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やさしいボディビル英語⑫

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月刊ボディビルディング1972年12月号
掲載日:2018.05.19
高山勝一郎
記事画像1

~~~~トレーニング~~~~

 前月号までに、ボディビル英語種目のよってきたるところを説明した。

 種目の意味がわかれば、あとはこれをtraining(トレイニング)に移すのみである。

 train(トレイン)とは鍛練する、練習するという動詞だが、trainingはこれが名詞に変わったもの。

 「彼は現在トレーニングを続けている」というとき、He is in training(ヒーイズ イン トレイニング)というふうに使う。

 He is training(ヒーイズ トレイニング)は現在進行形だから、「今、トレーニング中」で、ちょっと意味が違ってくる。

 「現在トレーニングをやめている」ときはHe is out of training(ヒーイズ アウト オブ トレイニング)ということになる。

 「私はこの頃トレーニングから遠ざかっている」もI am out of training now(アイアム アウト オブ トレイニング ナウ)でかたずけられる。

〜〜〜〜汽車と鍛練〜〜〜〜

 trainには汽車という意味があるのはご存じのとおりである。

 シュッシュッポッポと走りつづける汽車は、まさにトレーニングの鏡といえるだろう。

 「私は毎日トレーニングしています」I train everyday(アイ トレイン エブリデイ)といえるビルダーはあまりいまい。

 「私は毎週月曜から金曜にかけてトレーニングします」I train from Monday through to Friday(アイ トレイン フラム マンディ スルー トゥ フライディ)というのがやはり欧米にも多い。

 I train from Monday to Saturday(アイ トレイン フラム マンディ スルー トゥ サタディ)となれば週6日だから、I train six days a week(アイ トレイン シックス ディズ ア ウィーク)でもよいわけである。

 「彼は1日おきに練習している」というときは He trains every other day(ヒー トレインズ エブリー アザー ディ)となる。

 He trains all day long(ヒー トレインズ オールディ ロング)となると、彼は1日中練習している……ということで、これはまた、たいへんなハード・トレイニーである。

〜〜〜〜 ナーとニー 〜〜〜〜

 ハード・トレイニーは字でかくと、hard-traineeである。

 hard-training(ハード・トレイニング)は誰でも知っている言葉だろうがtrainee(トレイニー)とは何であろうか。

 練習生というかトレーニングで鍛えられているほうの人を指す。

 逆に、鍛えてくれる人がtrainer(トレイナー)である。

 erのつくほうが能動者で、eeのつくほうが受動者なのである。

 似たような例をあげてみよう。

 雇い主がemployer(エンプロイヤー)で、雇われているほう、すなわち勤め人は、employee(エンプロイー)となる。

 同じように、発信人がaddresser(アドレッサー)で、受信人がaddressee(アドレッシー)である。
 セックスでも能動者と受動者の区別が言葉であればよいが、英語には残念ながらこれがない。

 sexに er と ee の区別がないのはこれが相互的なもので相互の愛に基づくという観念があるからであろう。

〜〜〜〜自分がトレーナー〜〜〜〜

 欧米の著名ビルダーが、よく自分のトレイニーにこういっている。

 Each fellow must be his own trainer(イーチ フェロー マスト ビー ヒズオウン トレイナー)すなわち、各々の人が自分自身のトレーナーでなければならない……というのである。

 Be your own trainer(ビー ユア オウン トレイナー)自分のよきトレーナーに君自身がなれ……というのである。

 ボディビルは、結局いつまでも人に教えられてやるものではない。最後はやはり自分が自分に最もあったtraining method(トレイニング メソッド)を工夫して、自分で厳しく行うべきだというのである。

 含蓄のある言葉である。

(筆者は政府公認通訳、科学技術翻訳士、株式会社国際交流サービス社長)
月刊ボディビルディング1972年12月号

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