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第2回"ミスター東日本"小林淳選手の手に

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月刊ボディビルディング1968年7月号
掲載日:2017.12.12
'68年ミスター東日本コンテスト

'68年ミスター東日本コンテスト

 ミスター東日本コンテストはこれで2回目である。第1回は、一昨年の真夏、太平洋の荒波をまともに受ける九十九里浜海岸で行なわれたが、今回は春風かおる新緑の宇都宮が舞台となった。栃木県協会の10周年を記念し、日本、栃木両協会の共催で行なわれた第2回ミスター東日本コンテストだ。
 会場は市の中央に位置する栃木会館である。まず、皆川栃木県協会副会長の開会宣言、そして、70余名のたくましい選手が整列する前で、八田一朗日本協会会長、植竹春彦栃木県協会会長のあいさつ。次いで、審査員の田鶴浜日本協会副会長、皆川栃木県協会副会長、玉利日本協会理事長、平松日本協会顧問、藤原宮城県協会理事長、兼岩静岡県協会会長、赤井神奈川県協会理事長、長野たみ子栃木県協会参与の各氏の紹介、そして、平松審査委員長のコンテスト採点方法の説明がこれにつづく。
 いよいよ予選開始。
 東京28名、地元の栃木26名、埼玉4名、千葉3名、静岡4名、宮城4名、神奈川6名、福島1名の計76名の選手が出場、熱戦をくりひろげる。
 この日司会を担当した日本協会の飯塚書記は、毎年ミスター日本コンテストを司会するTBSの榎本アナウンサー顔負けの名調子で、選手の出身地、体位などを解説して、好評サクサク。予選終了後、決勝進出者が決定するまでの間、松本栃木県協会理事長がボディビルの解説で時間をつなぐ。
 採点の結果発表。規定の決勝進出者は10名だが、同点10位が2名出て、けっきょく11名の選手が決勝の舞台にのぼることになった。
 古代ギリシャのドーリア式の柱を左右にあしらった舞台で、11名の選手たちは、力感みなぎる演技を次々に披露する。ミスター日本出場のベテランと新人の入りまじる激戦で、予測はまったく許されなかったが、やはり、ミスター日本コンテストで2年連続入賞の実力をもつ栃木県ボディビル界のホープ小林淳選手(宇都宮ボディビル・ジム)が強く、その頭上に栄冠がかがやいた。
 大会終了後、栃木県自民党会館で、役員選手の交歓パーティが開かれ、コンテストの批評や反省、ボディビル界のこんごの発展などについて意見の交換が行なわれた。最後に、審査委員長をつとめた平松氏の音頭で、日本ボディビル界の限りなき前進を願って万才三唱。第2回ミスター東日本コンテストは成功裏に幕をとじた。

総評

 第1回にくらべると、全体にレベルが向上し、地方勢の台頭が顕著であった。とくに栃木県は、地元ということもあり、質量ともにだんぜん他府県を圧倒する勢いだった。26名の栃木の選手のなかには、まだ一定のレベルに達していない人も見られたが、強豪に伍して、自分なりに鍛えあげた成果を示そうという心気意は大いに認めたい。
 ポーズも、2、3年まえにくらべ、格段の進歩を見せた。不自然なポーズ変化のないポーズ、バランスのくずれたポーズ、りきみすぎのポーズ——これらは姿を消し、ほとんどの選手が、流れと極めのある安定感と力感にあふれたポーズをマスターしていた。ボディ・コンテストに対するビルダーの考え方が深まってきたからだろう。ポーズは、筋肉のたくましさを素材として人間そのもののすばらしさを謳いあげる"肉体の詩"でなければならない。"ミスター東日本"のタイトルを獲得した小林淳選手は、だれが見ても文句のない優勝ぶりだった。
 比較的小柄ながら、完ペきに近いまでに発達したみごとな筋肉、しかも、大きな筋量に負けないデフィニションを保持しているのは、よほどの練習量によるものであろう。ポーズのみごとさも群をぬいていた。自信満々、強調すべきときは思いきって大胆なポーズをとり、小さいということを少しも感じさせなかったのは、傑出した表現力を身につけているからだろう。今年のミスター日本への挑戦が見ものである
 2位の小島一夫選手は若干20才。若芽がぐんぐんと伸びるような力を感じさせる選手だ。色つやといい筋肉の張りぐあいといい、いかにも未完の大器を思わせ、明日への期待をいだかせる。ミスター日本の遠藤選手のジムに所属し、指導を受けているだけに、まじめに努力をつづければ、2、3年のうちにはミスター日本級の大物に成長するだろう。
 3位の飯富幸夫選手は、昨年のミスター東京に3位を獲得し、ミスター日本にも出場しているが、今年は見ちがえるばかりにバルクがついてきた。体質的にバルクがつきにくい型と思われるだけに、ひたむきな努力と研究のあとがしのばれる。線がきれいなのだから、さらにバルクがつけば鬼に金棒。彼の根性に期待しよう。
 4位の内田敏夫選手も21歳の若さで昨年そして今年と、急速に伸びてきた選手だ。後楽園ジムの大世帯のなかで多くの先輩にもまれてきたせいか、ポーズも態度もなかなかのもの。将来性は十分だ。
 5位の横塚辰雄選手は、昨年の実業団コンテストでも優秀な成績をあげていたが、今年はひとまわり大きくなった。だが上体にくらべ、下半身の筋量不足が感じられる。下半身のトレーニングに重点をおいてもらいたいもの。
 6位は静岡の海野久男選手。バルク、デフィニションともにすぐれており、3位入賞は確実と思われたが、惜しくも6位に終わった。高く評価されてよい実力をもっている選手なのだが
・・・。ポーズをとったときのアッピール力が足りなかったのではないか。よい意味のずぶとさをもっと発揮してもらいたいものだ。
 7位は宮城県の雄、2年連続宮城チャンピオンの藤原達也選手。兄さんである宮城県協会藤原理事長の指導よろしきを得てか、どこといって欠点のないよくまとまった体をしている。難をいえば、体に豪快味、スゴ味が不足している。いま一段の迫力がほしいところ。もっとも、これは年期の積上げによって解決されていくだろうが。

順位・氏名 年齢 身長 体重 胸囲 腕囲 腿囲 ボ歴 県名 所属団体
【1】小林  淳 23 158 65 120 41 60 5 栃木 宇都宮ジム
【2】小島 一夫 20 167 78 121 44 63 2 東京 錦糸町ジム
【3】飯富 幸夫 24 168 75 120 44 60 7 東京 後楽園ジム
【4】内田 敏夫 21 170 75 110 41 61 3.6 東京 後楽園ジム
【5】横塚 辰雄 27 175 80 120 43.5 61 5.3 埼玉 個人
【6】海野 久男 26 166 80 120 42 65 5 静岡 静岡バーベル
【7】藤原 達也 24 166 70 116 40 60 2.1 宮城 藤原ジム
【8】手塚 正禧 28 164 66 115 41 58 12 東京 蒲田ジム
【9】君島紀一郎 20 166 75 128 42 62 5 栃木 宇都宮ジム
【10】村上五十夫 24 166 70 118 40 61 2.1 ?城 藤原ジム
【11】左近 治雄 25 170 77 117 40 60 3.5 東京 後楽園ジム
月刊ボディビルディング1968年7月号

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