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第32回全日本ウエイトリフティング選手権大会
兼ミュンヘンオリンピック代表選考競技会

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月刊ボディビルディング1972年8月号
掲載日:2018.05.28
三宅(弟)涙の敗退
ベテラン大内代表に選ばれず!!
ジャークで150kgに成功し、ローマ、東京、メキシコに続いて4回目のオリンピック代表となったフェザー級の三宅義信選手。

ジャークで150kgに成功し、ローマ、東京、メキシコに続いて4回目のオリンピック代表となったフェザー級の三宅義信選手。

得意のプレスで130kgに成功したフェザー級の安藤謙吉選手(日大)。きわどい判定であったが、この試技に成功したことが代表権獲得の要因といえるだろう。

得意のプレスで130kgに成功したフェザー級の安藤謙吉選手(日大)。きわどい判定であったが、この試技に成功したことが代表権獲得の要因といえるだろう。

 ミュンヘンオリンピック代表選手選考会を兼ねた第32回全日本ウエイトリフティング選手権大会は、去る6月24日、千葉県船橋市、日本建鉄KK体育館にて行われた。
 会場には、ボディビル界のベテランビルダー後藤武雄氏、照井進氏をはじめ、ビルダーの顔があちらこちらに見えた。かつてウエイトリフティングで活躍した経験のある照井氏は、目を皿のようにして観戦、後藤氏にしきりと説明し、後藤氏は自分の人間ばなれしたアシのことはどこえやら「いいアシしてるネ!!」とウエイトリフターの力強いアシをたびたび賞賛、ただし、上半身に関しては「以外に細いネ!?」と見る目はタシカ。
 記録的には日本新記録3つで、代表選考会を兼ねている割には低調であった、しかし、これも実力に差が少ないクラスが多く、僅かな失敗も許されないことから互いに意識し過ぎたことにもあるようだ。それだけに接戦の連続で見る人を楽しませた。
 それにしても本大会は、フライ級堀越、バンタム級細谷、フェザー級三宅弟、ライト級八田、ミドル級藤代、三石選手らの敗退、ゼロ失格の続出。そして、ミドル級角南、ライトヘビー級大内、両選手の優勝しながらの代表もれなど、予想外の結果が多く、オリンピック連続参加は三宅兄選手只一人ということになってしまった。
 フライ級は、減量苦をおしてバンタム級からフライ級に体重を下げた佐々木選手が追撃する斉藤選手を振り切って、このクラス6年ぶり3度目の優勝、2位の斉藤選手と共に代表に選ばれる。
 バンタム級。注目の細谷選手は肩のしびれでまったく振わず、プレス110kgを上げられず失格、有力対抗選手の小野が楽勝で代表となり、2位の三木選手がラッキーながらキップを獲得。
 フェザー級は、番狂わせが予想されてはいたがそれが的中、三宅弟選手は安藤選手に食い込まれ3位に転落
三宅兄選手はいく分か余裕を残し、貫禄の優勝。オリンピック出場4度目のキップを獲得、3回連続優勝へレッツゴー!! もちろん安藤選手も代表に選ばれた。
 もっとも印象的なのはライト級、すっかりこのクラスに根をおろした加藤選手が、やや独走気味の楽勝、2位争いと、加藤選手の日本記録更新に興味がそそがれた感がある。結果としては2位には安定した実力を持つ小野選手が、ここ一番にかけていた高尾選手に体重差で逃げ切り、期待の加藤選手は兄の全力の声援に応えトータル425kgの日本新をマーク。兄の感激ぶりこそ世界新だとは周囲の声。加藤、小野両選手が代表に決定。
 ミドル級。藤代、三石両選手がプレスで失格、追撃者のいなくなった角南選手、観戦の愛妻とベビーに応えた独走優勝、しかし、惜しくも選考会議の選考からはもれてしまった。
 ライトヘビー級。ベテラン大内選手の独走と予想されていたものの、進境著しい藤本選手の追撃は素晴らしく「大内危うし」の声が聞かれた。どうにか王座は守ったが、連続出場3回目のキップは手に入らなかった。風の便りによると近頃大内選手の身辺には脳みごとが多く不調の原因になっているとか。何とか再起してもらいたいものだ。
 ミドルヘビー級。日本にもやっと重量級の選手らしい大物が生まれたとうわさされる後藤選手。まったくの独走でトータル490kgの日本新記録をマークして優勝、きわどいところでキップを手にした。とわいえ世界との差はまだまだ。
 ヘビー級。岩崎選手の一人勝ち。しかし、このクラスから上は話すのもいやになるほど世界との差はある。452.5kgのトータルでは当然ながら選考の対象外、世界記録は587.5kg。

 全体を見て、プレスの判定が甘い。一部不信な判定があったという声が強く、三宅弟選手の敗退、後藤選手のラッキー気味なキップ獲得の原因となっていたとも考えられる。
 若手起用にあえて反対する気はないにしても、国民の血税で代表を送るからには、公正に選考し、立派な成績を収めてもらいたいという声もある。
 カッコよくいえば「ヤングパワー」中心のオリンピック代表選手に声援を送る。ただし期待はしない。
(H.F.)
ジャーク152.5kgの試技の前に精神統一をするフェザー級の三宅義行選手。この重量に成功すれば優勝が確定し、兄弟そろって代表に選ばれるとあって、兄の義信選手も心配そうに後方で見守っているが、惜しくも失敗して3位に転落、代表への夢は消え去ってしまった。

ジャーク152.5kgの試技の前に精神統一をするフェザー級の三宅義行選手。この重量に成功すれば優勝が確定し、兄弟そろって代表に選ばれるとあって、兄の義信選手も心配そうに後方で見守っているが、惜しくも失敗して3位に転落、代表への夢は消え去ってしまった。

月刊ボディビルディング1972年8月号

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