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―均整美健康法―
シェイピング・レクレーションの実際④
スリミング・エクササイズ

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月刊ボディビルディング1975年3月号
掲載日:2018.04.16
高山 勝一郎

◇楽しめる努力◇

「楽しみながら,均整のとれた体と真の健康を得る」。これがシェイピング・レクレーションの真髄である。
 日常のレジャーの中に,あるいは気のあったグループでやるスポーツの中に,この「シェイピング」の機会はいくらでもある。
 無理に強制されて,苦しんでやるトレーニングでは決してない。
 といって,ただマンゼンと楽しんでさえいれば「均整美健康法」になるかというと,これもそうではない。
 健康体を得るにも,均整体を得るにも,ある程度の集中された“努力“が要る。
 むしろ,その努力を楽しむ,という気持がなければならない。
 楽しめる努力が含まれてこそ,「楽しさ」も倍加する,というものである。
 その意味で,ここに紹介する“スリミング・エクササイズ”も,ちよっとした努力とその継続性が必要なのだがそれがまた,一つの楽しさでもあるわけである。
 エクササイズそのものは,至って簡単なものだけに,継続性でカバーしてその効果を高めるようにしなければならないものなのだ。
 スリミング・エクササイズは毎日やった方がよい。
 時間はほんの10分なり15分なりがあればよいから,それがさほど負担に感じられることはまずあるまい。
 これによってスラリとした均整美が手軽に自分のものになるのだから,少々の時間と努力は,まことに安い経費であろう。

◇スリミング・エクササイズの特長◇

「ホッソリした」「スラリとした」という形容詞にSlim(スリム)という英語がある。
 これから派生して「スラリとした体にする」という意味でSlimming(スリミング)という言葉を使うようになったが,これは最近のことだ。
 したがって,「スリミング・エクササイズ」とは“スラリとした体にするための運動”という意味に解してもらってよい。
 特にそのような,特定の運動があるわけではないが,余計な脂肪をとり。体をひきしめるのに効果の大きい運動をとりまとめて,「スリミング・エクササイズ」と総称するわけである。
 さて,そのエクササイズの特長だがこれは次のように考えられる。
1,場所を要しない。
 すなわち,どこででも手軽にできる運動である。特殊な設備もいらず特別な運動衣も要しない。
2,わずかな時間でよい。
 一日に10分か15分ぐらいをかければ十分である。毎日行う習慣さえつけば,一日の運動量は短縮できる。
3,器具を要しない。
 ウェイト・トレーニングに見られるような負荷運動用のウェイト器具が要らない。ほとんどが,手ブラかありあわせの机や椅子ぐらいを使って気軽にやれる。
4,老若男女を問わない。
 どのような年齢層の人でも無理なくやれるし,男性でも女性でも,運動やレペティションを増減させるだけで,各人の体力に合わせ得る。
5,効果が大きい。
 単純な運動だから,と軽く見てはいけない。「単純な運動ほど,くりかえしの度合に比例して,効果が高まる」ことを知ることが出来よう。

◇レデイ・エクササイズ◇

 Ready Exercise(レディ・エクササイズ)とは,「いつでも手軽に出来る運動」という意味である。
 器具その他の設備をまったく用いずに行えるエクササイズだ。ここではスリミングに最も効果的と思われるいくつかの運動を選んで紹介しよう。

◎ジャック・ナイフ

 ウォーミング・アップをかねて「ジャック・ナイフ」からスタートするとよい。
 ぶっそうな名前だが,手足が勢いよく跳ねるサマを表わしていて,何となくその動作まで想像できよう。
 “気ヲツケ”の姿勢から,ジャンプしつつ両手を頭上へ廻して掌を合わせる。同時に脚は肩幅より広めに開く。
 つづいて,ふたたびジャンプを入れつつもとの姿勢に戻り,これを繰り返す。首を伸ばし,肩の力をぬいて行うのがコツである。
[ジャック・ナイフ]

[ジャック・ナイフ]

◎バタフライ・シット・アップ

 床に仰向けに寝た姿勢から,両手を伸ばし,上体をおこし,同時に脚を持ちあげる。
 上下体がV字形を作ったところで,両手の指先が足指に触れる。
 腹筋の緊張をゆるめないようにしながら,ゆっくり戻す。戻し終えた時点で,背中と脚が床に触れない位置でとどめ,ふたたび持ち上げる。
 V字形になった時点で4~5秒その姿勢を保持してから戻すようにすると強度が高まる。
[バタフライ・シット・アップ]

[バタフライ・シット・アップ]

◎ライイング・サイド・プレス

 右手を床につき,左手は腰にとる。脚を伸ばして両足先を床に固定する。そのままバランスをくずさないように気をつけながら,ゆっくり右手を屈する。肘が床に触れる寸前でとどめて,ふたたび右手を伸ばす。この屈伸をくり返し,右手が疲労してきたところで左手に替え同じ動作を行う。
 肩,腕の発達をうながし,腰腹筋をひきしめるのに効果がある。
[ライング・サイド・プレス]

[ライング・サイド・プレス]

◎フロアー・タッチ

 脚を軽く開いて立つ。
 この姿勢から上体を前に折って両手を伸ばし,掌が床に触れるところまで腰を屈し,またもとへ戻す。
 始めはきついので,指先が床に触れる程度にして,だんだんと掌の全面が床につくよう,ウエストの柔軟度を高めるとよい。

◎ウエスト・ベンダー

 両手を頭のうしろに廻して指先を組み,両足をそろえて立つ。
 体をひねりつつ右の肩を斜め前下へ出し,逆に左脚を上げて膝を腹部へひきつける。右手の肘と左脚の膝が接したところでもとへ戻し,これを10~15回くり返す。
 次に左手の肘と右脚の膝を触れさせる左ひねりの運動を同じ回数くり返えし,これを1セットとして,5セットほど行う。
 このウエスト・ベンダーはスリミング・エクササイズの目玉的な有効種目である。
[ウエスト・ベンダー]

[ウエスト・ベンダー]

◎フロアー・プッシュ・アップ

 床に両手をついて行う腕立て伏せである。伸ばした足は,できれば本でも箱でも椅子でも,何かの台に置いた方が強度が増してよい。
 この足台の高さをいろいろ変えながら行えば,違った刺激が大胸筋や腕筋に与えられ,バランスのよい発達がうながされる。

◎ボディ・スイング

 手近かにある厚めの本を持ち,両手で頭上に支える。
 やや体を後へそらせておいて,本を持った両手をスイングさせて,軽く開いた両脚の間へ振り込む。
 ふたたび体をおこし,もとの姿勢に戻り,つづいて次のスイングに移る。
 アメリカでは,背を伸ばすとか,姿勢をよくするとかに効果的だというので,この運動を採用しているご婦人が多いそうだ。
[ボディ・スイング]

[ボディ・スイング]

◎ニー・ロール・イン

 先ほどのバタフライ・シット・アップと同様,V字シットのバリエーションである。
 ニー・ロール・インでは両手を頭のうしろに組み,膝をまげつつ上体と下肢をおこす点が異なる。
 この時も,膝と肘とが触れあうまで体をおこし,4~5秒そのまま保持した上で,また体を倒す。
 下肢,上体とも床に触れる寸前でとめ,またおこす動作へ入る。
[ニー・ロール・イン]

[ニー・ロール・イン]

◎サイド・ベンド

 軽く両脚を開いて立ち,両手を頭のうしろで組んで,左右に体を曲げる運動。
 これを座って行なってもよい。「シッティング・サイド・ベンド」という
 横腹のたるみを取るのに効果的である。

◎スクイーズ

 床に仰向けに寝,肩から垂直に肘をついて上体を軽くおこした姿勢をとる
 そのまま,伸ばした脚の一方の膝をまげつつ腹部へひきつけてくる。
「スクイーズ」というのは“しぼり出す”という意味。腹部の脂肪を本当にしぼり出すほどの気持で,十分に膝で体を圧し,ふたたびもとへ戻す。
 左右交互に,最低20回を行なって1セットとし,5セットほど続けるとよい。

◎レベレージ・ランジ

 クール・ダウン(整備運動)を兼ねて,レベレージ・ランジを最後に行うように,あらかじめルーティーンをきめておこう。
 肩幅ぐらいな幅で両脚をひらいてまっすぐ立つ。
 その姿勢から,右足を一歩ふみ出して,その勢いで両手が後へ伸び体が床と平行になる位置まで倒れる。
 両手を前へ振るように動かしつつ体と脚をもとの位置へ戻す。
 次は足を変え,左足をふみ出して同じ動作を行う。
 30回を1セットにして,3セットぐらいをこなすとよい。
[レベレージ・ランジ]

[レベレージ・ランジ]

◇チェアー・エクササイズ◇

 次に手軽なところで,ありあわせの椅子を使って行うスリミング・エクササイズをご紹介しよう。
 通常「チェアー・エクササイズ」と呼んでいるが,効果は何も無いエクササイズより高いといえる。
 オフィスに居る時,または,旅先のホテル等でトレーニングをやりたくなった時,いろいろと応用が出来るのである。
 前述の"レディ・エクササイズ”とうまく組み合わせて行なっていただきたい。

◎チェアー・ディップス

 安定性のいい椅子を2脚用意する。
 椅子の背を向い合せにして,適当な間隔に置く。
 この背に両手をかけて体重をのせ,膝をまげておいて,肘を屈するディップを行うのである。
 慣れるまでバランスをとるのが難しい。椅子が倒れないよう十分注意しなければならない。胸や腕に筋肉をつけるのに効果的な運動である。
[チェア・ディップス]

[チェア・ディップス]

◎チェアー・プッシュ・アップ

 椅子を肩幅以上の間隔に離して置きこの座席部に両手を置いて,腕立て伏せを行う。
 足を台にのせて行うときは〝チェアー・プッシュ・アップ・ウイズ・レッグズ・エレベイティット〟という種目になる。効果は,台の無い時より大きくなるのはいうまでもない。
 台の高低は変化をつけるようにした方がよい。
[チェア・プッシュ・アップ]

[チェア・プッシュ・アップ]

◎リバース・プッシュ・アップ

 2脚の椅子を身長に近い間隔をおいて離す。
 一方の椅子に両手をついて仰向けになり,他の一方の椅子に両足をのせる
 両手の肘をゆっくり屈して体を沈めたら,また伸ばしてもとに戻す。
 主として上腕三頭筋に効く運動だが大胸筋や腹筋にも効果が及ぶ。
 バランスをくずさないよう注意することが大切である。

◎チェアー・チニング

 2脚の椅子の背を向い合わせにしてその上に棒をのせる。
 棒はホーキの柄でも何でもよい。これでインスタント・チニング・バーを作るのである。
 この棒にぶら下り,脚を伸ばして仰向けになる。ゆっくりと肘をまげつつ体をひき上げる。
 アゴが棒に接するまでひき上げたらまたゆっくりおろす。
 広背筋に効果があり,またウエストをひきしめるのに役立つ運動である。
[チェア・チニング]

[チェア・チニング]

◎ボディ・ブリッジ

 両足をそろえて椅子にのせ,体は仰向けになって,うしろに伸ばした両手を床について支える。この姿勢からゆっくり腰部を上へ押し上げるようにボディ・アーチを作る。
 極限まで伸ばし上げてからゆっくりもどし,床と平行の線よりやや下へ腰を沈め,ふたたび押し上げる。
 これを30回ほどくり返すと結構つかれてくる。小休止を入れて5セットほどやるとよい。
 ヒップ・アップによく,またウエストの脂肪をとるのによいとされる。

◎チェアー・レッグ・アップ

 椅子に腰をかけ,両手を垂直に下げて椅子の端をつかむ。
 ゆっくり膝を屈しつつ脚を持ち上げる。脚の膝が胸につくまでレッグ・アップして,またゆっくり戻す。
 この運動を,膝をまげず,脚をまっすぐ伸ばして行えば「チェアー・レッグ・レイズ」という種目になる。
 いずれも,ウエストを整え,腹筋を強化し,胃腸を丈夫にする,という効果を有する。
[チェア・レッグ・アップ](別名:シッティング・ニー・ツー・チェスト)

[チェア・レッグ・アップ](別名:シッティング・ニー・ツー・チェスト)

◎チェアー・シット・アップ

 ソファーなどの重い椅子の下に足先を入れ,これで脚を固定して上体をおこす運動。
 両手を頭のうしろで組んで,このシット・アップを行うと強度は増加される。
 効果は前のチェアー・レッグ・アップと同じ効果である。

◎チェアー・ワンレッグ・スクワット

 別名をステップ・アップという。
 まず椅子の前に立って,両手をうしろへ伸ばして椅子の両端を持つ。
 片足を椅子にのせて,一方の足を伸ばしたまま,さらに椅子の上に片足で立つように膝を伸ばしてゆく。
 ふたたび膝を屈してもとの姿勢へもどり,これを片足でつづけて15回をくり返して1セットとする。次に足かえて同回数を行う。
 この運動はなかなかきつく,また難しい。それだけに大腿部,カーフ等足全体をひきしめるのに効果は抜群である。
[チェア・ワンレッグ・スクワット](別名:ステップ・アップ)

[チェア・ワンレッグ・スクワット](別名:ステップ・アップ)

◎チェア・スクワット

 椅子のうしろに立ち,両手を椅子の背に軽くおく。
 次に膝を屈して腰をおとし,十分におとしたところで,また膝を伸ばす。
 女性向きの,手軽な脚部運動としてもおすすめできるスクワットのやり方である。

◇時間と回数とひん度◇

 スリミング・エクササイズは美容体操の高度発展過程にあるといってよい
 美容体操と異なるところは,よりシステマティンクで,より集中的で,より強度のあるエクササイズの採用,といえるだろう。
 レペティション(運動回数)は,各エクササイズで述べたものもあるが,総じて自分の体力と環境に合わせてもらってさしつかえない。
 ひん度としては1日1回。体調の悪い時をのぞいて毎日行なって欲しい。
 1回に10分から20分もあればよく,意欲のある時だけ30~40分に増やす。
 効果は2カ月も経過すれば,眼に見えて出てくる。
 中断するともとに戻るから,これを息の長い,かつ楽しいシェイピング・レクレーション化していただきたいものである。
月刊ボディビルディング1975年3月号

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