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色うつりしない、剥がれにくい:夢のカラーリングついに解禁か!?エアーブラシタンとは何だ!!

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.05.25
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ボディビルやフィジーク、ボディフィットネスにフィットネスビキニ、どのカテゴリーにおいても筋力トレーニング、減量、そしてポージング練習を厳しく努力していくことは、自分のスキルを上げたり、良い結果を残すために避けては通れない道である。どれも、「もうこれくらいで良いや!」とか「ここまでで十分だろう!」等という甘えを自分に与えたとしたら、それは自ずと結果に反映してしまうほど、どれも重要なファクターなのである。

そして、この業界において、もう一つ大会前に選手達がやらなくてはならない必須事項がある。それは“日焼け!”だ。今ほど日焼けマシンが普及していなかった90 年前半までは、まだ肌の白い選手がちらほらといたものだ。いや、70年代、80年代は、今のように黒々と肌を焼いている人はほとんどいなかった。だが、年を追うごとに選手の肌は黒々とし、いつの間にか“黒くなければ大会で勝てない!”何て言う風潮になってきている。確かに、肥大色である白よりも光りを吸収するクロの方が、カットやセパレーションを浮き立たせて見せてくれる。

しかし、この日焼けが、この競技の普及の弊害になっていることも事実である。特に、ボディフィットネスやフィットネスビキニの女性に特化したカテゴリーにおいては、この日焼けが大会出場へ二の足を踏ませているとともに、現存の選手が競技を続けていく上でかなりの負担になっている。それは金銭的なものや時間的なものもそうだが、その一番は美容に関して、であろう。日焼けによるシミ・そばかすの発生はもちろんのこと、ガン発症のリスクは、今や世界中の誰もが知っていることだ。

発ガン性のある食品には敏感になりながら、発ガン性のある日焼けという行為には少々無頓着過ぎないだろうか?「できれば日焼けはしたくない。しかし、黒くしないと見た目は悪いし、順位は上がらない。国内でもカラーリングを認めて欲しい!」という声は、カラーリングが国内で禁止されてから、毎年のように聞かれる言葉だ。生まれつき日焼けができない体質の人は、この競技に出たくても出られないだろうし、「肌によくない日焼けをしなくちゃいけないから」と大会出場を諦めている人の声も多々聞かれる。しかし、逆に言えば、日焼けの問題をクリアすれば、この競技の普及・拡大が大幅に見込まれると言えるだろう。

この日焼けという、業界内最大の問題をクリアにしてくれる方が、大阪に現れた。エアーブラシによるカラーリングで、大会に出られるくらいの肌の黒さを実現してくれるという事である。もし、これが国内の大会で認可されれば、選手への負担軽減はもちろん、出場選手の拡大も大きく見込まれる。そこで、早速、エアーブラシタンを業界内にいち早く紹介し、大会使用実現に尽力している森本恵理さんにインタビューを行った。
―――こんにちは。今日はよろしくお願いします。まずエアーブラシタンの使用が大会で実現されれば、選手の負担はかなり軽減されると思いますが、果たして本当に今年から使用が許可されるのでしょうか?

恵理 実は昨年も、三重県で開催された東海オープンにおいて、実験的にこのエアーブラシタンは採用されました。前日と前々日に三重県連盟理事長の宮島さんのジムにて、10人くらいの人をカラーリングしました。エアーブラシタンは、従来のカラーリングのように触って色がついたり、はがれたりすることは決してなく、仕上がりが綺麗なので大好評でした。ただ大会で使用して良いか悪いかは、本部連盟の許可がいるということです。まだ、エアーブラシタンが従来のカラーリングのように当日色落ちするとお考えの理事の方々が多いので、そうではないということをこれから説明する必要があると考えています。日本連盟主催の大会は、地方連盟の動向を見てから使用を決めたいということでしたので、今年は積極的に地方連盟の大会で使用してもらえるよう普及活動に努めたいと思います。出来るだけ、前日から大会の方にも出向く考えです。

―――エアーブラシタンは、従来のカラーリングとは違い触っても色がついたり、剥げたりしないのはなぜなのですか?

恵理 従来のカラーであるプロタンやジャンタナタンなどは、いわゆる肌の上に塗る塗料のようなものです。ですから、触れば色がつきますし、乾いた後でも汗をかいたり、シャワーを浴びたりすれば色が剥げてしまいます。前日にカラーリングして、寝てしまえば、シーツやパジャマに色がついてしまいましたし、当日バックステージでも汗をかけばカラーが剥がれて会場を汚してしまいました。そういった会場を汚したり、それを防ぐ養生に手間や経費がかかるということで現在カラーリングは禁止されています。しかし、このエアーブラシタンは、色材を吹き付けることによって皮膚のタンパク質に化学反応を起こさせて黒くさせるというものです。つまり肌に塗料を塗るのではなく、中から黒くさせるものですので、定着してしまえば触ろうがシャワーを浴びようが、決して落ちたり剥がれてしまうことはないのです。

―――それは素晴らしいものですね。もし、大会で使用が全面的に認められるようになれば選手の金銭的な負担や、時間的な負担も改善されますし、さらに日焼けによる健康被害もなくなります。女性に関して言えば、シミやそばかすなど美容への弊害もありますので、大会へ出場したくても日焼けが嫌で出場しないと言った方々にも朗
報と言えます。ぜひ実現させて欲しいですね。ところで、何で恵理さんはエアーブラシタンを行おうと思ったのでしょうか?

恵理 昨年の3月に大阪で女子フィジークの講習会があり、私も出席しました。講習会の後に、日本連盟の中尾尚志審査委員長、大阪連盟の小川理事長、そして何名かの選手とお茶をする機会がありました。そこで中尾さんが「今年日本でアジア選手権があり、そこではカラーリングが許可されます。いくら国際大会だからといって、日本でカラーリングを認めた以上、いずれ国内の大会でもカラーリングを認めざるを得なくなるでしょう。しかし、既存のカラーリングでは、使用禁止の経緯を考えるとなかなか難しいです。何か衣服を汚さないカラーがあれば良いのですが…」と話されました。その会に参加していた選手からも「恵理さん、是非そのようなカラーリングを見つけ出して、日本のジャン・タナになって下さい」なんて言われました。その時からですね、選手のために一肌脱ごうと思い、新しいカラーリングはないかといろいろと探し始めました。

そして、知り合いが着かないカラーというものを見つけて来てくれました。皮膚のタンパク質を科学反応させて肌を黒くさせる色材があるということを。そこで、そのような色材を使った日焼けサロンのようなものが国内にないかを調べました。そしたら、あるんですよね。大阪にはなかったのですが、東京には何年も前からありました。私は自分で試してみようと思い、お客としてそのサロンを伺いました。全く日焼けをしていない私の肌が、1回のエアーブラシタンで小麦色になりました。「これは、選手の皆さんに喜んでもらえる」そう思い、その場ですぐに契約をし、エアーブラシやコンプレッサーなどの道具一式を購入しました。その後、塗り方の一通りの講習を受け、奇麗に塗るには実践も必要なので、始めは知り合いに頼んで塗る練習をさせてもらいました。せっかく色が落ちないカラーリングでも、汚く塗ってしまったら元も子もないですから。

―――奇麗にさえ塗られれば、これ以上ない優れたカラーリングだと思いますが。

恵理 ただ、カラーリングをやって行くうちに一つ気づいたのは、日光やマシンによる日焼けの色ほどの黒さが出せないということです。最近の傾向としては、選手の肌の色が黒ければ黒いほど良いと言われています。特に、仕上がりやカットの鋭さが勝負の分かれ目となるボディビルに関しては、その傾向が強いです。エアーブラシタンの色材にも色の濃さが何種類かあるのですが、今一番黒さが出せるものでも、日焼けと対等の黒さを出せるかと言えばそれは無理だということです。

そもそも、このエアーブラシタンはハリウッドのセレブ達が、気軽に小麦色の肌にするためのものですので、ボディビルダーほどの黒さは求められていません。もし、今までのような黒さを希望されるのでしたら、ある程度のベース作りが必要です。ただ、メンズフィジークやフィットネスビキニなどのように、あまり黒くなくても遜色ないカテゴリーでは、エアーブラシタンである程度はまかなえると思います。

―――別にボディビル競技も色の黒さを競い合うものではありませんし、肌の色の黒さ云々を言う人は、結局仕上がり自体が甘いのだと思います。しっかり仕上げていれば、真っ黒になるまでの日焼けは必要ないと思います。そもそもボディビルは、カットよりもバルクを競うものだと思いますし、一昔前の選手の肌は、結構白かったように思います。さて、エアーブラシタンが従来のカラーリングとは違い、触ってもはげたり落ちたりしないということは分かりました。次に皆さんの興味があるところは、実際どのようにエアーブラシタンが塗られて行くのかということだと思います。

恵理 エアーブラシタンは、日焼けサロンのような大きなマシンを使う訳ではありません。小さなコンプレッサーとエアーブラシ、後は色材とタオルがあれば良いので、極端な話、バスマット分のスペースがあればできます。色材も飛び散る訳ではないので、ホテルの部屋で行う事も出来ます。全身をカラーリングするのも、30分あれば十分です。

―――それでは、将来的に大会当日にバックステージで行うこともできますね。

恵理 いや、それはできません。というのも、肌に塗料を塗る訳ではなく、皮膚のタンパク質を化学反応させる訳なので、色が定着するまでに7時間くらい必要です。その間は、お風呂はもちろんのこと、汗をかかないように注意する必要があります。ですから、エアーブラシタンを行った後は出来るだけ涼しい部屋で動かないようにして下さい。一度定着してしまえば、3、4日はお風呂に入ろうが、サウナに入ろうが、色が落ちることはありません。ですから、日曜日にたいてい大会がありますので、できるだけ土曜日の午前中までにエアーブラシタンをした方が良いです。
エアーブラシによるカラーリングは、大きな道具を使用する訳ではないので、タオル1枚程度のスペースがあればできる

エアーブラシによるカラーリングは、大きな道具を使用する訳ではないので、タオル1枚程度のスペースがあればできる

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―――では、エアーブラシタンをした後は、服を着ない方が良いのですか?

恵理 それはないです。従来のカラーリングではないので、エアーブラシタンをした後に衣服を着ても大丈夫です。そうでないと、エアーブラシタンに来た後、裸で帰らなくてはなりませんから。Tシャツの襟に多少色がつく程度で、それも洗濯で綺麗に落ちます。色材が定着するまで注意することは、水に触れたり、汗をかかないということ、そして牛皮のソファーやシートに直接座らないことです。牛皮もタンパク質ですから付着します。

―――その他に、エアーブラシタンをする上で注意点はありますか?

恵理 エアーブラシタンを行って、7時間経った後に、一度シャワーを浴びることです。これは肌の上に残った余分な色材を落とすためです。色材自体が時間とともに黒くなりますので、余分なものが肌の上に残っているとそこだけ黒さが強くなってしまい、斑になってしまいます。シャワーを浴びると色が剥げてしまうと思っている人が多いようですが、従来のカラーリングとは違いますので、何度も言いますが定着してしまえば色が剥げることはありません。ですから、例えば金曜日の夜にエアーブラシタンを行ったら、その日の夜は汗をかかないようにして過ごし、翌日シャワーを浴びて余分な色材を落とすということです。また、エアーブラシタンの色材は、時間の経過とともに黒さを増します。そう考えると、土曜日にエアーブラシタンをするよりも木曜日か金曜日に行った方が良いと思います。
before

before

after

after

1回のカラーリングで、かなり黒くなったモデル。ここから定着まで7時間ほど汗をかいたり、水に触れないよう注意が必要だ。その後一度余分なカラーをシャワーで落とし、そこから定着したカラーがセルフタンニングを始め、さらに黒さが増すという(モデル:中山辰也)

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―――先ほど、エアーブラシタンも1回よりも2回行った方が黒くなるということでしたが、その場合はどのように行えば良いですか?

恵理 エアーブラシタンは1週間ほど黒さが持つと言われますが、皮膚の代謝とともに黒さははげてきますので、トレーニングをガンガンやっていて新陳代謝の速い人はもっと短いかもしれません。ただ2、3日で取れるということはありません。ですから、定着の時間を考えると、1回目に行ったあとは2、3日はおきたいので、火曜と金曜とか、月曜と木曜にやれば十分かと思います。

それとエアーブラシタンは黒さとともに艶も出ます。汗をかいたときのようなテカテカ感ではなく、もう少しマットな艶が。その艶もシャワーを浴びようが、汗をかこうが2、3日は続きます。

―――話は変わりますが、エアーブラシによるタトゥーカバーもできるということですが、それはどのようなものですか?

恵理 タトゥーカバーはカラーリングとは違い、タトゥーの上にファンデーションを吹き付けて隠すというものです。こちらも4、 5日カバーリング効果は持続します。

―――最近では、タトゥーを入れている人が多いですが、JBBF大会ではタトゥーは禁止されていて、出場するにはそれを隠さなくてはなりません。今までは、タトゥーを隠すためにテープなどを使用していましたが、それだと見た目が悪く、また大きいものだとその部分のカットやセパレーションが隠れてしまいどうしても不利になってしまいます。このタトゥーカバーは、そういった点も解消されますね?

恵理 確かに見た目に関しては、かなり解消できると思います。ただ、タトゥーカバーは肌の上にファンデーションを吹き付けて行くものですので、エアーブラシタンを行った場合、そこだけ黒くなりません。エアーブラシタンは皮膚のタンパク質を化学反応させる訳ですから、皮膚の上にファンデーションを塗っているタトゥー部分は黒くならない訳です。しかし、そのファンデーションも濃さがありますので、できるだけ黒いものを使用することでエアーブラシタンの色に近づけることは可能です。ただ、あまりに大きいものは無理かと思います。

―――ここまでお話を聞いて、恵理さんのエアーブラシタンに対する思い入れの凄さを感じるのですが、何が恵理さんをそこまでさせているのでしょうか?

恵理 私は選手ではありませんが、この業界にはもう30年以上います。20代の頃からナニワトレーニングセンターにお世話になり、多くのボディビルダーの方々を目の当たりにして来ました。選手がどれだけハードなトレーニングを、どれだけ過酷な減量をしているのか知っています。そんな中、日焼けという自分の努力ではどうしようもないことに、選手達は時間やお金をかけていることをなんとかして上げたいという気持ちがありました。カラーリングに関しては、連盟内でも前々から「どうにかしなくてはいけない課題」とは言いながらも、その一歩がなかなか進みませんでした。その口火を誰かが切らねば前には進みませんし、負担や弊害があるかもしれませんが、私がそうしようと思いました。私はこの競技が、選手達がとても好きなのです。ですから、選手達の負担を軽減させてあげたいし、また自分の力でステージに上がる前の最後の仕上げを奇麗にしてあげたいという気持ちが強いのです。

別に私はエアーブラシタンを独占するつもりは毛頭ありませんし、実際多くのサロンが現在ではできて来ています。料金も安いところがあるかもしれません。ただ、ほとんどのサロンはこの競技を知りません。1回、全身に吹き付けて終わりです。私は、先ほども申した通り、選手の最後の仕上げを綺麗にしてあげたいので、1回塗って斑になったところは再度丁寧に吹き付けますし、出来る限り選手の要望の色に近づける努力をします。他のサロンとは、ボディビルに対する思い入れが違うのです。

―――今回の取材をして、エアーブラシタンは日焼けという選手の負担を多いに軽減してくれると強く感じました。日焼けはお金や時間の浪費だけでなく、健康被害も懸念される材料です。健康を謳っているボディビルが、健康被害を与える行為を行っているようでは発展はありません。保守的な意見を持つ理事の方もいるとは思いますが、将来を見据えてここは一つ革新的な行動をして欲しいものです。

恵理 今年は地方連盟の責任において大会での使用が許可されている状態です。理事の中にはエアーブラシタンは色落ちすると思っている人がまだまだいるようですが、ぜひとも一度試してみて欲しいと思います。そうすればエアーブラシタンが色落ちしないということを分かってもらえます。地方大会で使用を申請したいという希望があれば、できるだけ私は出向きたいと思います。そうなれば、日本連盟主催大会でも許可される可能性が考えられます考えられます。選手のためにも、今年はがんばりたいと思います。

―――ありがとうございました。

※JBBFより:昨年は、三重県連盟が開催したオープン大会において、汚さないカラーリングとして評価され、日本連盟にも報告済みです。 
現在エアーブラシカラーリングは、日本連盟に申請をして、許可されれば可能となっております。カラーリングについて興味をお持ちな地方連盟の方は、日本連盟まで連絡して下さい。

  • 森本恵理(もりもと・えり)
    ボディカラーリング・タトゥーカバー施術サロン「Venus」経営。

    2015 年アジアボディビルフィットネス大会にて数々の選手を手がける。10代の頃大阪ナニワトレーニングセンターでボディビルを知り、伊集院先生のもとで数多くのトップビルダーの育成を見ながら大会の補佐を経験。身体作りには栄養の大切さを実感し、アスリートフードマイスターとしてカフェも運営。

    JBBFボディビル、フィットネス3級審査員。JBBF公認2級指導員。日本ハイインテンシティトレーニング協会ファシリテーター

  • ボディカラーリングサロン Venus(ヴィーナス)
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取材・撮影:
本誌・Ben
取材協力:
STRONG DEPOT
[ 月刊ボディビルディング 2016年6月号 ]

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