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なんでもQ&Aお答えします 1982年7月号

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月刊ボディビルディング1982年7月号
掲載日:2018.12.18

大胸筋の内側を発達させ,バルク・アップさせながら体脂肪を落したいが

Q ボディピル歴は4ヵ月半,自宅で1人でトレーニングしています。トレーニング頻度は週に3日,高重量で行なっています。 ところで,ぼくは現在,胸の運動はペンチ・プレスだけ行なっています。しかし,大胸筋の外側ばかりが発達して,内側の発達が見られず,行きずまりを感じています。そのようなわけで今後は,大胸筋の内側を発達させるための運動を1種目加えてトレーニングしたいと考えています。有効な運動種目を教えてください。

 なお,バルク・アップさせながら体脂肪を落とすには,食事の内容をどのようにすればよいのか,そのことについてのアドバイスもお願いします。

≪現在の体位≫
 身 長173cm   上腕囲 31. 5cm
 体 重 66kg   前腕囲 27cm
 首 囲 41cm   大腿囲 57cm
 胸 囲 98cm   下腿囲 38cm
 腹部の皮下脂肪 13mm
 
≪現在採用している運動種目≫
 ①ベンチ・プレス
 ②フレンチ・プレス・ライイング
 ③スクワット
 ④カール
 ⑤ベンド・オーバー・ラタラル・レイズ
 ⑥ベンド・オーバー・ローイング
 ⑦レッグ・レイズ
〔註〕ボディビルの他に,火曜日と金曜日には少林寺挙法の道場へ通っています。
 (兵庫県 藤原宏司 高校生 17歳)
A ベンチ・プレスという運動は左右のグリップの間隔の広い狹いによって,大胸筋に及ぼす効果が異なってきます。グリップ間隔が広い場合には,どちらかといえば大胸筋の外側の部分に強く効き,グリップ間隔を狭くするほどに内側の方に強く効くようになるといえます。

 現在あなたがどのくらいのグリップ間隔でベンチ・プレスを行なっているかわかりませんが,もし,グリップ間隔が肩幅の倍くらい,もしくはそれよりも広い間隔でベンチ・プレスをやっておられるなら,試しに肩幅よりも狭いグリップ間隔(ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス)でやってみられるのもよいと思います。

 ところで,上述したナロウ・グリップ・ベンチ・プレスによっても,大胸筋の内側部の発達が得られないようであれば,そのときは,下記のショルダー・ブリッジ,またはインクラインによるピンチング・プレーツ・エクササイズを行なってみてください。

 ◎ショルダー・ブリッジ・ピンチング
 ・プレーツ・エクササイズ〔写真1〕
 <かまえ>2枚の同じ大きさのプレートを平らな面を外側にして合わせ,フチに指をかけないようにして,手のひらと指の腹でプレートを挾み持ち,床またはベンチの上で,肩と足を支点にしてブリッジの姿勢をとりプレートを胸のあたりにかまえる。
 <動作>手のひらと指の腹で挾み持つた2枚のプレートを,垂直に上方へ差し上げる。
 <呼吸>プレートを差し上げながら息を吐き,元へ戻しながら吸う。
 <注意>プレートのフチに指が絶対にかからないようにする。つまり,両手の圧力だけでプレートを保持するようにしないと効果がまったく得られなくなる。
〔写真1〕ショルダー・ブリッジ・ピンチング

〔写真1〕ショルダー・ブリッジ・ピンチング

 ◎インクライン・ピンチング・プレーツ・エクササイズ[写真2]
 <かまえ>2枚のプレートをショルダー・ブリッジによる場合と同じ要領で持ち,インクライン・ベンチに仰臥して胸のあたりにかまえる。
 <動作>両手で挾み持ったプレートを両腕を仲ばして,前方へ水平に差し出す。
 <呼吸>プレートを前方へ差し出しながら息を吐き,手前へ戻しながら息を吸う。
 <注意>プレートを上方へあげるようにすると効果が減ずるので,くれぐれも水平に出すようにする。

 次に,食事についての質問にお答えします。

 筋の肥大(バルク・アップ)を促すには蛋白質を十分に摂る必要があります。反面,体脂肪を落すには,ある程度,油脂類と炭水化物の摂取を制限することが必要です。したがって,バルク・アップを計りながら体脂肪を落していくには,いわゆる高蛋白・低カロリーの食事内容にしなければなりません。そして,ミネラルやビタミン黝などの他の栄養素のことも考えて,全体としてバランスのとれた食事をするように留意することが大切です。

 ところで,蛋白質の1日当りの必要摂取量ですが,成人男子の場合,普通体重1kg当り1g以上といわれています。しかし,ボディビルのように筋の発達や筋力の強化を目的とする運動を行う場合は,その必要摂取量もぐんと多くなります。少なくとも体重1kg当り1.5~2gは摂る必要があるといわれています。したがって,あなたもそのところをよく考慮して,高蛋白であって,かつ低カロリーな食事をするように心がけてください。
〔写真2〕インクライン・ピンチング・プレーツ・エクササイズ

〔写真2〕インクライン・ピンチング・プレーツ・エクササイズ

 ただ,はげしいトレーニングをするためには,非常に多くのカロリーを必要としますので,ある程度,炭水化物をとることも必要です。

 以上のことについてもっと具体的に述べるならば,油脂類や炭水化物(でん粉や糖分)を多量に含む食物をできるだけ制限し,また,同じ蛋白質を摂るにしても,なるべくカロリー価の低い物で摂るといった配慮が食事をする上で必要です。

 なお,炭水化物は主食類や菓子などに多く含まれているので,体脂肪を落す場合には,とくにそれらの食品を制限する必要があります。しかし,1日の摂取カロリーを極端に制限しすぎるのも身体のためによくないので,いかなる場合も基礎代謝量より少なくしないようにすることか大切です。

 なお,基礎代謝量については,栄養成分表(または栄養分析表)に年令,体重別に算出された詳しい表が載ったものが刊行されていますので,それを参考にされるとよいでしょう。また,この栄養成分表は,効率的な食生活をするためにも必要なものです。もし,栄養分析表を所持しておられないようでしたら,早速,購入されることをお勧めします。そして,自分で蛋白質やカロリーの摂取量を計算するように習慣づけてください。このような習慣を身につけることは,あなたがボディビルダーとして大成するためにも大切なことであるといえます。

腹部の脂肪をとるトレーニング法とダイエットの方法について

Q 毎月,貴誌を愛読し,トレーニングの参考にさせていただいております。私のボディビル歴は1年半ですが,仕事が変則で隔日勤務(24時間で1日おき)のため,トレーニングは週3日,休みの日に実施しております。

 最近,ようやくビルダーらしい体つきになってきたのですが,現在のスケジュールはオーバー・ワークになるので,レイ・オフしたり,分割法(胸と腕の日と,背と肩と脚の日に分割)を採用したりしています。

 なお,私のからだは,他の部位に比較して腹部に脂肪が多いように思われます。その上うなわけで,腹部のトレーニング法とダイエットの方法を含めて,私に適したトレーニングの仕方をご指導いただきたいと思います。

 幸い,私の家内が栄養士ですから,カロリー計算等は容易です。なお,現在の体位とトレーニング・スケジュールは次のとおりです。
[註]なお、自分なりに分割した場合は肩の運動としてサイド・レイズとベント・オーバー・サイド・レイズを加えています。(大分市 匿名希望 22歳)

[註]なお、自分なりに分割した場合は肩の運動としてサイド・レイズとベント・オーバー・サイド・レイズを加えています。(大分市 匿名希望 22歳)

A 腹部に関する質問からお答えします。あなたは現在,腹の運動は1種目しか行なっておりませんが,いま実施している種目だけでは,運動がいささか単調すぎる感じがします。したがって,腹部の脂肪を落とすには,種目を増やすなり,または種目を変えるなりして,運動に変化を持たせるようにするのがよいと思います。

 つまり,いま実施している種目は,腹の運動種目の中でもごく基本的な種目なので,少しは趣きを異にする種目か行う必姿かおるのではないかということです。そのようなわけで,腹の運動種目を4種目ほど紹介しますので,その中から,あなた白身が適当と思う種目を選んでください。

◇腹部の運動種目
 ◎ベンド・ニー・シット・アップ
 <かまえ>両膝を90度くらいに屈曲した体勢で腹筋台に仰臥する。
 <動作>両膝をまげたままの状態でシット・アップ述動を行う。
 <呼吸>上体を起こしながら息を吐き寝かせながら吸う。

 ◎ツイスティング・シット・アップ
 <かまえ>普通のシット・アップの場合と同じ。
 <動作>上体を左右いずれかに捻りながら起こす。1回ごとに左右交互に棯る。〔写真3〕
〔写真3〕ツイスティング・シット・アップ

〔写真3〕ツイスティング・シット・アップ

 ◎クロス・ベンチ・シット・アップ
 <かまえ>上体をうしろへ倒したときに,ベンチと体が交差するように,横向きにベンチに腰をかける。そして,足の先に置いたバーベル・シャフトの下に両足を差し入れて,足が浮かないように固定する。〔写真4〕

<動作>上体をうしろへ倒し,両肩が床に触れるくらいにまで倒したなら起きあがる。ローマン・チェアがあれば,それを使用するのがよい。
〔写真4〕クロス・ベンチ・シット・アップ

〔写真4〕クロス・ベンチ・シット・アップ

 ◎レッグ・レイズ・アンド・ツイステ ィンク・レッグ・ダウン
 <かまえ>傾斜した腹筋台に頭の方を上にして仰臥し,両手で腹筋台の上部のフチをつかんで体がずり落ちないように固定する。
 <動作>膝をあまり曲げないように留意して両脚を持ちあず,持ちあげたら左右いずれかに腰を棯って,その棯ったままの状態で両脚をおろす。おろしたなら,腰の向きを正常に戻し,上記の動作を繰り返し行う。ただし,腰を棯る方向は1回ごとに変える。

 では次に,トレーニング・スケジュールについての問題に移ることにします。あなたの場合は,仕事が隔日24時問勤務なので,トレーニングを行える日もおのかずら限られてくると思います。

 ということは,どのようなトレーニング法を採用しても「実際にトレーニングが行なえる日は,隔日的,週3日である」という制約された日程の中でトレーニング・スケジュールを作らなければならなくなります。(註:残りの1日は休養日とみなす)

 ところで,かりに上記のように日程の而で制約があったとしても,トレーニングの実施者が初級者であれば,トレーニングの量そのものが少なくてすむので,あまり問題にはなりません。しかし,あなたのように,かなりビルダーらしい体になっている人の場合には,トレーニングの量と強度が初級者の比ではなくなるので,いつしか体力的に無理が生じてくるということもあります。

 したがって,ふなたは今後,そのへんのところをよく認識してトレーニングを行うようにする心要があります。つまり,日程的な面でのハンデをしっかりと自覚する必要かあるということです。そして,他の人よりも年月をかけて,からだを鍛えていくという,気持のゆとりが欲しいものです。

 前置きが長くなりましたが,具体的なトレーニングの方法について述べることにします。

◇従来どおり全採用種目を1日で行う場合の留意事項

①トレーニングの密度(量と強度)を 今までよりも軽減する。
②全採用種目を2分割,もしくは3分割し,1日の中でも何回かに分けて行う方法もあるが,そのような方法でトレーニングを行なったとしても1日におけるトータルでのトレーニング量に無理かある限りは,やはり問題が残る。したがって,あなたの場合,そのような方法を採用する利点はあまり考えられない。
③総体的に効果を期待しすぎないようにする。あそこも,ここもといった具合に,全身的に効果を期待しすぎると,結局はオーバー・ワークになり,かえってなんらの効果も得られなくなる。

 したがって,積極的な効果を期待する部位は2ヵ所ぐらいにとどめ,他の部位は現状維持くらいの気持で運動を行うようにするのが無難である。そのためには,採用種目を減らすか,または,セット数を少なくするようにする。

≪トレーニング・スケジュール例≫
  (胸と腹に重点を置いた例)
記事画像6
◇分割法を採用する場合の留意事項
①トレーニングの行える頻度から考えて,2分割法が妥当である。3分割法を採用することは,同一部位のトレーニング間隔が開きすぎるので疑問がある。
②トレーニングの日程は,2週間を1単位として考えるのがよい。つまり下記のような日取りでトレーニングを消化するようにする。
記事画像7
≪トレーニング・スケジュール例≫
記事画像8
◇ダイエットについて
 腹部の脂肪を取るには,全身的に脂肪を落していく算段をしなければなりません。全身的な脂肪を落すことを考えないで,腹部の脂肪だけを取ろうとしても取れるものではありません。

 そのような意味で,今後,当分の間は,食事の内容を低カロリー食にする必要があると思います。しかし,筋の発達に欠かせない蛋白質は充分に摂るようにしなければならないので,実際には高蛋白・低カロリー食ということになります。

 同様の趣旨の質問が,本号掲載分の藤原君からも寄せられておりますのでそちらの回答欄も読んでください。

バーベルまたはダンベルでレバレッジバー・ローイングに似た運動はないか

Q ボディビル歴は1年2ヵ月です。3ヵ月ほど前まではジムでトレーニングしていましたが,いまは自宅で行なっています。

 ジムに通っていた頃は,広背筋の運動としてレバレッジバー・ローイングを行なっていました。この運動は広背筋が意識しやすく,わたしに向いた運動であると思うのですが,いまはレバレッジバーがないために中止しています。一応,バーベルをレバレッジバーの形に組んで試してはみましたが,シャフトが120cmしかないので運動がしっくりした感じでできません。

 そこでお伺いします。バーベル,またはダンベルを使う運動で,レバレッジバー・ローイングと似たような感じの運動がないものでしょうか。あればご紹介いただきたいと思います。
  (束京都 大野 満 商業 27歳)
A 運動のスタイルは多少異なりますが,レバレッジバーローイングと似たような感じのする運動があることはあります。しかし,運動というものは,同じ運動だからといって,だれにでも全く同じ感じを与えるとはかぎりません。したがって,これから紹介する運動が,あなたにとって,はたしてレバレッジバー・ローイングと代替し得る運動であるか否かはわかりませんが,一応試してみてください。

 ◎ストラッドル・バーベル・ローイング〔写真5〕
 <かまえ>バーベルをまたいで立ち上体を床面と平行になるくらいまで前倒し,左右の手指を組み合わせてシャフトの中心部を下から握る。
 <動作>前後のバランスを保ちながら腕を屈してバーベルを上へ引きあげる。バーベルを引きあげるときに,グリップが腹のあたりにくるようにするのがよい。上体はできるだけ上下させないようにする。
 <呼吸>バーベルを引きあげながら息を吸い,おろしながら吐くようにする。
〔写真5〕ストラッドル・バーベル・ローイング

〔写真5〕ストラッドル・バーベル・ローイング

 ◎ストラッドル・ダンベル・ローイング(ベンド・オーバー・ツーハンディツド・ダンベル・ローイング)
 <運動法>バーベルを使って,ストラッドル・バーベル・ローイングと同じ要領で運動を行う。シャフトが短いだけに,この運動のほうが,バーベルで行う場台よりも前後のバランスがとりやすい。〔写真6〕
〔写真6〕ストラッドル・ダンベル・ローイング

〔写真6〕ストラッドル・ダンベル・ローイング

 バーベルだけで上腕二頭筋のピークを高めたいが

Q ボディビルを始めて約1年,自宅でトレーニングしています。僕はダンベル・シャフトを持っていないので,ダンベルによる運動は全く行なっていません。

 現在は腕に重点を置いたトレーニングをしていますが,そのことに関してお尋ねしたいことがあります。

 上腕二頭筋のピークを高めるには,ニー・カールやスコット・カールか有効と聞いています。しかし,前にも述べたようにダンベル・シャフトもなくまた,カーリング・ベンチもないのでそれらの運動が行えません。

 特別な補助器具を使わずに,バーベルだけで上腕二頭筋のピークを高めることができる運動があれば教えてください。
  (埼玉県 三田敏夫 学生 20歳)
Aご質問の趣旨にそって,上腕二頭筋のピークを高めるのに有効と思われる運動を3種目ほど紹介します。なお,これからも長くボディビルをやっていかれるなら,ぜひ,ダンベル・シャフトを購入されるようおすすめします。

 ◎ベンド・フォワード・カール
 <かまえ>バーベルをナロー・グリップで持ち,背をまるめ,上体を少し前傾し,左右の上腕の間隔を狭ばめて両肘を腹にあてがう。〔写真7〕
 <動作>上腕を上記ように固定した状態でカールを行う。
〔写真7〕ベンド・フォワード・カール

〔写真7〕ベンド・フォワード・カール

 ◎アイソレーテッド・カール(ベンドオーバー・カール)〔写真8〕
 <かまえ>バーベルをアンダー・グリップで持って立ち,上体を床面と平行になるくらいまで前倒し,その体勢で両腕を下へ垂直にさげてバーベルをかまえる。いわば,グリップの向きだけを逆にして,ベンド・オーバー・ローイングの姿勢をとる。
 <動作>上記の体勢のまま,左右の上腕を垂直の状態に保って,前腕だけを屈曲してカールを行う。余裕のある重量を用いて,できるだけていねいに動作を行うのがよい。
〔写真8〕アイソレーテッド・カール

〔写真8〕アイソレーテッド・カール

◎椅子を利用したコンセントレーション・カール  背もたれの付いた椅子があれば,それを利用してコンセントレーション・カールを行うのがよい。
<かまえ>肩幅よりもいくぶん狄いグリップ問隔てバーベルを持ち,逆向きに,椅子にまたがるようにして腰を掛け,両腕をねもとから椅子の背もたれの外側の方へ出す。
<動作>左右の上腕を椅子の背もたれに固定した状態で,コンセントレーション・カールを行う。
 回答は1959年度ミスター日本, NE協会指導部長・竹内 威先生
 演技指導は平井トレーニング・センター会長・熊岡健夫先生
月刊ボディビルディング1982年7月号

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