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JBBAボディビル・テキスト⑨
指導者のためのからだづくりの科学

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月刊ボディビルディング1974年5月号
掲載日:2018.08.30
各論(解剖学的事項)一筋系1

日本ボディビル協会指導員審査会委員長
佐野 誠之

第三節 筋 系

 人体の支持運動器官としては,骨格と筋とが考えられ,骨格系は人体の骨組みとなり,重要な臓器を保護し,骨髄内で血液をつくり,筋と協力して運動に関与している。

 筋には骨格筋と内臓筋があり,骨格筋は骨に付着し,この骨を動かすことにより,体の形を変えたり,位置を変えたりする能動的運動器官で,姿勢の維持,身体の移動等の運動を司る。

 内臓筋は内臓や血管壁を形成する平滑筋と心臓を構成する心筋とがあり,内臓等の運動(活動)を司っている。筋系として取り扱われているのは骨格筋についてである。

 筋はいろいろの観点から分類されているが,その大要は次のようになる。

①骨格筋と内臓筋一解剖学的または肉眼的分類
②横紋筋と平滑筋一一組織学的または顕微鏡的分類
③随意筋と不随意筋一機能的分類

 筋系をつくりあげているものは筋という器官で,人体にはおよそ200種,650個ほどの筋があり,骨格筋としては大小400あまりとされている。

 人体において筋肉の占める部分は非常に大きく,重量でいって,普通男子で全体重の約40%,女子においては約36%を占め,とくに筋肉の発達したスポーツマン等では約50%を占めている 人体の運動は,まことに自由自在であり,如何に精巧に出来た機械でも,
人体の動きには及ばない。このような運動を行う運動器官のうち,骨格系については第二節で述べたが,本節では発動的(能動的)運動器官としての筋系について述べる。

<1> 筋

 筋は多数の筋線維が集まって一束になったもので,その構成されている筋線維により,平滑筋(おもに内臓壁に分布し,自律的な神経支配により臓器の保護や活動機能をはたしている)と横紋筋とに区分される。

 横紋筋とは多くの横紋筋が血管や神経を伴って,結合組織により束になった1つの器官で,筋の両端は通常筋線維が腱に移行して骨や靭帯に付着している。ただし,横紋筋のうち,心臓に分布する心筋は,能動的運動機関としての骨格筋とは区別されている。

 筋系では横紋筋のうち,骨格筋とか関節筋とか,あるいは皮筋といわれるものを対象としており,普通,たんにこれらを筋と呼んでいる。

A一構 造

 筋は一口にいえば,多数の横紋筋が血管や神経を伴って結合組織によって束ねられた1つの器官である。(参考図B-1)
〔参考図B-1〕筋の構造

〔参考図B-1〕筋の構造

 何本かのフィラメントにより構成された筋原線維が,多数結合組織によって束ねられ第一次の筋束をつくる。これを筋線維と呼んでいる。この筋線維が何本かまとまって第二次筋朿をつくり,さらにこれらが集まって第三次筋束へと構成されていく。これらの筋線維を包んでいる結合組織を内筋周膜といい,二次筋束,三次筋束を包む膜も内筋周膜であり,最終的に筋の全体を包むものを外筋周膜という。(参考図B―2 )
〔参考図B-2〕筋(筋束)の構造

〔参考図B-2〕筋(筋束)の構造

 各筋線維の末端は結合結織線維につらなり,この結合組織線維が束になったものが腱といわれ,強く骨に付着している。これら結合組織の膜は互いに連絡して血管や神経の通路となっている。腱の線維は多くの場合骨模に進入しており,腱は骨膜を介して骨と結合することになるが,ときには骨質の中にまで入りこんでいることがある。アキレス腱の付着がこれにあたる。筋の構造に関しては概括的にこの程度にとどめ,筋線維の微細構造等に関しては生理学的事項を説明するとき,必要に応じて解説する。(参考図B―3)
〔参考図B-3〕筋束の横断面〕

〔参考図B-3〕筋束の横断面〕

B一形 態

 筋は一種の器官であり,各筋それぞれが固有の外形をそなえているが,その形により紡錘状筋,羽状筋,半羽状筋,板状筋,放射状筋,多羽状筋等々に分類されている。また,板状筋の中にも三角形や四角形,長方形等,いろいろなものがある。(参考図B-4)
〔参考図B-4〕筋線維の配列状態による筋型

〔参考図B-4〕筋線維の配列状態による筋型

 筋は普通その両端が次第にやや細くなって腱に終わり,中央部のふくらんだ部分を筋腹,その両端を筋頭(起始の部分),筋尾(停止の部分)という。また、筋頭の形によって二頭筋,三頭筋等のように呼ばれるし,筋腹が腱で2分されているものを二腹筋という。

 筋の名称は,筋のいろいろの特徴,あるいはその組合わせ等によりつけられている。(参考図B-5,B—6)
〔参考図B-5〕筋の種類

〔参考図B-5〕筋の種類

〔参考図B-6〕筋の種類

〔参考図B-6〕筋の種類

①筋の所在する場所により(大胸筋)
②筋の起始停止により(胸鎖乳突筋)
③筋線維の走向により(腹直筋,外腹斜筋)
④筋の外形により(三角筋,菱形筋)
⑤筋の作用により(回内筋,回内筋)
 等々いろいろである。

C一筋と骨格

 骨格筋は骨格と関連し,自からの収縮によって骨格を動かすものであり,筋の付着は,骨,軟骨,筋膜,靭帯,関節包,皮膚等である。

 これらの付着点を起始と停止とに分けて呼び,普通,筋の両端のうち筋頭の付着点を起始,筋尾の付着点を停止という。筋収縮が起きたとき,固定されている方が起始であり,四肢では近位点になることが多く,停止は動点であり,遠位点であることが多い。固定しているとか,動くとかいうのは,自然の状態で常識的な考えである。

 体幹の筋では起始,停止の区別がつき難い。そしてまたこれは厳密に決定されるべき性質のものではないと考える。1つの筋は決して同一の骨の2点に起始,停止となっていることはない。しかし、必ず隣接の2個に付くという訳ではなく,2個あるいはそれ以上の関節をとびこえて付いていることも少なくない。また,多頭筋では各頭が違った骨から起こっていることが多い。(参考図B一7)
〔参考図B-7〕骨と筋の関係図

〔参考図B-7〕骨と筋の関係図

 筋の作用は,その収縮によって付着の2点の間を近づけ,骨格その他に運動を起こさせる。筋の作用により,起始が必ずしも固定点でなく,起始が動くか,または起始,停止ともに動くこともある。

 筋の作用は,その結果起こる骨格の運動によって,解剖学的に次のいくつかに名付けられ分類されるが,筋自体はどんな運動であっても,ただ収縮が行われるだけである。

 筋が行う骨の運動と,そのような運動を起こす筋名のおもなものを挙げると次のようである。

①屈曲一一軸関節において,両骨間の角度を0度に近づけることで,この作用を行う筋を屈筋という。
②伸展一屈曲の反対で,関節における両骨間の角度を180度に近づかせることで,この作用を行う筋を伸筋という。また,伸展を行うとき180度を越えて増大することがあるがこのようなものを過伸展という。(参考図B―8, B―9)
〔参考図B-8〕上腕の屈曲と伸展

〔参考図B-8〕上腕の屈曲と伸展

〔参考図B-9〕矢状面における左右軸に対する運動

〔参考図B-9〕矢状面における左右軸に対する運動

③内転一矢状軸を中心に体肢を体幹に近づけること。すなわち,正中面に近づけることである。この作用を行う筋を内転筋という。(参考図B-10,B-11)
〔参考図B-10〕上腕の水平位外転(A)と水平位内転(B)

〔参考図B-10〕上腕の水平位外転(A)と水平位内転(B)

〔参考図B-11〕上腕の外転と内転

〔参考図B-11〕上腕の外転と内転

④外転一内転の反対に体肢を体幹,すなわち正中面から遠ざけることである。この作用を行う筋を外転筋という。(参考図B―12)
〔参考図B-12〕手関節の運動(右手掌前面)

〔参考図B-12〕手関節の運動(右手掌前面)

⑤回旋一体肢または体幹を,長軸を中心にねじらす(回転させる)ことで,この作用を行う筋を回旋筋という。上肢では,その前方に向けた掌を体幹の方に向け,さらに後方に向ける方向に動かすことを回内,その反対を回外といい,この働きをする筋を回内筋,回外筋という。(参考図B―13)
〔参考図B-13〕水平面における上下軸に対する運助

〔参考図B-13〕水平面における上下軸に対する運助

⑥対抗筋(拮抗筋)と協力筋-2つ以上の筋が互いに反対の方向の作用を行うとき,それぞれの筋を拮抗筋(対抗筋)といい,共同して同一方向の作用を行う筋を協同筋(協力筋)という。屈筋と伸筋,回内筋と回外筋,内転筋と外転筋等はいずれも拮抗筋である。

 拮抗筋は関節の反対側にあり,協力筋は同側にある。また,協力筋や拮抗筋を総称して○○筋群という。例えば伸筋群とか屈筋群というように。

 以上のほか,挙上と下制,括約と散大,張と圧迫,対立等がある。

 1つの筋に対する拮抗筋は,1つのこともあり,2つ以上のこともある。筋とその拮抗筋とは必ずしも同じ強さであるとは限っていない。また,まれに拮抗筋を欠く場合もある。なお,協力筋が互いに全く同じ方向の作用をもつことはない。つまり,起始も停止も同じ位置を占めることがあり得ないからである。

 一般に上肢では屈筋群が伸筋群よりも強く,下肢では上肢と反対に伸筋群が屈筋群よりも強い。

D一筋の神経

 筋には必ず神経が分布しており,普通1つの筋には1本の神経が分布するが,ときには2本以上の神経の存在することもある。このように筋に神経の分布することを神経支配という。(参考図B―14)
〔参考図B-14〕筋の神経分布図

〔参考図B-14〕筋の神経分布図

 同一系統の筋は一般に同系統の神経によって支配されているから,神経支配は筋の系統分類上重要である。

 筋の神経は,浅屑のものは筋の深側から,深層のものは筋の浅側から内筋周膜をつらぬいて入り,次第に分岐して筋内にくまなく分布している。

 神経は運動神経線維と知覚神経線維との混合した束であり,そのうち運動神経線維は次第に分かれて,ついに1本づつの筋線維に終わる。運動神経が筋線維に終わるところは運動終板という特殊な装置をつくっている。知覚神経線維は筋線維の表面に自由終末をなしているが,筋紡錘や腱紡錘という特殊装置に終わるものなどがある。

 筋紡錘とは,とくに細い筋線維が若千本集まって厚い結合組織の鞘で包まれて細長い紡錘形をなしているもので深部知覚を司る装置であり,腱紡錘も腱線維の束で腱の深部知覚を司っている。(参考図B―15)
〔参考図B-15〕筋紡錘

〔参考図B-15〕筋紡錘

 筋には自律神経も分布し,栄養や緊張を調節している。交感神経は動脈と伴行し,副交感神経は運動,知覚神経とともに走っていると考えられている。

E一筋の血管とリンパ管

 筋は体組織の中で最もエネルギー消耗の著しいもので,多量の血液が循環し得るようになっている。一般に,神経に沿って動脈が筋腹の中央から入り細技に分岐して内筋膜内の中を走り,各筋線維の周囲で毛細血管をつくっている。静脈はその反対であり,リンパ管は,内外筋周膜の周辺ではその発達を見,動脈,静脈に伴って筋の外に出ていくが,筋線維の周囲にはリンパ管はなく,ただ,リンパ隙があるだけである。

F一筋の附属器

 筋はその機能を円滑にするために,次のような附属器をもっている。(参考図B―16)
〔参考図B-16〕筋の付属器

〔参考図B-16〕筋の付属器

①筋膜一筋または筋群の表面を包む結合組織の薄い膜で,構造のところで説明したように,筋によってゆるく筋と結合している。一般に筋膜は一種の滑動装置として筋と皮膚の問,または相隣接する筋群間の滑動を助けている。

②腱一原則として筋の付着部を形づくっていることは前述の構造のところで述べたが,腱細胞と腱線維からなり,腱束には筋と同様,内外腱周糢がある。骨に付着するときはシャーピー線維となって骨質内に侵入している。

③滑液包一腱が骨その他の硬部の上をとおるとき,これと腱との間のすべりを良くするために,両者の間に滑液の入った小襄を有することがある。これを滑液包といい,うすい結合組織の膜で出来ている。

④滑液鞜(腱鞘)一手や足の長い腱の周囲にだけ見られるもので,前記滑液包が長くのびた鞘状の形のものをいう。

⑤種子骨一腱の中に小骨を有することがある。これは腱の方向を変える滑車のような役目をなしているもので,これを種子骨という。多くは手掌や足底の腱に見られる。膝蓋骨もまた一種の種子骨である。

⑥滑車-これは筋の腱が方向を変えるための装置で,結合組織,軟骨等からできている。上眼球斜筋,口蓋張筋等の腱のまがる部分にあるのが典型的なものである,

<2>節の作用の力学的考察

 われわれの体は絶えずどこかで何かの運動をしている。どのような筋肉がどのように働くかを知ることが大切である。しかし,一般的にいって,何かある1つの運動がただ1つの筋肉の運動で起こるということはない。どんな簡単な動きでも,必ずいくつかの筋肉が関与するものである。

 ある運動に対して,どれほど多くの筋肉が関係しているかということは,平常はあまり気付かないが,身体のどこかに傷や病変が起こると,運動のときに直ちにひびくので,こんな小さな動きでもこんなに遠方の筋肉が関与しているのかということがわかる。

 どの種類の運動をとらえてみても,その全体を記述することは非常に複雑で理解が困難なことである。 しかし,逆にあらゆる人体の自動運動を分析的に考えれば,どれほど複雑なものであっても,結局は直接的なその原動力は1本の筋線維の収縮に発している。それが種々の方向に,種々の割合で複合し,その結果として人体は極めて複雑な,また微妙な運動を行うことができるのである。

 人体の多種多様な関節を越えて種々の筋がさまざまなつき方をしている。しかし骨の可動結合としての関節が人体運動の中心になり,関節によって連結した2個の骨にまたがって1つの筋肉が付着し,この筋の能動力によって骨が引きよせられ,関節を軸としての円弧(回転)運動が起こされるのが人体運動の最も簡単な場合である。

 人体運動のすべてはこのような円弧(回転)運動の集合であり,その綜合によってなされる。すなわち,筋の収縮によって骨格が動かされ人体運動を起こすのである。

 非常に複雑な動きも,以上のように分析的に考えてみると,要は,筋の収縮は関節を介して骨の動きとなって現われ,これを非常に単純化して考えると,単一機械の働きに似てくるものである。ここでいう単一機械とは,車輪と車軸,滑車,傾斜面,ねじ,てこ,くさび等のようなものを指す。

 身体について考えてみると,以上のうち「てこ」としての働きが非常に多い。「てこ」の働き,すなわち効率,速さ等は,その重点,力点,支点の相対的な関係によって決まる。また,パワー・アームとウェイト・アームの長さに関しても左右される。これらの要素によって起こされる1つの円弧運動である。(参考図B―17)
〔参考図B-17〕てこの説明図

〔参考図B-17〕てこの説明図

 では次に,この「てこ」について少し考えてみよう。

①参考図B―17のIの「てこ」
 つまりシーソーのようなもので,支点が重点と力点の問にあるような「てこ」で,運動の力,速さ,大きさのすベてに効果がある。身体では後頭冠椎関節による頭蓋の前後屈がこの例である。重点は支点より少し前方の外耳孔附近にあり,力点は後頭骨後面の頂平面にあって,付着している板状筋や頸半棘筋等が作用している。

②参考図B―17のⅡの「てこ」
 これは支点と力点との間に重点がある形の「てこ」で,パワー・アームがウェイト・アームより長く,運動の力のために,速さや大きさは犠牲にされるものである。身体では足の中足指節関節を中心に踵をあげる動きが最もわかり易い例である。下腿三頭筋が付着する踵の後端が力点となり身体の重心は足先の支点とこの力点との間にある。

③参考図B―17のⅢの「てこ」
 この形は支点と重点の間に力点のあるもので,ウェイト・アームはパワー・アームよりつねに長く,この「てこ」の特徴は運動の速さと大きさのために力が犠牲にされている。身体ではこの形式の「てこ」に属するものが多い。例えば上腕二頭筋による肘関節の屈曲,三角筋による肩関節での上腕の外転,膝関節での大腿直筋や,大腿二頭筋が下腿を屈伸させるとき等,この種の「てこ」と考えられる。
 
 以上が「てこ」に関する大要的なことで,筋の収縮の方向は骨の長軸に直角でないことが多く,また,運動に従って角度が変わってくる。なお,関節面も必ずしも単純な一軸方向の動きに固定していないので,正確な筋の動きの力学的分析は容易でなく難しい。しかし,大要的には上記の「てこ」の原理が主体であり,動点が円孤運助をしていると考えてよい。

<3>筋系の全景と区分

 筋系は人体の構成上,非常に重要な役目をなしている。皮膚をはぐと,その直下に筋系の全景が見られる。(参考図B―18, B―19)
〔参考図B-18〕骨格筋(前面)

〔参考図B-18〕骨格筋(前面)

〔参考図B-19〕骨格筋(後面)

〔参考図B-19〕骨格筋(後面)

 体幹では皓系は骨格とともに体腔壁をつくっているが,体肢では骨格を中心としてその周囲に群集している。体幹と体肢の横断面を比較してみると,筋の分布状態が全く違っていることがわかる。体幹では背部正中線上に脊柱があり,これを動かす筋系がその両側を占めており,体壁はそこから両側をとおって前面へと伸び,ここにも筋が発達しており,これらに囲まれた体幹内部は体腔をなし,ここに内臓を入れている。

 これに対して,体肢では血管や神経等を除けば骨格と筋肉とだけから出来ており,内臓とは関係かない。

 人体には先にも述べたが大小400ほどの骨格筋があるが,普通,これをその占める部分に応じて次の7群に区別している。

 ①頭筋 ②頸筋 ③胸筋 ④腹筋 ⑤背筋 ⑥上肢筋 ⑦下肢筋 また,表層にあるものを浅層筋(浅筋),深部にあるものを深層筋(深筋)と区分して呼ぶ。

 以下,これらのうち必要と思われるものについて説明していくが,関節運動(基礎運動)の分析を行うのに2つの論の進め方がある。

 1つは従来一般に行われているように,各筋を中心に分析を進めていく方法,もう1つは,運動を中心として,その運動が行われるためにはどういう筋の働きが必要であるかという面,すなわち,運動を大別して,上肢の運動(肩の運動を含めて),下肢の運動,首の運動,胴体の運動(胸・腹・背の運動に分かれる)に分類し,運動の中心になる関節と,その運動に関係する筋や骨の面から分析観察する方法とである。

 本講では先ず前者の方法で基礎的知識を勉強していく。しかるのち,重複するようであるが,全体のまとめとして,運動を中心とする後者の方法によりその要点を概説するつもりである。(参考図B-20)
〔参考図B-20〕直立姿勢図

〔参考図B-20〕直立姿勢図

 なお,筋における赤筋,白筋についての考察は生理学的事項のときに説明する。

 (次回より筋系各論に入る)
    ×   ×   ×
<誤字訂正>
〇1月号各論1(テキスト⑥)49ページ左段9行日「両輛」とあるは「両輪」の間違い。
〇3月号骨格系2(テキスト⑧)50ページ左段上から10行目「体幹とは関節的」とあるは「体幹とは間接的」の間違い。
月刊ボディビルディング1974年5月号

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