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★1981年度ミスター日本コンテストを目指しての…………
私の食事法とトレーニング法

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月刊ボディビルディング1982年9月号
掲載日:2018.12.21
1981年度ミスター岩手1位 小原 誠
生年月日 昭和24年7月1日 32歳

トレーニング経験 6年10ヵ月

《体 位》
身 長 162cm
体 重 普通時 68kg
    減量時 65kg
胸 囲 平 常 105cm
    最 高 112cm
上腕囲 右最高 40cm
    左最高 40cm
腹 囲 78cm
皮下脂肪 4〜6mm
大腿囲(左右共) 58cm
首 囲 43cm
手首囲 18.5cm
足首囲 22.5cm
カーフ 38.5cm

《パワーの記録》
ベンチ・プレス 120kg
スクワット 120kg
デッド・リフト 150kg
スタンディング・プレス 170kg (クリーンからチーティング3回)
カール(チーティング5回) 60kg
チンニング回数 36回

《トレーニング内容》
 私は現在、岩手県農業共済組合連合会に勤めており、朝8時半から夕方5時まで仕事をしたあと、週に4回(月・火・木・金)、岩手県営体育館でトレーニングしています。1回当りの所要時間はだいたい1〜2時間。しっかり決めたスケジュールはなく、体調を見ながら、各筋肉群から2つ位を選んで順次実施している。ただし、脚は必ず週に2回、腹筋はトレーニングする日にはいつも実施する。トレーニングの量は日によって、つまり時間がある日は多く、ない日は少なめにする。

 各筋肉部位のトレーニング種目・使用重量、反復回数、セット数は次のとおり。

〈胸〉

①ベンチ・プレス 80〜110kg 10〜3回×8〜10セット

②インクライン・ダンベル・プレス 28kg×2 12〜8回×3〜5セット

③ラタラル・レイズ 15〜20kg×2 12〜8回×3セット

〈肩〉

①フロント・プレス 50〜80kg 10〜3回×5セット

②バック・プレス 50〜70kg 10〜3回×5セット

③サイド・レイズ 15〜20kg 10〜6回×5〜3セット

④ダンベル・フロント・レイズ 10〜15kg×2 10〜20回〜3セット

⑤ダンベル・プレス 20〜28kg×2 30〜8回×3〜5セット

〈広背筋〉

①チンニング 0〜10kg 30〜10回×5セット

②ディップス 0〜28kg×2 50〜15回×5セット

③ベント・オーバー・ローイング 50〜100kg 10〜6回×5〜7セット

④ワン・ハンド・ローイング 28kg 12回×3〜5セット

⑤ベント・アーム・プルオーバー 50〜80kg 10〜3回×5〜3セット

⑥ダンベル・プルオーバー 28kg 12回×5〜3セット

〈僧帽筋〉

①ダンベル・シュラッグ 28kg×2 20〜30回×3セット

②アップ・ライト・ローイング 40〜50kg 10〜12回×3セット

〈上腕二頭筋〉

①ツー・ハンズ・カール(チーティング) 50kg 10回×5セット

②ダンベレ・カール  20〜15kg 10回×3〜5セット

③ニー・カール 10〜15kg 10回×3〜5セット

〈上腕三頭筋〉

①フレンチ・プレス 40〜50kg 10〜6回×5セット

〈脚〉

①スクワット 130〜150kg 10〜1回×8セット

②レッグ・エクステンション 40〜50kg 20回×3セット

③カーフ・レイズ 0〜120kg 50〜100回×3セット

④ヒンズー・スクワット 30回×1セット

〈腹〉

①シット・アップ 傾斜45〜60度 1〜3セット

②インクライン・レッグ・レイズ 30〜50回×1セット

③ハイギング・レッグ・レイズ 30〜50回×1〜3セット
記事画像1
《食事内容》
----普通時の食事内容----

〈朝食〉−−7時15分ごろ
タマゴ焼2個、ベーコンとキャベッの炒めもの、ごはん少々、牛乳1本にプロティン小さじ山盛り3杯とハチミツを少々入れたもの
〈昼食〉−−12時ごろ
食堂で定食(天ぷら、ハンバーグ、焼肉、マーボウどうふ、などの各定食)、コーヒー1杯
〈夕食〉−−20時ごろ
肉類100〜200g、ごはん1〜2杯、みそ汁1〜2杯、野菜、缶ビール1〜2個
〈間食〉−−10時30分ごろ
牛乳1本
〈間食〉−−17時30分、22時30分ごろ
牛乳1本にプロティン小さじ山盛り3杯とハチミツ少々を入れて
〔註〕食後、食間に果物をできるだけ食べるようにしている。また、時々、近くのレストランヘボディビル仲間と行って、特製の300〜600gのハンバーグを食べる。その他、1年中を通じて海藻類を食べるようにつとめている。

----減量時の食事内容----
〈朝食〉−−7時15分ごろ
普通時よりごはんを少なくするだけで、あとはほとんど同じ。
〈昼食〉−−12時ごろ
普通時よりごはんを少なめにするだけで、あとは同じ。
〈夕食〉−−20時ごろ
普通時より脂の少ない肉にし、野菜を多く、ごはんを少なめにする。
〈間食〉−−3回
普通時とだいたい同じであるが、プロティンの量が1〜2杯多くなる。

小原選手の食事診断 野沢秀雄

 いよいよ東北新幹線が開通して、今や「みちのくブーム」である。遅れていた東北地方が脚光を浴びて、隠れていた名産や観光地が知られるようになることは喜ばしい。
 ボディビルの場合も、東京や大阪の大きな大会に、遠い東北地方から出場する選手がこれまでは少なかったが、東北や北海道には骨格の大きな人たちが揃っている。相撲やラグビーの選手で体が大きい人は、これら寒さに耐えて育った地方の人に多い。今後は名選手たちが続々と大きな舞台にも姿を見せてくれるだろう。
「みちのくシリーズ」と題して、今月は旧JBBAとIFBBジャパンを代表する2人の選手に登場をお願いした。
 まずトップバッターの小原選手。25才の終りころからボディビルを始めてキャリアは7年になる。仕事は県農業共済組合連合会で事務職(主事)をしていると書かれており、仕事とトレーニングを両立させる苦労が大きかったにちがいない。
 この間にミスター岩手1位になり、現在も盛岡市にある県営体育館で、月火木金と、週4回トレーニングを行なっている。ここではボディビルばかりでなく、相撲の国体選手や競輪のプロ選手・極真空手の選手たちが、ウェイトトレーニングに励んでいるという。
 小原選手の場合、もともとは体が大きくなく、しかも開始年令が遅かったので、ハンディが大きかったが、よくがんばってここまで達せられたと感心する。

1. ふつう時の食事内容

 身長162cmに対して、腹囲78cmというと、脂肪がある程度付いている状態を連想しやすいが、皮下脂肪が4〜6ミリというと、それほど多くはない。首囲43cm・手首囲18.5cmという数字が示すように、骨太で、がっちりした体質に恵まれて、順調に体が発達し、パワーが伸びてきたのだろう。

 減量幅もわずか3kgであり、ふだんから、それほど脂肪が多くないことがわかる。したがって、食事法の苦労もそれほどではなく、好きな物を、たっぷり食べられている点は好ましい。

①総カロリー2800、たんぱく質144g(体重1kg当り2.1g)、脂肪90g、炭水化物305g(全体の57%)という構成内容になっている。
 計算上、昼食はハンバーグ定食、肉は鳥肉150gというように、書かれているメニューを標準的なパターンに直して数字を出したので、厳密なものではないが、傾向を判定する役割は果していると思う。
②たんぱく源として、卵・牛乳・ベーコン・プロティン・とうふ・豚肉・鳥肉というように、動植物のバライティに富んでいる。サバ缶やめざし・さけなどの魚類を加えると、さらに変化に富む。
③ごはんも毎食に1〜2杯食べたり、ビールやはちみつを食べて、炭水化物をエネルギー源として活用している点も好ましい。
④野菜や果物をなるべく多く食べようと心がけている点もさすがである。みそ汁の具に、キャベツ・なす・玉ねぎ・じゃがいもなど、野菜類や、わかめ・とうふなどを用いれば、種類がいっそう増えることになる。
⑤サプルメントフーズとしてはプロティンパウダーだけだが、全体的にバランスがよいので、これだけで体調がベストに保たれている。プロティン中にビタミンやミネラルを含む製品を使用しているのだろう。たんぱく質は体重1kg当たり2.1gなので小原選手の場合はプロティンパウダーに依存する程度がかなり高い。
⑥逆にいえば、ちょうどこの程度なら他のたんぱく質食品の摂取量も適度であり、半分や2/3にカットすることもないので、ちょうど良いわけだ。(プロティンとして1日に30〜40g1ヵ月で1kg缶もしくは1.2kg袋入りを1個消費するペースである)
⑦成長期で体重がどんどん増えている時期ならば、この程度以上必要だが、小原選手の場合、体重がもうほとんど一定になっているので、この程度のたんぱく質でピッタリといえる。

2. 減量時の食事内容(−3kg)

 コンテスト出場にあたり、約3kg減量して、脂肪カットをはかっている。減量幅がふつう時と比較して大きくないので、食事法にも無理がない。
 ふだんから、腹筋の種目は練習日に欠かさずに実行しており、その着実な努力が実を結んでいる。また、日ごろ「食欲にまかせて大食しがち」というタイプでもなく、自己管理ができているので、皮下脂肪が10ミリ以上になっていないわけだ。
 この点、多くのビルダーはシーズンオフに脂肪太りになりがちで、あとで苦労する。

①総カロリー2050(ふつう時より750カロリー減。ふつう時の約3/4のカロリーですごす)、たんぱく質150g(体重1kg当り2.3g。ふつう時より約6g多い)脂肪90g (ふつう時と変わらず)、炭水化物190g(ふつう時より115g減。全体の44%)という構成になっている。
②小原選手は「ふつう時と大体変らずごはんを少な目にして、そのかわりプロティンの量を1〜2杯ずつ多くしている」と書いている。まさに、その方針が計算した数字によく現われており、減量が主として炭水化物の制限によっていることがわかる。
③ボディビルでも、他のスポーツでも減量が大変なことは、シーズン中、カロリーを少なく生活し、しかも練習は多くおこない、体力を強めてゆかねばならないことだ。
④試合がなければ、単に食べずにじっとがまんしているだけで、体のほうは細くなってくる。同時に体力も弱まるのが当然である。選手であれば逆に体力や筋肉は強化してゆかねば勝てないので、肉体的および精神的苦痛が大きい。
⑤ベテラン選手ともなれば、毎年のように人によっては1年のうちに2回以上、この減量苦と戦わねばならない。無理な減量法をおこなったために心臓を悪くした一流選手がいる。他のスポーツでも減量により、健康を害し引退を余儀なくされた例が数多い。それだけに、健康管理にはじゅうぶんに気をつけていただきたい。
⑥減量中に失なわれやすい成分は、たんぱく質のほかに、ビタミンやミネラルの微量成分や、せんいである。ふつうの食事だけでも不足しやすいところを、そのうえさらに、カロリーを制限すると、同時に必要な栄養素が不足してしまう。
⑦これを補うために、野菜・小魚・海藻などをしっかり食べることだ。サプルメントフーズもこの場合には役割を大きく果し、意義が大きい。マイク・メンツァーのセミナーでも、否定でなく、減量時のような場合には必要と語られていた。
⑧小原選手の場合、サプルメントフーズの細かいものは使用されていないが、野菜・果物・海藻をよく食べるよう配慮されている。今後「ビタミンEも使用したい」という希望であるが、それなりの効果が期待される。
月刊ボディビルディング1982年9月号

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