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★1981年度ミスター日本コンテストを目指しての......
私の食事法とトレーニング法 広田俊彦

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月刊ボディビルディング1982年9月号
掲載日:2018.11.06
1981年度ミスター中部日本優勝 広田俊彦
生年月日 昭和33年2月1日 23歳
トレーニング経験 8年

《体位》

記事画像1

《パワーの記録》

ベンチ・プレス 170㎏
スクワット 205㎏
デッド・リフト 200㎏
スタンディング・プレス 120㎏
カール 80㎏
チンニング回数 25回

《トレーニング内容》

 シーズン・オフはA・B・Cの3コースを、シーズン中はA・Bの2コースを循環して、それぞれ週6日実施する。1日当りのトレーニング時間はだいたい2時間半、合計60セットぐらいである。
 11月のミスター日本コンテストを目指したときのトレーニング方法は、まず、8月と9月の2ヵ月間はAコース(胸・腕・腹)、Bコース(肩・背・腹)、Cコース(脚・腹)のスプリットでバルク・アップをはかり、10月からはAコース(背・上腕二頭筋、脚・腹・首)、Bコース(胸・肩・上腕頭筋、腹)のスプリットでカットを出すトレーニングをした。とくにこの時は、スクワットをやめてハック・スクワットに切り換えたのと、胸と上腕三頭筋のスーパー・セットが効果があったように思う。
 以下が10月以後に実施したトレーニング内容である。
記事画像2

《食事内容》

 ふだんからなんでも食べるようにしており、以下に記す食事内容も、たまたまある1日の食事内容であり、日によってかなり違ってくる。コンテスト前の約6kgの減量も、4ヵ月くらいかかって自然に減ったもので、計画的に意識して減量したものではない。

――普通時の食事内容――

<朝食>――8時ごろ
ハンバーグ300g、ごはん2杯、コーヒー1杯、トースト1枚、チーズ50g、プロティン大さじ1杯を牛乳300ccにとかしたもの

<昼食>――13時
ブタ肉バター焼300g、ホルモン焼200g、ごはん1杯、みかん5個、牛乳300cc

<夕食>――17時ごろ
スパゲッティ1人前、牛乳300cc、ビタミンC、ジャーム・オイル、プロティン

<間食>――22時ごろ
ラーメン1人前、オレンジ・ジュース、マグロさしみ1人前

――コンテスト20日前の食事内容――

<朝食>――8時ごろ
チーズ50g、レタス少々、肉・野菜いため、プロティン大さじ3杯を水300ccにとかして

<昼食・間食・夕食>
<10時30分ごろ>
プロティン大さじ3杯を水300ccにとかしたもの

<13時30分ごろ>
鳥肉500g、みかん2個

<14時30分ごろ>
プロティン大さじ3杯を水300ccにとかしたもの

<16時30分ごろ>
ゆでタマゴ2個、みかん1個

<17時ごろ>
りんご1個

<22時ごろ>
水たき(鳥肉300g、ピーマン、にんじん、ネギ、ニラ、キャベツ、もやしなど)

[註]この時期では、肉はすべて脂を除く。プロティンはだいたい10日で1kg。その他、補助食品としてアルファルファ、ジャームオイル、レバー錠、アリナミン、ビタミンC、カルシウム、スポーツ飲料などを使っている。
記事画像3

広田選手の食事診断......野沢秀雄

 本シリーズのトップを飾って、1981年3月号に、広田選手が寄せてくれたトレーニング法と食事法を紹介している。あれから約1年たって、再び報告してくれたわけだが、この1年間に減量したときの体重が72kgから74kgへ2kgふえ、胸囲が115cmから120cmへと5cm、上腕囲が42cmから44cmへと2cm、大腿囲が63cmから65cmへと2cm、確実にひと廻り大きくなっている。逆に腹囲は80cmから73cmへと、シーズン中としてベスト・コンディションに達し、いよいよトップ・ビルダーの中でも上位グループ進出を感じさせる。
 初心者の段階なら、体重や胸囲などを、3ヵ月足らずの短かい期間に、ここにあげた数字くらい増加させることは、ごくごく一般的なことである。ところが、広田選手のように、完成域に達した上級のビルダーが、1年間くらいで、体重2kg、胸囲5cm、上腕囲2cm、大腿囲2cmと、数字でわかるほど増やすのは並大抵のことではない。
 ふつうは、もう体重も胸囲も上腕囲も増やそうとしてもなかなか増えず、増えたとしても脂肪でサイズが大きくなっている場合が多く、トップ・クラスの選手は、各人それぞれに四苦八苦している。
 「腹囲73cm、皮下脂肪5ミリ」というと、仕上り状態として、完壁を思わせる数字である。
 ミスター日本、ミスターアポロ、ミスター実業団、ミスターアジア、ミスターユニバースと、大きな大会が続くが、トップ・レベルをゆく選手は、広田選手を含めて、だいたいメンバーが固定化されつつある。「ミスター日本優勝」を手中にする唯一のビルダーはこれら有力グループの中から生れることは100%といっていいほど確実であろう。それだけに各選手の努力は夜も昼もなく大変である。
 躍進をとげた広田選手の食事内容を具体的に分析してみよう。

1.ふつう時の食事内容

 午前8時・午后1時・午后5時・午后10時と、4~5時間ごとに、1日に4回に分けて、バランスの良い食事をとっている。
 間食とはいえ、夜10時の内容は、ふつう人の昼食くらいの内容である。
 ハンバーグ・チーズ・牛乳・豚肉・マグロなど、比較的脂肪を多く含む食品をとっているので、全体的にカロリーが高くなっている。そしてこれが連日(週6日)各2時間半のきついトレーニングをこなすエネルギー源となっているわけだ。

①総カロリー4745(体重1kg当り約60カロリー)、たんぱく質220g(体重1g当り2.7g)、脂肪212g、炭水化物474g(全体の52%)という構成内容になっている。

②カロリーが多いのは、前述のように脂肪が多いのと、食べる絶対量が多いからである。25才くらいまでは、胃腸が活発で多く食べても、体の新陳代謝のほうに消耗される。26才を起すと、昔ほどは食べられなくなる。「若さの有利さ」の一つである。

③たんぱく質も体重1kg当り2.7gは、やや多い数字である。もちろん、その日によって食事内容が変化するので、書かれている1日だけで、すべてを判定できない。傾向をみるための参考として述べると、朝食に70g、昼食に85g、夕食40g、夜食24gという、たんぱく質の配分になっている。したがって、朝食にチーズやハンバーグをとっているので、プロティンドリンクは夜食のほうに廻すと効率がよい。1回に消化できるたんぱく質量は、個人差もあるが50g前后といわれている。したがって、一度に多く食べるより、2時間以上おいて、50g以内に分割してとるほうが、体内の効率がよいわけだ。

④脂肪も多いが、ふだんのパルクアップ時には、エネルギー源として好ましい。減量時には、鳥肉のような、脂肪の少ない肉に切りかえられている。これからは、なるべく、サフラワー油など、調理に植物性油脂を使うようにしてゆくとよい。

⑤野菜・果物という点では、昼食の野菜とみかん5個だけなので、もう少し「せんい」の多い食品を食べるように心がけよう。たとえば、もやし・春菊・大根菜・枝豆・とうもろこ
しなどを食べよう。代用でなく、そのままの素材を食べていただきたい。またみかんは袋のまま、よくかんで食べるとよい。

⑥サプルメントフーズとして、プロティン、ジャームオイル、ビタミンCがとられている。このために、徴量栄養素はある程度カバーされているが、人工的にカバーが及ばない成分
も存在するので、なるべくなら、レバー、酵母、納豆、ヨーグルト、チーズ、みそなど、微生物が関与する食品や、自然の野菜・根菜・果物などを意識して食べよう。

⑦ごはん、スパゲティ、ラーメン、トーストなど、炭水化物も結構多くとられている。シーズン・オフに、この程度食べることは、いっこうに構わない。むしろ、たんぱく質を効率よく燃焼させるのに、ちょうど適した量である。

2.減量時の食事内容(-6kg)

 広田選手は減量についても大きな進歩をとげている。前回は1日4食で、カロリーや脂肪はそれほど低下していなかったが、今回は、ひじょうに適切な方法で、うまくディフィニションを得ることに成功している。
 「約4ヵ月くらいの長期間にわたって自然に5~8kg減ったものである」と述べているように、無理なく、日常の摂生により、身体管理をおこなって、皮下脂肪を約5ミリまで低下させるのに成功している。
 以下は、「コンテスト20日前くらいからの最終段階での食事内容だ」として報告してくれているものだ。
 これについて検討してみよう。

①総カロリー2094(体重1kg当り約30カロリー。ふつう時の約47%)、たんぱく質290g(体重1kg当り3.9gふつう時より1日70g多い)、脂肪78g(ふつう時の約37%)、炭水化物48g(全体の11%、ふつう時の約10%)という構成になっている。

②ふつう時に比べて、食べる量(カロリー)は1/2以下で、トレーニングは平常より多く実行するので、当然ながら体内に蓄積されていた脂肪は燃焼され尽くしている。また、少しくらい食べても、炭水化物や脂肪はエネルギーにすぐ変って、皮下脂肪の原因にはならない。

③たんぱく質は相当に多いので、筋肉の素材になっているほか、エネルギーとして使用されることになる。体内のメカニズムや経費からみて、過剰は無駄なので、半分くらいに減らしてもかまわない。

④「10日で1kgのプロティンを使用する」と書かれているが、使用量が多いので、2/3くらいにして、そのかわり炭水化物を少量増やすほうが、体には楽である。

⑤たんぱく源として、チーズ、牛肉、とり肉、ゆで卵なども併用していてこの方針が正しいわけだ。1種類とか2種類に偏ると、どうしても不足する栄養素が生じるので、種類を多くして食べるのが賢明である。

⑥みかん、りんご、野菜(レタス、ピーマン、にんじん、ネギ、ニラ、キャベツ、もやし、しいたけなど)を多く食べている点、体調をよくするのに役立っている。ふつう時の内容より好ましいといえる。

⑦脂肪の点にも気を使い、プロティンを飲む際に、牛乳でなく、水に溶いて飲んでいる。

⑧サプルメントとして、アルファルフア、レバー、ジャームオイル、アリナミンを採用しており、不足する栄養素をよくカバーしている。減量時には、サプルメントの果す役割が大きくなる。

⑨1日に8食にわけて、少量ずつ栄養をとっている。実はこの方法が世界各国の栄養学者の実験で「1日1食とか2食で生活するよりも、1日5~7食にわけて、少量ずつ食べるほうが、同じ内容量を食べても、皮下脂肪に変化する量が少ない」と確められているのである。

⑩広田選手はじめ、内外のビルダーたちは、相当前からまさにこの方式で分割して、高たんぱく・低カロリー食により脂肪カットに成功しているわけだ。この実績は広く社会のみなさんに発表して、役に立ててもらうべきだと考えられる。
月刊ボディビルディング1982年9月号

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