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★自分でつくる栄養料理シリーズ★最終回
〝栄養満点の鉄板焼き〟

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月刊ボディビルディング1979年1月号
掲載日:2018.09.14
野沢秀雄(ヘルス・インストラクター)

1.得意料理がふえた

独身で寮生活や下宿生活をしている人、あるいは家族と同居していても、体づくりのために自分だけは高栄養の食事をとりたいと望む人たちが、まず第一に考える手段は、

①牛乳を飲んだり、卵を食べる。
②チーズを買って食べる。
③ハムやソーセージを食べる。
④サバやサケの缶詰を使う。
⑤プロティン製品やジャーム・オイル、レバーなどを購入する。

というように、単品の加工食品に頼りがちである。それはそれで良いのだが、自分で工夫して料理をつくることができれば、もっと変化に富み、おいしく、しかも経済的に目的が達せられる。その方法を具体的に紹介しようとスタートした本シリーズも、今月で14回目だ。
「スタミナ焼そば」からはじまって「スタミナ・カレーライス」「チキン・チャーハン」「おいしい天ぷら」「うまいトンカツ」「卵料理オンパレード」「うまいステーキ」「サバの料理法」「スタミナ・ドリンク」「スタミナ野菜いため」「特性野菜サラダ」「とうふ料理ABC」「なべ物料理」そして、今月の「鉄板焼き」と、デラックスなメニューがそろってきた。
どれも作り方は意外に簡単。読者の方から「私はこうして工夫しました」という手紙も何人かからいただいている。(東京・目黒の斎藤さんはじめみなさんに厚く御礼申しあげます)
あなた自身でつくれるレパートリーがかなりふえているだろう。

2.冬の季節は鉄板焼き

戦後生れの女性が「お母さん」「奥さん」と呼ばれて、台所で料理の腕をふるっているが、「得意料理は何ですか?」というアンケートに対する回答をみると、ベストスリーは、①カレーライス ②ハムエッグ ③ハンバーグの順になっている。
「えっ、ハムエッグなんて料理というほどの料理じゃないよ」と不平をいいたくなるが、近ごろの女性はよほど不精で不器用にちがいない。
さて、今月紹介する「鉄板焼き」はきわめて簡単で、それこそ不精で不器用な人でも、じゅうぶんに楽しめる料理である。
どこにでもホットプレート1台を持ってきて、すぐその場で食べられる。前号に紹介した鍋物料理と同様に、火を使うのでホカホカとあったかく、冬に季節にピッタリだ。
「ホットプレート」と聞くと面倒な気のする人がいるかもしれないが、街の電気店に行けば年中大安売りしているし、鉄工所が近くにある人は、厚めの鉄板を切ってもらって、これをガスの火にかけるだけでいい。
以前に、職場の人たちとキャンプにいったとき、工務部の人が5枚の厚い鉄板をつくり、そのうちの1枚を自宅で永い間、愛用していた。鉄板の厚さは厚いほど蒸し焼にしたようなおいしい味になる。
なお最初使う前に、植物油をよく塗って火にあて、カラだきをしておくといつまでも焦げつかず具合がいい。

3.おいしい料理法

なぜ鉄板焼きが栄養満点なのか、例のごとく考えてみよう。

①新鮮な材料を、すぐ目の前で焼いて食べることができる。
②火を通す時間が短いので、ビタミンや酵素があまりこわれない。
③直火とちがって、蒸し焼きにされ、味が格別おいしく自然の味が出る。
④肉・魚・ソーセージなど動物性の食品と、ピーマンや玉ねぎ・しいたけなど植物性の食品を同時に、バランスよく食べることができる。
⑤たれに大根おろしやレモンなど用いるので、消化がひじょうによい。
⑥準備や後片付けに手数がかからない等が挙げられよう。

それでは早速料理にかかろう。

<用意する道具>

ホットプレート(または厚い鉄板)・包丁・まな板・はし・おろし金。

<材料>(2人前)

牛肉200g・豚肉200g・ウインナーソーセージ6本・ちくわ2本・ピーマン4個・キャベツ2枚・しいたけ6個・玉ねぎ1個・にんにく6片・もやし1/2袋・大根1/3本・レモン1個・植物油適量。

<作り方>

①野菜は水でよく洗い、大きく切っておく。玉ねぎは輪切によるとよい。にんにくは外皮をむいてすぐに食べられるようにしておく。
②大根をおろし金ですって、大根おろしをつくる。
③ホットプレートを加熱し、植物油をひく。
④暖かくなってきたら、肉・ウインナー・野菜・しいたけ・にんにくなど順にプレートの上で焼きあげる。
⑤裏と表をひっくりかえし、焼けたらたれにつけて自由に食べる。

――たったこれだけである。ビールや日本酒・ワインなどを飲みながら食べてもいいし、ごはんとみそ汁で食べてもいい。よく焼きすぎたものは固くまずいので、半生ぐらいのほうが自然の味が出ておいしい。とくに野菜類は甘みが感じられてうまい。
なお、とり肉や魚でもいいが、肉が厚いと内部まで火が通りにくいので、最初のうちは牛肉や豚肉を使ったほうが無難である。

4.こうすれば栄養倍増

上記の材料を用いて鉄板焼をつくりごはんを食べた場合のカロリー計算を下表に示す。
鉄板焼きの栄養価(一人前)

鉄板焼きの栄養価(一人前)

これでわかるように、栄養的にたいへん優秀である。たが一つ加えたいことがある。せっかく鉄板焼きをつくるのだから、ついでに丸干しいわしを2~3匹鉄板の上で焼いて食べてほしいことだ。もちろんシシャモでもかまわない。その理由を説明しよう。
53年11月17日付の毎日新聞に次のような記事が出ていたのをご存知だろうか? 「現代っ子は骨が弱くてすぐに骨折する。食生活を調査するとインスタント食品や加工食品、清涼飲料(コーラやジュース)を多く摂っており、これらの食品には〝リン酸塩〟が相当に多く含まれている。リン酸塩とカルシウムの比率は1:1から2:1までが適切で、これを上廻るリン酸塩があると、体内にカルシウムが吸収されるのを阻害する。チーズ・ハム・ソーセージ・インスタントコーヒー・即席めんなどに、カルシウムの5倍(5:1)ものリン酸が含まれていることが判明した。これでは血液が酸性になるだけでなく、骨が発達せずもろくなる原因になる。現代人はもっともっとカルシウムをとらないといけない」――このような趣旨である。
なるほど分析検査の結果が証明するのだからまちがいはない。われわれが多食するチーズやハム・ソーセージにリン酸が多くて、相対的にカルシウム不足になりやすいわけだ。
そこでおすすめしたいのが、丸干しいわしやシシャモ・干しさんま・めざしなど骨ごと食べられる食品である。
丸干しいわし30g(約2匹)には400mgものカルシウムが含まれる。1日に必要とされるカルシウム量が600mgだから、いわしを食べるだけで相当に補給できるわけだ。
ホットプレートで焼くと、直火とちがって焦げがそれほどできず、蒸し焼きにしたようにうまい味が楽しめる。なお、黒焦げになるほど焼くのは、味が悪くなるだけでなく、からだのためにもよくない。

5.黒焦げには発ガン性がある

黒焦げといえばガンの原因と騒がれているので、この点について言及しておこう。
日本人は焼魚・焼肉・焼鳥など、食品を焼いて食べる料理を好んでいる。
鉄板焼もその一つだが、その他「ホルモン焼」「お好み焼」「やきいも」最近人気の「ろばた焼」など思いつくまま挙げるだけでも種類が多い。
ところが焼いてできる黒焦げが体内に入り、ニトロソアミンという化合物に変化し、これが強い発ガン性をおこす説が学会で承認されつつある。とくに漬物と同時に食べると、ニトロソアミンができやすいという。
肉や魚ばかりでなく、トースターでパンを焼いたり、正月にモチを焼いたりするとき、黒く焦げた部分は除いて食べるほうが賢明である。また、焼魚などを焼くときは焼きすぎないように、そして同時に大根おろしやキャベツ・春菊など新鮮な野菜をたっぷり食べると発ガン性が緩和されることが発表されている。バランスよく野菜や果物も多く食べることが大切である。
本シリーズは「さらにむつかしい料理にチャレンジしようか?」と筆者は考えあぐんだが、すでにメニューが相当そろったので今回で一応終了とし、次号からは、装いあらたに「一流選手の食事作戦」というテーマで連載を始めたい。外国や日本の一流選手の食事法の資料がかなり集まっており、分析したり整理しながら、私なりにアドバイスを加えてゆきたい。どうぞご期待ください。
月刊ボディビルディング1979年1月号

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