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Q&A なんでもお答えします 1979年6月号

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月刊ボディビルディング1979年6月号
掲載日:2018.11.27

女性のための初心者コース


 ボディビル歴は6ヵ月です。
自宅で週に2度のトレーニングを行なっています。おかげで近頃は体調もよく、からだもひとまわり大きくなった感じです。
 そのようなわけで、うちでは私がボディビルを行うのは大歓迎です。ワイフも、初めのうちはケガでもすると危いからと反対していましたが、この頃では自分もいっしょにやりたいと言い出す始末です。
 そこでお伺いしますが、女性がボディビルのような運動をしても身体にさしさわりないものでしょうか。また、からだつきがゴツゴツした感じにならないものでしょうか。その点についてお答えください。
そして、もしもさしさわりがないということであれば、ワイフにもボディビルをやらせたいと思いますので、トレーニングの内容を指示していただきたいと思います。
ちなみにワイフの体位は下記の通りです。(神奈川県川崎市S・K生)
記事画像1

 最近では、生理的にも女性が男性と同じように、どのようなスポーツを行なっても、一向にさしつかえないと考えられています。
事実、そのことをもの語るかのように、フル・マラソンへの女性の参加者も出現しており、また、アイスホッケーや女子プロレスの選手のような男顔まけの奮戦ぶりを見せる女性も増えております。
 要は、女性の場合も、男性の場合と同様に、身体的な個別性を重視して、段階的に許容できる範囲で運動なりスポーツなりを行うのであれば、なんらさしつかえないということです。
 したがって、ボディビルも基礎から無理せずに行うのであれば、女性が行なっても一向にさしつかえないといえます。
 では、女性が行なった場合、はたしてからだつきがゴツゴツしてくるかということですが、そのことについてはあまり心配することはありません。
女性のからだと男性のからだとでは、もともと体質がちがうのですから、女性がボディビルのような運動を行なったからといって、からだつきがゴツゴツしてくるものではありません。
 男性の一流ボディビルダーのように体脂肪をきょくたんに落とし、デフィニションをよくすることを意図して行えばその限りではないかもしれませんが、通常のトレーニングを実施する場合にはそのようなことを心配する必要はありません。
 では、具体的なトレーニング法について説明します。

<運動種目>
①シット・アップ
 女性の場合はリズミカルな動作で行うようにするのがよいでしょう。

②スクワット
 脚の形をよくするという意味ではどちらかといえばハーフよりもフルで行うほうがよいと思います。
また足の位置をW・ヒールズ(足先を少し外側に開く)にして行うほうが、両足を並行にして行うよりも、内ももの発達とヒップアップにより有効であると考えられます。
ただし、腫の下にあまり厚い敷きものをしないようにしてください。厚いものを敷くと、膝のすぐ上の部分の発達を促すので女性にはよくないと思います。

③ベンチ・プレス
 シャフトの握り幅をあまり広くしないほうがよいと思います。また、シャフトが胸に完全に触れるまでおろす必要もないと思います。
そして運動のフォームとしては、背を少し反らしかげんにして行うほうが胸のかたちをよくするのに有効だと考えられます
(その理由については長くなりますので省略します)。

④スタンディング・プレス
 とくに注意することはありません
 男性と同様に行なってよいでしょう

⑤ベント・オーバー・ローイング
 バーベルの握り幅を肩幅くらいにして、ミゾオチのあたりへ引き上げるようにします。
男性の場合のように、広背筋を発達させることが目的ではないので、下腹部の方へ引き上げる必要はありません。

初期の段階では以上の5種目を行うのが適当かと思います。なお、カール運動は女性向きの種目ではないので行わないほうがよいでしょう。
いかにゴツゴツした感じにならないからといって、上腕二頭筋がふくらんでいるのは女性としてあまり見よいものではないと思います。

<反復回数と使用重量>
 20回くらい反復できる重量を使用して、1セット当り10回行うようにすればよいでしょう。

<セット数>
 1セット当りの運動の内容が体力的に軽負担なので、きょくたんに体力が弱くない限り、2~3セット行うようにしてよいでしょう。

<その他の注意事項>
 休息時に軽い徒手体操(リキまずにからだを動かす)を行うようにすとよいでしょう。ツマ先歩きやジョッギングを取り入れるのもよいこです。
また、脚(大腿部)のかたちをよくするという意味で、脚の前方、あるいは横方向への振りあげを行うのもよいことです。
ただし、あまり根をつめて行わないようにしてください。
 運動はもちろん慎重に行わなければなりませんが、口笛を吹きながらやるような楽しい気分で行うのが身体のためにもよいことです。

スプリット・ルーティーンによるトレーニング・コースの作り方


 ボディビル歴は3年半、自宅でトレーニングしています。
 私はだいたい4~5ヵ月ごとにトレーニング・スケジュールを変えることにしていますが、現在は下記のスケジュールで行なっています。

①シット・アップ
傾斜約40度 15~20回×3セット

②スクワット
90~130kg 12~6回×5セット

③カーフ・レイズ・ウイズ・バーベル
100kg 20回×4セット

④ベンチ・プレス
70~100kg 10~6回×6セット

⑤バック・プレス
47.5kg 8回×3セット

⑥フロント・レイズ
20kg 8回×3セット

⑦ベント・オーバー・ローイング
40kg 10回×4セット

⑧ワン・ハンド・ローイング
22.5kg 10回×3セット

⑨トライセプス・プレス・ライイング
25kg 10回×4セット

⑩カール
27.5kg 8回×4セット

 自分では胸の運動が少ないと思っていますが、体力的にいって今のトレーニング量が限度です。
だからといって他の部分のトレーニング量を減らしたくはないし、しかたがなく前記のようなスケジュールでやっています。
 そこで、そのような悩みを解決し、より一層充実したトレーニングを行うために今後はスプリット・ルーティーンを採用しようと考えています。
 内容的には、もちろん胸部のための運動も増やしますが、当分の間は腕と広背に重点を置いたトレーニングをしていきたいと考えています。
ただ、今までにスプリット・ルーティーンを採用したことがないので、どんなトレーニング・コースを作ったらいいのかよくわかりません。
 現在行なっている種目を主体としてそれに必要な運動を加えて作りたいと考えていますが、どのようにしたらよいでしょうか。
2分割法による用例をお示しください。
 なお、現在の私の体位は次のとおりです。 (三重県 星野俊之 商業 25歳)
記事画像2

 ビルダーとしてはまだ全体的に太さが足りないですが、バランスのとれた良い体形をしておられるように見受けられます。
今後の精進次第ではかなり有望かと思います。がんばってください。
 さて、質問にお答えします。現在のトレーニング・コースは、あなた自身が指摘しておられるとおり、内容的に確かに胸の運動が足りないと思います。
現在の段階では、胸部をもっと優先的に考えてもよいのではないでしょうか。
 そのような意味で、現行のトレーニング・スケジュールには少なからず不備な点があるといえますが、その反面感心させられる点もあります。
それは現在のトレーニング量が体力的に限度と考えられるので、あえて胸の運動を増やさなかったということです。
大方の場合、無理をしても胸の運動を増やしがちになるものですが、それをしなかったのは感心です。
 多くの人がトレーニング過多のために効果があがらず低迷しています。現行のトレーニング量が、あなたにとって果して適切なものであるかどうかは判りかねますが、トレーニング量をむやみに増やさないための自制心があるのはよいことです。
たえず適切なトレーニングを続けていくには、自分の能力を実力以上に評価しない冷静さと、運動量(または強度)を無作為に増やさないための自制心が必要です。
 では、前置きはこのくらいにして、あなたの意向に添ってスプリット・ルーティーンによるトレーニング・スケジュールを作ってみましょう。

<スプリット・ルーティーン>

◎印を付した種目の運動法については後で説明します。
記事画像3
なお、腹部の運動は、体力的に余裕が感じられるコースに組入れるのがよいと思います。
しかし、場合によっては、週に4日行うようにしてもよいでしょう。


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◎ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
 この運動は、胸の種目としてやる場合と、腕(上腕三頭筋)の種目として行う場合とでは運動のやり方がちがいます。
したがって、2通りのやり方を説明します。

①腕の運動として行う場合
<グリップ>左右のグリップの間隔は肩幅を中心にして内外1こぶしくらいの範囲が適当。
<動作>バーベルを、シャフトが胸に触れるまでおろし、おろしたなら差しあげる。バーベルを胸へおろしたとき、肘を床の方へ十分にさげるようにする。
また、差しあげたときは両肘を伸ばし、胸を内側へしめる感じにする。
<効果>大胸筋(とくに中央と内側の部分に有効)。

②腕の運動として行う場合
<グリップ>左右のグリップの間隔は肩幅を中心にして、外1こぶし、内2こぶしくらいの範囲が適当。
<動作>両肘を床の方へなるたけさげないように留意してプレス動作を行う。
肘を深くさげると運動としての比重が大胸筋に大きくかかってしまうので注意。
肘を下方へさげることによってバーベルをおろすのではなく、腕を「く」の字の形にまげる感じでバーベルを胸の方へ近づけるようにする。バーベルのシャフトが胸に触れなくてもさしつかえない。
<効果>上腕三頭筋(とくの外側頭)

◎インクライン・プレス
 インクライン・ベンチを所有しておられる場合は別の問題ありませんが、無い場合はベンチの一方の脚の下に敷き物をして行うようにするとよいでしょう。
傾斜はそれほど急にしなくてもよいです。普通のサイズのベンチならば、片方を10cmくらい高くするぐらいでもけっこう大胸筋の上部に効きます
ただし、この場合、バーベルをおろす位置を、普通のベンチ・プレスの場合よりもいくぶん上方にするのがよいようです。

◎ストラッドル・バーベル・ローイング(写真参照)
<かまえ>バーベルをまたいで立ち、両手を組合せて、シャフトの中心部を下から両手で握り、上体が床面と平行になる姿勢をとる。
<動作>バランスをとりながら、グリップが下腹部のあたりへくるようにバーベルを引きあげる。
バーベルを引きあげるときに、前後にゆするようにしないこと。また、上体を起こさないように留意する。
<効果>広背筋(下部の方にもよく効く)。
[ストラッドル・バーベル・ローイング]

[ストラッドル・バーベル・ローイング]

◎ベント・フォワード・カール(写真参照)
<かまえ>バーベルをナロウ・グリップで持ち、背をまるめ、上体を少し前にかがめた姿勢で、両肘を腹部に当てる。
<動作>上腕を胸と腹に当てがい、肘を固定したかたちでカール運動を行う。
<効果>上腹二頭筋(ピークを高めるにも有効)。
[ベント・フォワード・カール]

[ベント・フォワード・カール]

◎ブレキアリス・カール
<かまえ>左右のグリップの間隔を両ももの幅くらいにして、バーベルをオーバー・グリップで持ち、立った姿勢で大腿部の前に構える。
<動作>両肘を斜め後ろ、上方へ引くようにして、バーベルを上腹部のあたりまでほぼ垂直に引き上げる。リバース・カールのように肘を支点にして前腕を上方へ返す必要はない。
<効果>上腕筋(上腕筋とは、上腕部における屈筋で、上腕二頭筋の下側にある筋である)。

◎スクワット(W・ヒールズ)
<かまえ>バーベルを両肩にかついで立ち、両足の間隔を肩幅よりも少し広くし、左右のつま先を90度くらいに開く。
<動作>フル・スクワットを行う。ただし、この場合、両膝を開くようにしてつま先の方向へ屈曲し、立ちあがるときは内側へ寄せないように留意する。
<効果>大腿四頭筋、内ももの諸筋、大臀筋。

運動中の正しい呼吸の仕方について


ボディビルを始めてからまだ2ヵ月です。自宅で1人でトレーニングしているので、運動のやり方を正式に教ったわけではありません。
ボディビルの運動は呼吸をともないながら行うものであると聞いていますが、現在採用している運動の中で呼吸の仕方が分らない運動があります。
次の3種目について正しい呼吸法をご指導ください。

①シット・アップ
②ベント・オーバー・ローイング
③スタンディング・ロー
(東京都 池上三郎 学生 18歳)

ボディビルを始めて2ヵ月とのことですが、いまの段階ではあまり呼吸の仕方にこだわらずに、ごく自然に呼吸をしながら運動をするというくらいに考えてよいと思います。ではご質問の3種目について順を追ってお答えします。

①シット・アップ
シット・アップという運動は、運動中、たえず腹筋が緊張している関係上、他の運動のように動作に合わせてリズミカルに呼吸をするのが困難といえます。
したがって、この運動の場合は、一定のかたちに当てはめないで、吸いやすいように息を吸い、吐きやすいように息を吐くようにするとよいでしょう。

②ベント・オーバー・ローインド
この運動は、バーベルを上体の方へ引き上げたとき、つまり、両肘を上方へあげたときに胸部が拡がるので、その動作に合わせて息を吸い、おろしながら息を吐くようにするとよいでしょう。

③スタンディング・ロー
この運動は立位姿勢による運動ですが、ベント・オーバー・ローイングの場合と同様に、両肘を上方へあげるときに胸部が拡がりやすくなるので、バーベルを引きあげながら息を吸うようにするのが自然でよいでしょう。
 なお、少々難しいかもしれません。が、この運動は、胸鎖乳突筋という筋の緊張の仕方から考えても、上記のように呼吸をするのがよいようです。

(回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生)
月刊ボディビルディング1979年6月号

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