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なんでもQ&Aお答えします 1971年3月号

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月刊ボディビルディング1971年3月号
掲載日:2018.01.22

疲れている時のトレーニング

Q 18才、ボディビルを始めて1年になります。
トレーニングを開始した頃は毎日やっていたのですが、この頃、からだが疲れて、トレーニングが週に1度できるかできないかという状態です。
疲労しているときトレーニングをしても逆効果だそうですが、僕の場合どのようにトレーニングをしていったらよいか教えてください。
(新潟県長岡市 鷲尾泰治)
A この質問には早急に解答しなければならなかったのですが、手違いで、かなり遅くなってしまい、誠に申しわけありません。
まず、最初にいわなければならないのは、何はともあれトレーニングを中断して、完全な休養をとる必要があるということです。
そして、疲れの原因(仕事による過労、オーバーワーク、季節の変化、睡眠不足、食欲不振、病気等々が考えられる)を究明し、改善できるものは早急に改善することです。
とくに、夏期はかなり体力に自信のある人でも、暑さにやられ、夏バテになりやすく、普通ビルダーの多くはあまりトレーニングをやりたがりません
このように、暑い時期は疲れやすいので、トレーニング量を減らすことが肝要です。気候もよく、仕事もさしてきつくないのに極端に疲れやすいなどというような時は、からだに異常があることが多いので、できるだけ早く医者に診てもらうべきです。

空手の体力づくり

Q 空手経験1年、16才です。いっそうの飛躍を望み、ウェイト・トレーニングを採用しようと思います
そこで、次の質問にお答えください。

①空手に必要な、助走なしでのジャンプ力、キック力をつけるには?

②パンチ力を強化するには?

③打たれ強い腹筋をつくるには?

④全身の柔軟性を増し、スピードを増すには?
(東京都中村)
A なかなか核心をついた質問ですね。それでは、順にお答えしましょう。

①の場合。厳密にいうと、ジャンプ力と、キック力は、いくらか異なってはいますが、どちらも脚の素早い伸縮力が必要かつ決定的要素であることに変りありません。そこで、脚のパワー養成法として、ボディビルのトレー二ング法を紹介して解答とします。
最も簡単で直接的な方法としては、ジャンプそのものを行なうことで、上に高く飛び上がるだけでなく、前後、横、片脚飛びなど、いろいろなジャンプを行なうことです。
もちろん、ジャンプを行なう時はできるだけ空手の型を念頭に置き、空手の基本姿勢に準じた運動々作が好ましいでしょう。
ウェイトを用いる方法としては、バーベルを背負ってのスクワット・ジャンプ、およびスプリット・レンジ(前後開脚を交互に、素早く行なう)などがよいでしょう。
また、スピードをあまり問題にせず脚力養成を重視したものでは、へビー・ウェイトによるスクワットがよいでしょう。
回数およびセット、体息についてはジャンプ10~20回、スクワット6~10回ずつ、1~2分の体息をはさんで各々3~5セット程度行なうとよいでしょう。

②の場合。パンチ力養成にもいろいろ方法があり、細かく、すべてを説明するには紙面が足りませんので、ボディビル種目による腕の伸縮力養成法としてのみにとどめます。
この場合、プレス種目(腕による)なら大抵効果があり、代表的なものとしてはべンチ・プレス、スタンディング・プレスなどがよいでしょう。
回数、セット、体息については、回数6~10回、体息1~2分、セットは3~5セットでよいでしょう。
軽量で素早く繰り返す方法および、へビー・ウェイトを用いる方法を併用するとよいでしよう。

③の場合。これは腹筋を部厚くし外部からのショックに強くなる以外になく、腹筋運動と打撃訓練を行なうことです。
この点の詳しいことは、空手の先生や先輩に聞いた方がよいと思います。

④の場合。柔軟性とは、おもに関節の可動性と、筋肉の伸展性ということなので、からだを充分曲げたり伸ばしたりするような運動を行なえばよいでしょう。いわゆる柔軟体操です。
スピードを高めるには、空手のけい古、ボディビルのトレー二ングを行なうとき、努めて素早い動作を心がければ自然によくなります。
(JBBA技術委員会)
月刊ボディビルディング1971年3月号

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