フィジーク・オンライン

Ad by SUPLINX

Weekly Monthly Shopping

★自分でつくる栄養料理シリーズ★②
スタミナ・カレーライスの作り方

この記事をシェアする

0
月刊ボディビルディング1978年1月号
掲載日:2018.07.16
野沢秀雄(ヘルス・インストラクター)

1.「ム、さーすが!」

われらの人気者千葉ちゃんが、上半身裸で宙がえり、サッと空をきるや、奥さんの野際陽子さんに「ハッシ!」と構えをきめる。「ム、さーすが!」――画面はいつのまにか2人でハウスジャワカレーを食べている風景にかわっている。「さすがプロの味」といいたいところのよう。

そうかと思うと、岡田まり子がでてくるSBカレーのCFや西条秀樹が登場するバーモンドカレーのCFなど、テレビのカレー合戦はおもしろい。

コマーシャルの量と金額が一番多い会社はハウス食品工業だが、実際のシェア(市場占有率)もハウスが断然トップ。全国の約60%をハウスカレーが占め、2位はSBで約26%、3位はグリコ約10%、次いで明治キンケイカレーや大塚のボンカレーの順。

このカレーライス、家庭の奥さんがつくる自慢料理に必ず入っている。そして、全国の子供たちに「好きな料理は?」とアンケートをとるといつもNo.1だ。

ハウス食品工業広報課の資料によると、日本人が食べるカレーライスは1年間で約35億皿。つまり1カ月に3回は誰でも平均してカレーライスを食べている計算になる。キミの場合はどうかな?

2.カレーライスの話題

この人気のおかげで、街のカレーショップも大繁昌だ。「東京で一番カレーのうまい店」と看板を出している店が、新宿にも、渋谷にも、銀座にも、あちこちに何軒もあったりする。「おやおや? はたしてどこが一番だろうか」とマユツバを感じてしまう。

けっさくは大森にある「東京で2番目にカレーのうまい店」――マスターはちょっぴり奥ゆかしいつもりなのだろう。反対に「東京で一番カレーのまずい店」という看板のカレー屋もある。おやじがへそ曲りなら、客もへそ曲りが多いのか、わんさか賑わっている。商売とは不思議なものだ。

さてカレーライスの値段は、駅のホームにある230円カレーや、高校・大学食堂の180円カレーに始まり、新幹線食堂車の550円、箱根富士屋ホテルの850円まで、実にさまざまだ。

悲しいことにカレーライスの品質は落ちるばかり。街で350円也の平均的なカレーライスを注文しても、肉は探さないと見つからない。結局150円追加してカツカレーに変えたほうが得だが、そのカツにしても、ヒラヒラとうすい豚肉に、たっぷりところもをつけたのが多いのだからイヤになる。

「これはラッキー!」と最近感じたのは、東大の駒場キャンパスにある学生食堂のカツカレー。350円で肉の厚いボリュウムあるカツカレーがでてくる。そのうえ野菜の盛合せ一皿とみそ汁までついてくる(一般の人も利用できる)。街の食堂でも、これくらいのサービスができると思うのだが・・・・・・。

3.自分でつくるともっと有利

カレーライスを自宅でつくれば、味・栄養・値段・ボリュウム、どれをとってもずっと有利に食べることができる。今月はカレーづくりのポイントをお教えしよう。

<用意する材料>(一人前)

肉100g(牛肉・豚肉・鳥肉なんでもOK。カレー用といえば四角に切った豚肉を出してくれる。カレー用は油が多くてイヤという人は、ショウケースを見て脂身の少ないのを求めればよい)・ジャガイモ中1/2個・たまねぎ小1個・にんじん小1/2本・サラダ油・バター・砂糖・しょうゆ少々・カレールウ2片・ごはん。

<用意する器具>
なべ・スプーン・はし・皿・包丁

<おいしい作り方>

①肉・ジャガイモ・たまねぎ・にんじんを好みの大きさに切る。やや大きく切ったほうがデラックスにみえる

②なべを火にかけて、まずジャガイモとにんじんを油でよくいためる。ころころ転がしていると柔らかくなって、はしがズブッと突きささるようになる。

③つぎにたまねぎと肉を加える。このとき少量の砂糖・しょうゆ・バターを加えて、味をつけておくとよい。バターをやや多くすれば、こってりした味になり、カロリーもふえる。(風味の点で調味料にバターが使われることが多い。もちろんマーガリンでもよい。植物油がコレステロール低下に役立つことは前号でのべたとおりである)

④次に、約200cc(牛乳びん1本)の水を加え、ぐらぐら煮る。

⑤煮たったらカレールウ2片をポンと入れて、弱火でかきまぜる。

⑥トロリとなったらもうできあがり。ガスの火をとめる。部屋中においしい香りが充満しているだろう。

――・――・――・――

以上のように、カレーライスはいともやさしくつくれる。疑った人はにんにくやたまねぎをすりおろして加えたり、ローレルの葉を共に煮たりすると、いっそう風味がよくなる。

ボンカレーやククレカレーのようにアルミ袋に調理ずみのカレーが入った製品も発売されているが、自分でこのように作ると、肉を150gや200gにふやしたり、油や野菜を自由にふやしたりできる。既製品より安価に栄養素の多い料理ができるわけだ。

4.スタミナ倍増の食べ方

ごはんが自宅にある人はいいが、ない人は近くの店でわけてもらうか、自分で炊飯器でたくかすればいい。

ごはんにカレーをかけて、生卵を割って食べるとスタミナ増強に効果的。「カレーには福神漬からっきょうが合う」と一般に言われるが、福神漬は着色した製品が多いので、同じ食べるなら、らっきょうのほうが安心できる。

 ビタミンB₁やB₂・Cなど比較してもらっきょうに軍配があがる。ビタミン類は体内におけるたんぱく質の活性化に関係が深く、体重増加にも効果がある。たんぱく質と同時にビタミンをとることは意義が深い。

 カレーライスの場合、新鮮な野菜が不足しがちなので、らっきょうやキャベツ・レタス・セロリなどを一皿用意するとよい。「マカロニほうれん荘」ではないけれど、ほうれん草をサッとゆでて食卓にのせてもよい。デザートには、新鮮なみかんやりんごを食べれば栄養バランスは満点だ。

 以上のメニューを計算すると、次の表のようになる。
記事画像1

5.たんぱく質を補強したい人

 「はげしいトレーニングをしたので、体重1キロあたり2gを目標にたんぱく質をとると、上記の数字では不足する」――と考えるなら、食事と同時よりも間食として、トレーニングの前後にプロティン製品をリリーフするのがよい。たんぱく質は一度にまとめて食べるよりも、何度かにわけて少量ずつ食べるほうが効果的だ。

 プロティンを使わない人は、夜食にチーズや納豆を食べるのもよい。ただし、納豆(きなこやとうふも同じ)の場合、大豆たんぱくのプロティンスコアは56だから、せっかく食べても、含まれるたんぱく質の利用度は約半分にすぎない。プロティンスコアを考慮して食品を選択しないと、単に体を素通りするだけでなく、途中の過程で複雑な化学反応をおこし、たいへんな負担を内臓諸器官にかけることが知られている。牛乳と組み合わせても、牛乳たんぱくの制限アミノ酸が、メチオニンやシスチンなどの含硫アミノ酸なのであまり役に立たない。

 むしろ、かつをぶしやレバーを納豆と共に食べると、不足しているアミノ酸をカバーしてくれるので、効果が大きいといえる。
これくらいは知っておきたい栄養常識

同じ食事をしても、太る人と太らない人がいるわけ?

――野沢秀雄――

◎体質によって個人差がでてくる

 「もう少し体重がほしい」と願っている人もずいぶん多い。やせたい人には羨しい限りだが、当人は「やせの大食い」という言葉があるように、いくら食べても太れなかったり、食べすぎて胃腸を害したりで、うまくいかず悩んでいるものだ。

 合宿生活や寮生活などで、同じ時間に同じ食事を食べながら、ある人はどんどん太っていくのに、ある人はやせっぽちのままということもある。では、どうしてそういう現象が起きるのか、ザッと考えられる原因を挙げてみよう。

①年令の差――若い人ほど新陳代謝がさかんで、そのためのエネルギーに使われる。中年になるにつれ、新陳代謝が衰えて、あまったカロリーが皮下脂肪として貯えられる。

②体質の差――女性ホルモンの多い人ほど脂肪にかわりやすい。

③生活や行動の差――てきぱきしている人は、たとえば歩くのが早く、エネルギーを多く消耗する。動作の量も多い。スポーツをする人は当然カロリーを多く消耗する。

④性格の差――くよくよ考える人や頭脳労働者は、考えることにカロリーが使われ、胃腸がうまく働かない。

⑤食べ方の差――ゆっくり時間をかけてよくかんで食べる人と、あわただしく食事をする人では消化のされ方がちがってくる。

⑥体の受入れ状態の差――胃腸が丈夫で、三度三度、空腹でおいしいと感じて食べると、消化も早く、吸収されやすい。

◎効果的に栄養をとるための工夫

 実際には、いま述べたような理由が複合してあらわれるが、とくに重要なことは、毎日の食事を「おいしいと感じて食べるかどうか」である。同じ料理でも、そのときの気分や体調、空腹状態、精神的な悩みがあるかどうかによって、栄養の吸収され方が天と地ほども違ってくる。

 トラブルがおこった後の食事は、唾液がほとんど分泌されず、バサバサとのどにつかえて少しもおいしくない。そして胃袋がいつまでも重く、ときには胸やけや胃痛までおこる。こんなときには消化酵素が作用せず、蠕動も少ないので、いくら栄養のあるものを食べても吸収されないことになる。

 反対に、スポーツの後や仕事がうまく運んだ後の食事はとてもおいしく、唾液も十分で、たとえ少量の食事でもすっかり消化吸収されるのだ。一流レストランに名画が飾られたり、素適な音楽が演奏されるのも、おいしく食べる雰囲気づくりのためである。同じ食べるなら楽しくゆっくり食事をしたいものだ。
月刊ボディビルディング1978年1月号

Recommend