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Q&A なんでもお答えします 1979年11月号

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月刊ボディビルディング1979年11月号
掲載日:2018.09.21

スクワットの使用重量に比較して大腿部の発達が遅いが

Q ボディビルを始めてから2年ほどになります。始めた頃は友人との付き合い程度でやっていましたが、今ではトレーニングが楽しくてしかたがありません。体位向上における経過は順調で、とくに上半身の発達が良好なようです。
<現在の体位>

<現在の体位>

 ところで、上記の体位表でお判りでしょうが、私のからだは上体の大きさに比べて大腿部の太さが足りないようです。いっしょにトレーニングしている友人達にもそのことをよく指摘されます。

 大腿部のための運動はボディビルを開始して以来一貫してスクワットだけですが、現在では体調が良ければ150kgで1回が可能です。

 トレーニング法は、1日おきで、最初に80kgでウォーミング・アップを行なった後、下記のような手順で行っています。
記事画像2
 そこで、お伺いします。私の大腿部は、スクワットの筋力に比較してサイズが小さいように思われますが、いかがでしょうか。もしもそうであれば、これはいったいどのような理由によるものでしょうか。上述したトレーニング法に問題があるのか、それとも他に原因があるのか、そのへんのところのご意見をお聞かせください。

 なお、私は3人の仲間と勤め先でトレーニングしていますが、正式な指導を受けたことはありません。近くにボディビル・ジムがあれば、専門家に直接指導を受ける機会も持てるのでしょうが、それもかないません。

 開始時以来のスクワットの記録と、大腿部のサイズの経過を下に書き添えておきますのでよろしくご指導ください。
記事画像3
(茨城県 太田政春 店員 25歳)
A 同様な趣旨の手紙が他にもう一通、奈良市の西尾さんという方からも来ております。したがってこの回答欄は、併せて西尾さんに対するものでもあることをあらかじめお断りしておきます。

 では、「さっそく質問にお答えします」、といいたいところですが、正直にいってお答えするのにずいぶんとやっかいな質問です。

 スクワットにおける筋力と大腿部のサイズとの間には相関関係といったものが確かにあります。しかし、その比率は全ての人に共通したものではなく人にとって較差があります。それに、スクワットのフォームの違いによっても比率が異なってくるので、はっきりとした数値によって、どれくらいの比率が正常であるかということをいちがいにいうことはできません。

 とはいうものの、あなたの場合を、ボディビルダー(註:パワーリフターではなく)の標準的な発達の傾向に基づいて検討してみますと、たしかに、スクワットの筋力に対して、大腿部のサイズが小さいということがいえると思います。あなたがトレーニングをしているところを実際に拝見したわけではないので、はっきりしたことはいえませんが、一応、そのような観点に立って、あなたの質問にお答えすることにします。そこでまず、トレーニングの方法に原因があるかどうかについて考えてみたいと思います。

 ここ一年間の、あなたの大腿囲と、スクワットの記録の経過を拝見しますと、次のようになっています。

〇大腿囲 53cm→53cm 変わらず
〇スクワット 105kg→120kg 15kg向上

 つまり、スクワットの記録が、15kgも伸びたのに対して、大腿部はぜんぜん太くならなかったということになります。この間に、体脂肪が大幅に落ちて大腿部が締まったというのであれば話はまた別ですが、そうでないとすれば、上記のような現象をトレーニングの方法的な問題としてとらえるにはなんとなく納得のいかない面があります。

 通常、一貫した正しいフォームで運動を行う限りは、スクワットの筋力的な向上と、大腿部のサイズの増加とはある程度伴っていくものです。(註:この場合、大腿二頭筋のことは強いてこだわらないことにします)

 したがって、スクワットの筋力(というよりはバーベルをかつぎあげる記録)のみが向上していくといったようなことは、トレーニングの方法的な問題として考えるよりは、まず、運動のやり方(フォーム)の問題として考えるほうがより自然ではないかと思います。つまり、いつの間にかスクワットのフォームが変わってしまったこと(悪くいえばくずれたこと)によって記録のみが伸びたと考えるほうが正しいのではないかと思います。

 だからといって、より重い重量を技巧的なフォームであげることが間違いであるということではありません。パワーリフターのように、スクワットの記録を向上させるために、意図的にフォームを改良する場合もあります。

 いうなれば、あなたの質問の本意が大腿部の発達の不調にあると思われるのでそのようにお答えするわけです。

 それでは、問題の焦点を運動のフォームにしぼり、そのチェック・ポイントについて述べることにしましょう。しかし、あなたの運動フォームを実際に拝見した上でのことではないので、どれだけ当を得たアドバイスができるかは分かりません。最終的な原因の究明はご自分でしていただきたいと思います。

◎運動フォームのチェック・ポイント

①腰をおろしたときの姿勢がハーフ、またはハーフぎみになっていないかどうか。

 スクワットという運動は、しゃがんだときの腰の深さによって、大腿四頭筋に及ぼす効果がいくぶん変わってきます。大腿四頭筋を広範囲に、かつ、十分に刺激するには、どちらかといえば脚を深くまげる方が良いといえます。しかし、脚を深くまげればまげるほど運動としての難度も増します。

②両足の間隔が必要以上に広すぎてはいないか

 両足の間隔が広すぎると、腰をおろした時の蹲踞の姿勢が浅くなります。蹲踞の姿勢が浅くなると、膝の屈曲度が浅くなるので、そのようなフォームでは大腿四頭筋に十分、かつ広範囲に刺激を与えることが難しくなります。

 パワーリフターの場合は記録をあげるために、意図的にそのようなフォームでスクワットを行うようにすることもあります。しかしボディビルダーが大腿部のバルク・アップを主たる目的としてスクワットを行う場合には、必要以上に両足の間隔を広くかまえるような運動の仕方は適切な方法であるとはいえません。ただし、大腿部を強化鍛錬するためのトレーニングの一端として、補助的な意味で行う分にはその限りではありません。

③しゃがんだ姿勢から立ちあがる動作の過程で、上体が必要以上に前倒してはいないか

 立ちあがるときに上体を必要以上に前倒させると、下肢の伸展に対し、肩にかついだバーベルが正常なかたちで上昇しなくなります[図1参照]。ということは、つまり、運動中に、大腿四頭筋に負荷が的確にかからなくなるということです。
[図1]スクワットの側面1が正しい姿勢。2はバーベルの高さは1と同じであるのに、膝が伸び、腰があがって前傾姿勢になっている。

[図1]スクワットの側面1が正しい姿勢。2はバーベルの高さは1と同じであるのに、膝が伸び、腰があがって前傾姿勢になっている。

 大腿四頭筋に負荷を的確にかけるには、立ちあがるときに、できるだけ腰とバーベルがともなったかたちで上昇するように運動を行うのが正しいやり方です。そのためには、中間動作において、上体をしゃがんだときの傾き以上に前傾させないように留意することです。

④立ちあがるときに、両膝を内側へ寄せ、しぼるようにして脚を伸ばしてはいないか

 立ちあがる時に両膝を内側へ寄せ、しぼるようにすると、負荷が一時的に腰の方へより多く分散されるので脚が伸びやすくなります。したがって、このようなスクワットのやり方は、多くのパワーリフターがより重い重量をあげるためにテクニックとしてとり入れています。しかし、大腿部のバルク・アップを目的とするボディビルダーの場合には、そういったテクニックを余り使わずに、大腿四頭筋にまともに負荷がかかるように運動を行うのがよいようです。

 以上、スクワットのフォームに関して、留意すべきことがらについて述べてきました。ただし、これらはあくまでも大腿四頭筋のバルク・アップを目的とする場合の問題点です。したがって、あなたが、もしも、大腿四頭筋のバルク・アップよりも、スクワットの記録を向上させることに、より強い関心を持たれているのでしたら、前述した事柄をあえて守る必要はないでしょう。

 しかし、大腿のバルク・アップを目的とするのでしたら、より正確に動作を行うために、場合によっては、使用重量を軽減しなければならないこともあるかもしれません。その場合は、今までの重量に執着しないで、いさぎよく重量を減らすことです。

運動種目の配列順序と肩幅を広くする運動

Q ボディビル歴は5ヵ月です。現在は下記のスケジュールでトレーニングをしています
<トレーニング・スケジュール>

<トレーニング・スケジュール>

 そこで質問があります。

 私はごらんのように、軽い重量を使用する種目から順に運動を行っています。というのは、トレーニングの中途でバーベルの重量を変える手間をできるだけ省くためです。運動を行うにもそれなりの順序があると聞いていますが、私のようなやり方は間違っているでしょうか。私は別にコンテスト
・ビルダーになるためにボディビルを行なっているのではありませんが、念のためにお伺いします。

 なお、私は肩幅が狭いので、なんとか広くしたいと思っています。基礎的な運動で肩幅を広くするのに有効な種目をご紹介ください。

 (茨城県 宮下則夫 店員 22歳)
A 運動の順序に関する質問からお答えします。あなたは現在、クリーン・アンド・プレスを除いて一部位につき一種目といった内容のトレーニングを実行しておられますが、そのような場合には、準備運動を十分に行えば強いて運動の順序にこだわることもないと思います。

 したがって、現在あなたが採られている方法には今のところ問題はありません。それどころか、軽い重量を使うものから重い重量を使うものへと運動の順序を組んでトレーニングを行うことは、初級者の場合、運動時の安全性を高めるといった意味で、むしろ理にかなった方法であるといえます。


 今後、一部位一種目といった内容のトレーニングを継続する限りにおいては、今のような方法で運動を行なっても一向に差しつかえありません。
 
 では、もう一つの質問にお答えします。

 肩幅を広くするには三角筋の発達を促す必要があります。基礎的な運動種目で三角筋に有効な運動といえばフロント・プレスです。あなたも現在、フロント・プレスを採用しておられますが、この運動はバーベル・シャフトを握る左右のグリップ間隔の広い狭いによって、三角筋に与える効果がいくぶん異なってきます。

 三角筋は前・横・後の3つの部分に細分されますが、肩幅を広くするには横の部分の発達をとくに促す必要があります。そのためには、フロント・プレスの際に余りグリップの間隔を狭くしないほうがよいようです。

◇三角筋の横の部分の発達を促すためのフロント・プレスのやり方

<グリップ間隔>肩幅よりも左右それぞれ2~3こぶしくらい広く握るのがよいようである。

<かまえ>普通の場合と同じようにバーベルを上胸のあたりに構える。

<動作>普通の場合と同じようにバーベルを上方へプレスする。ただし、この場合、バーベルをプレスするときに、重量挙げのフォームのように両肩を前に入れないようにする。重量挙げのフォームのように両肩を前へ入れるようにすると、三角筋の横の部分に与える効果が減少する。

<注意>いくぶん軽目の重量を用い、反動を使わずにできるだけていねいな動作で行うようにする。

 運動の効果は、中間の動作がより正確に行われているかどうかによって変わってくる[写真参照]
[フロント・プレス]

[フロント・プレス]

上腕部の迫力を増すための運動法は?

Q ボディビル歴は3年です。今年、県のボディビルコンテストに出場しましたが、残念ながら予選で失格しました。しかし、コンテストに出場したことで、ボディビルに対する意欲が一層かき立てられた気がします。来年は頑張ってなんとか決勝に残れるようになりたいと思います。

 私のからだはどちらかといえば、バルク型なので、けっこう筋量があります。しかし、いまひとつ、からだつきがピリッとしません。とくに、上腕に迫力がありません。といって、腕にそれほど脂肪がついているわけでもありません。要は腕自体の形の問題だと思います。
 
 そこで2つのことについてお伺いします

①上腕二頭筋の付着部に近い部分(肘に近い部分)の発達を集中的に促すにはどのような運動を行ったらよいでしょうか。

②上腕三頭筋のデフィニションを強化し、長頭の輪郭をくっきりさせるにはどのような種目が有効でしょうか。

 (愛知県 H・S 会社員 24歳)
A ①の質問に対する運動としてプリーチャーズ・カール、②の質問の運動としてベント・オーバー・トライセプス・イクステンションとベント・オーバー・ダンベル・バック・レイズを順に説明します。

◎プリーチャーズ・カール

<運動法>プリーチャー・ベンチの上に上腕部を固定し、バーベルまたはダンベルによるカールを行う。ただし、上腕二頭筋の付着部に近い部分により重点的に効かすためには、プリーチャー・ベンチの傾斜を余り強くしないほうがよい。45度、あるいはそれよりもいくぶん緩いくらいでもよい。

 この運動によって、集中的に前記の部分になおも強い刺激を与えたいと思うなら、下半分のハーフ・レインジにおける動作のみを反復するようにすればよい。[写真参照]
[プリーチャーズ・カール]

[プリーチャーズ・カール]

◎ベント・オーバー・トライセプス・イクステンション(トライセプス・ブッシュ・アウェイ)

<運動法>片手にダンベルを持ち、上体を床面と並行になるぐらいに前へ倒し、肘をワキ腹のあたりに位置させる。この場合、前腕は垂直にし、ダンベルは肘を支点にして下方にぶらさげたかっこうにする。次に、その姿勢から、上腕部を動かさずに、前腕のみを後方へ伸ばすようにしてダンベルを後ろ上方へあげるようにする。運動中はできるだけ上腕部の水平を保つようにする。また、反動はできるだけ使わないように留意する[写真参照]
[ベント・オーバー・トライセプス・イクステンション]

[ベント・オーバー・トライセプス・イクステンション]

◎ベント・オーバー・ダンベル・バック・レイズ

<運動法>片手、または両手にそれぞれダンベルを持ち、上体を床面と平行になるまで前倒し、その体勢で腕を下方へ垂直に伸ばしてダンベルをぶらさげる。
 
 次に、その体勢を保ったまま、腕をまっすぐに伸ばした状態で反動を使わずにダンベルを後方へ持ちあげる。この場合、肘を曲げると効果が半減するので注意する。
回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内 威先生
月刊ボディビルディング1979年11月号

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