビルは充実させていくことが大切でしょう。そして、トップ選手の中で世界で活躍する人が増えていけば、それに魅かれる人も増えて競技人口の裾野が拡大していくのではないでしょうか。

吉田 確かに現在のトップの選手たちのレベルは、どんどん高くなっていると思います。それこそ、二十年前とは雲泥の差です。一方競技人口の裾野はあまり広がっていないというのが現在の状態ではないかと思います。ですが良く考えてみると、その一方で、いわゆる「ボディビル的なこと」をしている人の数は非常に増えてきていると思います。例えばサラリーマンの人でフィットネスクラブで筋肉を鍛えているというような人は大変多くなっています。今の競技大会はボディビル連盟加盟ジムに所属している人だけが出場できるという現状ですが、そうした出場資格の問題などをどうにかして改めていき、ボディビル的なことをしている、それでいて連盟には加盟していないという人たちも何とか取り込んでいくと非常に大きな力となって富士山が完成するのではないかと思います。

橋本 今、吉田さんがお話された大会の出場資格の問題について、今後参加人数をさらに拡大させていくために、連盟としては個人参加を認めるケースを増やしていくのか、それとも加盟ジムを増やしていくのか。どちらのお考えなのでしょうか。

玉利 そうですね。今、ボディビル専門のジムは減ってきているという現状がありますが、一方フィットネスクラブは増えてきて、今や2000軒はあります。だから確かに筋力トレーニングに取り組んでいる人の数は増えています。でも競技人口が増えていない。その理由のひとつにはやはり加盟ジムに入会していないと参加できないという制度が続いていることがあります。昔はボディビルの場とは専門のジムに限られていましたし、今日までの発展の基盤でした。そしてこれからもおそらくそれは変わらないとは思います。ですが、やはりそれ以外のクラブの人たちに閉鎖的なのはよくないと思います。ですから連盟としては両方必要であると考えています。具体的には先頃東京都の江戸川区で加盟ジムに所属していない人の個人参加を認める大会を行いました。このようなことが今後さらにより多く実現していくかもしれません。
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若い人に可能性をもたせることが大切

石井 正直なところ、現在のボディビルの競技人口のバランス状態は持続的に発展をしていく形ではないように思えます。持続的に発展していくための形というのは、つまり底を支える若い世代たちがしっかりと存在しているという形ですが、ボディビルでは、今の日本の少子高齢化と同じで、選手層の高齢化が進んでいます。

玉利 そうですね。現在のミスター日本大会でも50人出場するうち、半分以上が40歳代以上です。

石井 そうです。ボディビルは高齢社会です(笑)。これはやはり将来的に持続的に伸びていく可能性が極めて高くないという形になっています。その点、近年連盟がジュニアの育成に着手したということは非常に良い観点だと思います。ただ、ボディビルの競技特性から考えて、それこそ高校生くらいでミスター日本のような体を作るということは理論的に不可能になります。その辺を考えると一番のキーポイントは大学生です。それこそ私が学生の頃には関東学生選手権には100名を超える選手が出場していたこともありました。それが今や十数名で、つまり学生で競技として競う人たちの数がすごく減ってきてしまっている。そうしたことの要因はいくつかありますが、 一つには、今はキレイでオシャレなジムでトレーニングすることができるという現状があります。そういう環境ゆえにそちらに流れてしまいやすいのです。

そして一方競技に興味をもつ大学生の場合でも、大学連盟ではなく、強いジムに入ってそこでトレーニングをする。だから大学連盟の大会に出場する人はごく一握りになってしまっているのです。そしてジムに入ってトレーニングしている大学生は、ごくはやいうちからキャリアの長い社会人の人たちと競う状況になってしまい結果を出せず、そして競技からも離れていってしまうということがあるようです。それらを考えると、例えば学生の大会で優秀な成績を収めたら世界のジュニアの大会に出られるようにしたりするなど、つまり学生の大会に出場することで選手としての将来が広がっていくという環境づくりが必要なのではないかと思います。そのような、高校と社会人の中間の大学生を活性化していくことによる裾野拡大のためのシステム作りが大事なのではないかと思います。

さらにもう一点、ボディビルの競技特性として、長い間トレーニングしていかないと体ができてこないということがあります。それゆえに才能のある人でさえ、大会で良い結果を出せるようになるために、10年、15年のキャリアが必要となってしまっています。ですから、そうしたことを視野に入れた大会の開催というものを行うことができればと思います。例えば、マスターズにおいては、40歳代、50歳代というような年齢を区切った上での大会がありますが、それを若い世代においても行うべきだと思います。例えば30歳代以下の人たちを年齢で区切って大会を開いて、若い人たちが入賞できるよろこびややる気を出せるようにしていくシステムを作っていくことも大切ではないかと思います。

玉利 スポーツによってはピークの年齢というものがありますが、ボディビルの場合は、40歳代では、まだ現役というというようになってきていますね。

石井 ええ。今は多くのスポーツにおいてピークの年齢が高齢化の傾向にあります。一つには技術の問題で、長くやっていかなければ高度な技術が身につかないということ。そして筋力やパワーの面においても長い時間をかけてトレーニングをしていかないと本当に成熟していかない。そうすると加齢により衰えていくところとの競争のようになってきますが、だいたい今はパワー系の競技でもピークになるのは28歳から30歳くらいといわれています。ましてボディビルは、筋肉を作る技術や栄養のことがあるので、35歳くらいがピークと考えていいのではないでしょうか。

私たちの学術研究の世界では、20歳代や30歳代は青二才で本当に評価されるのは40歳代、50歳代になるまで研究をしたうえでなければならないというところがあるのですが、どちらかというとボディビルもそれに近いといいますか、40歳を超えるところまでやってきて本当の一人前だという(笑)。そういう面白い特性をもっているスポーツといえるでしょう。
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より魅力ある競技を目指して

橋本 ボディビル競技人口の裾野拡大のためには、やはりクリーンで健全であることをよリアピールしていくこと、そして大会そのものを見る者にとってより面白く魅力あるものにしていくことが重要であると思いますが。

青田 そうですね。特にクリーンということに関していえば、日本ボディビル連盟も他の競技スポーツ団体と同様にJADA(日本アンチ・ドーピング機構)のもとにアンチドーピング活動を行っています。今年はだいたい20大会、45~50人くらいの選手に検査をおこなっており、全体として今年は昨年よりも倍の数の選手に検査を行っています。また、とりわけ国際大会に出場する選手には陽性反応が出ないように検査はしっかりと行っています。もちろんアンチドーピングとして検査を受けるときには、選手としてはいやな気持ちになるかもしれませんが、公平に、そして努力しているものが結果に表れるものとして、やはりそうした活動をしっかりとやっていかなくてはならないのではないかと思います。

玉利 いろいろなスポーツにおいて今、筋力トレーニングが導入されていますが、その原点をになうわれわれボディビル連盟が、「ボディビルはドーピングによって作り上げたものだ」というイメージ、誤解は何としても払拭していかなければならない課題でしょうね。そして、ボディビルには他のスポーツとは異なり、「見せる」という点で競うところがありそれにより感動を生み出すという特長があります。もちろん「見せる」ことで競うスポーツとしては他にも体操やシンクロナイズドスイミングなどもありますがそれらとも少し違い、体そのものの美でみせるという独自のものがあります。そうした点からも大会の運営演出構成などにおいて苦労があると思いますが、鳥谷部さん、いかがでしょうか。

鳥谷部 そうですね。ボディビル競技は鍛えた筋肉をいかに力強く、美しく表現するかを競うスポーツ競技ですから競技運営の立場からいうと、選手は先ずルールをしっかりと身につけて参加し、基本の7ポーズをマスターし、ファイナルのフリーポーズで独自性を発揮してもらいたいと思います。運営面では例えば、ライティングひとつでも選手の筋肉がより逞しく美しく映るか、効果が上がる演出をしたいと思っております。いずれにしてもボディビルが芸術性のスポーツとして観客に感動を与え、愛好者が増えることを念頭においております。

中尾 「見せる」という点で特に顕著なものとして女子のフィットネス競技などがありますが、そうした競技は競技スポーツでありながらショウアップさせていくことが必要だと思いますが、ボディビル競技そのものについていえば、ショウアップしていくことがなかなかむずかしいかもしれません。

玉利 見る人に魅力を感じてもらうという点でやはり大きいのは、日本人選手が世界に堂々と通用する姿をアピールしていくことではないかと思いますが、そのように日本人選手が国際大会で金メダルを獲得するためには何が必要だと思いますか。

朝生 今までのデータを見ていくとアジアの大会の場合ですが、金メダルの数は80年代が圧倒的に多く、その後90年代、2000年代となるにつれて減少してしまっています。だからといって日本人選手のレベルが落ちたのかというとそうではなく、アジアのレベルがそれ以上に向上しているということなのです。それで最近は、アジアからの世界チャンピオンが多いのです。近年では香港やインドネシアなどの台頭も目覚しいです。そうした中で日本人選手が成長していくためには、やはり今、30歳以下の若い選手をどんどん世界の大会に出場させて経験をつませて成長させていくことではないかとではないかと思います。

玉利 あらゆるスポーツにおいて実行されている、国際的な競技力向上のための具体策としては、そうしたジュニアからの育成プログラムや海外との交流などに加えて、トップ選手たちの強化合宿などもあります。この合宿に関しては、ボディビルの場合すぐに筋肉の向上に結びつくということは少ないのかもしれませんが、選手同士の一体感、連帯感をもたらしたり、あるいはトップ選手にとってもさらなる課題を見つけ出していく上でやはり有意義なので、今後さらに必要になっていくのではないでしょうか。

朝生 そうですね。そうしたことに加えて指導者の研究会も必要だと思います。

玉利 また、見せるための美の要素としてポージングもたいへん重要ですから、そうしたことに関しての広い指導が必要になってくるでしょう。

中尾 はい。いろいろ大会を見ていてポージングの基本がわかっていない、できていないという人が多いと感じることがあります。ですから、そうしたことをきちんと紹介していかないといけないと思います。上手下手という問題ではなく分かっていないということが多いのです。

玉利 そうしたことはマナーの問題にも関わってきますね。

中尾 そうですね。選手のマナーということで見ていくと、誠に残念ですが、ボディビルの選手は他の競技の選手と比較すると悪いことが多いです。

玉利 やはりもともとがボディビルはクラブスポーツとして発展してきたという経緯もそこに影響しているかもしれません。「お客さん」として練習しにきている選手がやはり多いのです。ですがやはり選手であるならばマナーは大切ですから、そうしたことを含めて今後、連盟が指導していくべきかもしれません。
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健康づくり、筋肉づくりに関しての指導的立場

玉利 健康づくりというのは万人にとっての関心事項だと思いますし、これに貢献することがボディビルの普及拡大の要素となるでしょう。また、筋肉トレーニングの後の爽快感や活力は人生の中にいかすことができるものです。今日、メタボなどの弊害が指摘され、国を挙げて取り組んでいますが、そうした中では、ボディビルというものがもつ現代の社会にとっての意義を上手にアピールしていくことが大切かと思いますが、そこのところ石井先生いかがでしょうか。

石井 はい。2000年以降、健康づくりの上において筋肉づくりが大切であるということが日本でも定着してきています。以前は「筋トレをしても健康にはならない。有酸素運動をしなくてはならない」という意見一点張りであったのですが、そうした風潮もたいへん変わっていきました。ですが、もちろん筋肉をつくれば即健康になるかというとそうでなく、要は筋肉を若く保つということですね。そして筋肉を基盤とし元気に動いていくことで心臓や呼吸器の働きを保っていく。そのためにこそ、まず筋肉や骨をしっかり作って元気で動ける体を作り維持していくということです。そういう点から健康づくりということに関してのボディビルの役割は大きくなってきています。そしてその中で、ボディビルに携わる人たちは筋肉を作るという点においては、他のどのスポーツの指導者や選手よりもその専門家であるべきです。それゆえにそうした専門家集団を育てていくための指導者作りがこれまで以上に求められてきているといえるでしょう。

橋本 連盟としての指導者の認定制度がありますね。そこでは、「このような人にはこのように指導をしなさい」というような多岐にわたってマニュアル化された指導が講習されているのですか。

石井 いいえ。そういうわけではなく、やはり人は個人によって体も違いますから、その際、マニュアル化されたあるいは独善的な指導方法を行うのではなく、一般的な知識をふまえた上で専門家としての応用力を持ち個々のケースに対応して行く、そうした指導者になることが大切であろうと思います。

中尾 指導者としての必要な知識を学ぶ講習会ですが、石井先生に中心となってご指導をいただいているように、あれだけの講習会ですからやはり外に発信していくものでもあるべきだと思います。他のスポーツ団体にもぜひ参加していただきたいのですが、そうした中での実技の講習においては、今流行の「俺流」のみではなくて、本当のウエイトトレーニングとはどのように行うのかということを知っていただき、そうしたことを参加していただいた方におさえていただくことが大切だと思います。

石井 指導者講習会に参加される方というのはもちろんある程度の経験を持つ方々ですが、近年はさまざまなトレーニング方法が紹介されていて、そのために多用な方法が実践されているものの、その反面、基礎を欠いたトレーニングが多く行われていることもあります。ですからやはり、基礎を重視した講習には大きな意味があると思います。

玉利 指導者講習会は体験を経て積み上げてきた人がその上に理論的なものを身につけていき、ボディビルについての認識を正しく理解していただくものですが、さらに連盟がボディビル普及の一環として、一般の人たちを対象とした講習会も必要になっていくのかもしれませんね。

石井 はい。実際フィットネスクラブでは積極的にそうしたことが行われています。その際、今では廃校になりイベント用スペースとなっている学校などが会場として使われております。連盟が一般の方を対象にしたイベントを行う際にもそうした場所を使って行われてもいいのではないかと思います。

吉田 ボディビルが指導的役割を果たす上においてはメディアとの連携は大切だと思います。筋肉を鍛えるということでは、現在ではボディビル界の人たちより、ボディビル競技ということを意識しないでフィットネスクラブで筋カトレーニングをしている人のほうが数では多いと思います。そこでやはりボディビルを特殊なものというのではないということを伝えるマスメディアが大切になってくると思います。会社帰りに体を鍛えているサラリーマンやOLの人たちに筋肉をより鍛えたいのであればボディビルの人に聞けばいいということをアピールして、つなげていくメディアの存在が重要になってくるのです。その点においても月ボさんには頑張ってほしいと思います(笑)。

玉利 世の中には月ボをはじめとするボディビルのメディアもあればテレビや新聞等のいわゆる一般メディアがありますね。そして例えばオリンピックの競技のようにメジャーであれば、一般のメディアが派手に取り上げてくれますが、そういう意味で見ればボディビルというのは確かにマイナーな競技です。しかし、今後、世界に出て華々しい活躍を見せるスター選手がどんどん登場してくれば、そうしたマイナーからメジャーになっていく上で大変有効なこととなるでしょう。そのような選手を数多く育てること、そしてそのために連盟組織をますます活性化させていくことに一丸となって努めて参りましょう。

橋本 現在のボディビル界にあるさまざまな課題、そしてその中で絶えず行われている連盟の皆様の努力が今後すばらしい成果として花開いていくことを心より願うとともにその中で月ボもまた大きな役割を果たすことができるようよりよい誌面づくりに今後とも邁進していきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
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[ 月刊ボディビルディング 2009年1月号 ]

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