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★1981年度ミスター日本コンテストを目指しての…………
私の食事法とトレーニング法

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月刊ボディビルディング1982年7月号
掲載日:2018.12.10

1981年度ミスター三重3位 難波文義

生年月日 昭和30年6月1日(27歳) トレーニング経験 1年9ヵ月

《体位》
身長 173cm
体重 普通時 72kg 大会時 72kg
胸囲 平常 112cm 最高 115cm
上腕囲 右最高 40cm 左最高 40cm
腹囲 76cm
皮下脂肪(腹部) 5mm
大腿囲 右 61cm 左 61cm
首囲 37cm
手首囲 18cm
足首囲 20cm
カーフ 41cm

《パワーの記録》
ベンチ・プレス 115kg
スクワット 160kg
デッド・リフト 170kg
スタンディング・プレス 70kg
カール 60kg
チンニング回数 15回

《トレーニング内容》
 私の場合は、まだトレーニング経験も短く、食事内容も練習内容も、とにかくバルク・アップに心掛けている段階です。練習は、A・B・Cの3コースを週2回ずつ実施し、日曜日を休養日とする。1日の練習時間はだいたい2時間くらい。

Aコース(月曜・木曜)

〈腕〉
①バーベル・フレンチ・プレス 40kg 5セット
②バーベル・カール 45kg 5セット
③ラット・マシーン・プッシュ・ダウン 35kg 4セット
④インクライン・ダンベル・カール 20kg 4セット
⑤ライイング・トライセップス・イクステンション 40kg 4セット

〈脚〉
①スクワット 100〜160kg 8セット
②ハック・スクワット 80〜100kg 4セット
③レッグ・エクステンション 60kg 5セット
④レッグ・カール 30kg 5セット
⑤カーフ・レイズ 100kg 8セット

Bコース(火曜・金曜)

〈肩〉
①バック・プレス 45kg 5セット
②サイド・レイズ 15kg 4セット
③フロント・レイズ 17.5kg 4セット
④ベント・オーバー・サイド・レイズ 15kg 4セット
⑤アップライト・ローイング 40kg 4セット
⑥シュラッグ 100kg 5セット

〈腹〉
①シット・アップ 20回 3セット
②レッグ・レイズ 20回 3セット

Cコース(水曜・土曜)

〈脚〉
①ベンチ・プレス 70〜110kg 8セット
②インクライン・バーベル・プレス 70kg 4セット
③インクライン・ダンベル・プレス 25kg 4セット
④バー・ディップス 0〜20kg 4セット

〈背〉
①バーベル・ベント・ローイング 60kg 5セット
②Tバー・ローイング 80kg 4セット
③シングル・ダンベル・ローイング 40kg 4セット
④ラット・マシーン・プルダウン 40kg 5セット
⑤シーテッド・ケーブル・ローイング 80kg 6セット

《食事内容》
 私の場合、さきにも記したように、バルク・アップに専念している時期なので、コンテストに際して減量することもない。したがって、食事内容も1年中を通じてほとんど同じである。
〈朝食〉−−5時30分ごろ
 食パン4枚、玉子2個、コーヒー2杯、チーズ少々
〈昼食〉−−11時30分ごろ
 会社の定食1人前、チーズ少々、コーヒー1杯、ピーナッツ少々、牛乳200cc
〈夕食〉−−19時ごろ
 ごはん2杯、肉または魚300g、ビール1本、ピーナッツ少々
〈間食〉−−9時と17時ごろ
 プロティン・タブレット15錠ずつ2回。その他、トレーニング後、プロティン・パウダー大さじ1杯を牛乳200ccに溶かして飲む。
記事画像1

難波選手の食事診断……野沢秀雄

 ミスター日本コンテストには、全国各地から上位3位まで(東京・大阪は6位)に選ばれたチャンピオンが集まってくる。雑誌によく登場する選手に逢う楽しみと共に、ホープとして台頭してくる新人選手を知る喜びも大きいわけだ。後者の中から、やがて日本一になる選手が出てくる。有望選手が可能性を次々と切り開いて、段階を一つ一つ登ってゆくのは、声援する者としても気分のいいものだ。
 難波選手も恐らく中部日本地区以外の人には名前をまだ知られていない選手であろう。だが良い素質を備えており、ぜひ今後もがんばってもらいたい一人である。
「一度でいいから最高のコンテストの檜舞台に出てみたい」と望み、出場しただけで満足する選手も多い。この気持も良くわかるが、できることなら翌年も向上して出場すると、たいへん印象が強く残ってくる。
 とはいえ実際のトレーニングとなると、体力・時間・意欲と三拍子揃わないと続けられない。まして選手として出場しようと思えば、トレーニングのほか食事法・日光浴など、さまざまな苦労が伴う。たいへんな努力である。

1.ふつう時の食事内容

 難波選手に尋ねたところ、中学時代からずっと10年間、器械体操の選手をしていたという。たまたま78年学生チャンピオンになった片岡選手が岡山の同郷の友達で、ずっと一緒に鉄棒などをやっており、その彼がボディビルのチャンピオンになったことを聞いて、「よーし、自分もやってみよう」と決心した。したがって年令的には24才をすぎてからバーベルやダンベルで鍛えはじめたわけで、この点が中学時代からボディビルを実行した一流選手たちとちがうところである。
 このハンディを乗りこえて、わずか1年9ヵ月ですごい筋肉質の体をつくりあげたことになる。
①総カロリー3500、たんぱく質200g(体重1kg当り2.8g)、脂肪115g、炭水化物 315g(全体の50%)という構成になっている。
②体重の数字からみて、さらにバルクアップをはかり、体を一まわりも二まわりも大きくしておく段階であろう。難波選手もそのことを問題点として記入してくれている。
③したがって食事内容も無理な減食はいっさいしていない。体重増加に適した食品と、太るのに相応しい食べ方を実行してゆくことがポイントになる。
④朝食に食パン4枚、昼食に定食のほかチーズ、牛乳、夕食にごはん2杯、ビール1本、肉か魚300gというように、ふつうなら太れる食品を結構多く食べている。
⑤また、間食を1日に2回とって、体重増加をはかろうと努力していることがよくわかる。
⑥しかしながら、一般の人の食べ方と比較すれば、相当に高たんぱく・低炭水化物のパターンになっている。
 絶対量をみれば、炭水化物も1日に315gなので、それほど少なくはないのだが、各栄養素の比率を%で調べると、炭水化物が少なく、たんぱく質が多すぎる傾向にある。
⑦たんぱく質量は体重1kg当り2g程度が適しているので、間食にとっているプロティン量を1/2にへらして、そのかわりにカルピスやはちみつ、ジャムなど糖質の多い食品をとってみよう。そうすればトレーニングのエネルギーがバランスよく供給されて、増量にも適している。
⑧また夕食の肉や魚も1/2の150gとして、その代りに、果物を1〜2個食べたり、野菜をふやしてはどうだろうか。「せんいの多い食品を食べると、腸の活動が活発になって、栄養の吸収が高まる」といわれる。
⑨同じ食べるなら、ゆっくりとよくかんで食べることが重要である。同じ栄養量を含んでいても、体内に吸収されるかどうかで差がついてくる。
⑩最近、体重の伸びが停滞しているとすれば、バーベルやダンベルの使用重量に限界が来ているのではなかろうか? 筋肉量はバーベルの使用重量に比例するので、この点につきー工夫が必要と思われる。

2.減量時の食事内容(変化なし)

「私は脂肪の付かない体質で、ごはん、ビールなどあまり気にせず摂っています」と手紙に書かれている。
 難波選手の切れの良い、筋肉質の体からも充分に判断できることである。
 新陳代謝が旺勢で、どんどん食べてエネルギーに消耗されるので、脂肪に変化する余地が無いと考えられる。
 もちろん、二直勤務のうえに、週6日、各2時間のトレーニングをおこなっているので、これだけの食事を食べても脂肪太りの心配はないわけだ。
 したがって、減量時とはいえ、食事内容はふつうの時とまったく変らないだけ食べている。この点は矢萩選手と同様にたいへん有利といえる。
 気付いた点をいくつか挙げておくので参考にしていただきたい。
①ふつう時に、前述の改善点をとりいれると、たんぱく質はやや減り、炭水化物が1割ほどふえてくる。また、季節や年令の要素から見て、夏のシーズンは、20代のうちは脂肪がつにくい時であるが、これから冬のシーズンになり、30代に入ると体質的に脂肪が徐々につきやすくなる。
②コンテスト前に、現在の難波選手の食事内容くらいの比率にすると、ちょうど適している。
③微量な栄養素が不足しがちなので、野菜・海藻・レバー・小魚・納豆などをつとめて多く食べるように意識してゆこう。
④ふつうのビルダーなら、コンテスト前は比較的低重量で高回数制を採用し、脂肪を除いてカットを浮き立たせるよう努力する。ところが難波選手の場合は、その心配がいらないので、ぎりぎりまで重いバーベルやダンベルで練習することになる。
⑤回数は1〜2回でもいいし、反動を加えてもいいので、なるべく高重量制で練習することになり、相当にバテやすい。こんなときは、アンケート用紙に書かれているように、ビタミンEを多く含むジャームオイルを使ってみることも良い。
⑥週6日、毎日2時間の練習がオーバーワークになっていることも考えられるので、コンテスト前はこれで良いとして、ふだんはもう1日休養日をふやしてみることも検討してはどうだろうか。
⑦いずれにしろ、脂肪を除く心配がいらない点は貴重な財産ともいえるので、この特徴を大切にしながらさらに大選手に育っていただきたい。
 別稿に書いているように、無茶な大食を続けていると、体質が変化して、元に戻らなくなってしまう。注意が必要である。
月刊ボディビルディング1982年7月号

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