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岡田千詠子 女性トレーニングコーチのキャリア 結婚・妊娠・出産・育児と両立させために NSCA国際カンファレンス

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掲載日:2017.05.19
NSCA国際カンファレンスでは、初の試みとして女性のためのカンファレンスがランチョン形式で持たれました。女性トレーナーが抱える悩み、男性の多い現場の中でどのように女性が活躍していくことができるのか、育児をしながらどのように両立させればいいのかなど、様々な切り口でお話されました。
多くの席が埋まり女性トレーナーからの関心の高さが伺えたセミナー

多くの席が埋まり女性トレーナーからの関心の高さが伺えたセミナー

岡田千詠子さんとは、、、

ご自身の体験談を元に女性トレーナーのキャリアプランの構築や活動方法など示唆に富む内容でした。

ご自身の体験談を元に女性トレーナーのキャリアプランの構築や活動方法など示唆に富む内容でした。

NSCA-CPT,*D,認定検定員,NSCAジャパン女性S&C委員会委員長,NSCAジャパン認定
検定員委員会委員,NSCAジャパン東海アシスタント地域ディレクター,日本体育協
会認定ジュニアスポーツ指導員

ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチとして、森永製菓(株)ウイダートレーニングラボにてオリンピアン、プロアスリート、学生選手を指導。

2007年結婚、2008年森永製菓(株)との契約を終了し、2009年第一子を出産、2010年第二子を出産、2011年にフリーランスとして、静岡県袋井市を中心に活動を再開し、子どもから学生選手といった育成を必要とするボトム層の指導、普及に力を入れられています。

現在は13歳の女子プロ・スノーボーダーをはじめ、学生選手への指導と、3歳から9歳までを対象とした子どもへコンディショニングの基礎となる運動教室(アスリートクラブ)を主宰。

女性コーチが自分らしく、生涯を通じて、S&C分野において活躍できるよう活動中です。

男性トレーナーと肩を並べるために

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ーー トレーナー業といえば、どうしても男性の多い世界。現在、女性トレーナーが増えてきたとは言っても、まだまだ圧倒的に男性の方が多い業界です。そのような中で、岡田さんはどのように、自分の活動を広げていったのでしょうか。



 初めての職場、ウィダー(森永製菓)で仕事を始めた時には、周りは男性ばかりで女性は私ひとりでした。NSCAの認定ということもあり、採用していただいたのですが、最初入った時には、『受付で座っているだけでいいから』と言われました。その時には、女性ということで期待されていないんだな…と思いました。しかし、気持ちを切り替えて、座っているだけでいいのならば、その時間を使って勉強しよう!と思い、受付に座って勉強をしていました。

その数年後に、マネージャーが変わり大きな転機を迎えました。まさにそのマネージャーは、実力主義で年齢性差関係なし。『お前がやれ!』とたくさんのチャンスをくれました。また、そこで男性スタッフとも、とても良好な関係を築くことができていました。

男性とは、どうしても筋力的な差があります。日頃、男性スタッフと共にトレーニングをする中で、補助をしたり、補助されたりということを重ねる中で、私の力がどのくらいなのかをスタッフの皆がよく分かってくれていました。クライアントが、100キロ近いウェイトを持ち始めたら、何も言わなくてもスッと補助を替わってくれました。そのような協力関係ができていたので、業務はとてもスムーズに行えていました。

女性トレーナーは、結婚・妊娠をどのように考えるのか

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 私の場合は、旦那が同業のため、仕事の理解はバッチリあります。なので、結婚後も同じスタイルで仕事を続けることができました。

トレーナー業というのは、一般的なものではないので、違う職業のパートナーを持つ人は、しっかりと相手の理解を得てからの方が、後々問題にならないかと思います。

結婚は特に問題はなかったのですが、勝負を掛けて頑張っている選手をみている中で、妊娠というのはどうしてもブレーキが掛かってしまうことがあります。

私の場合、子どもをつくろうと決めてから、半年ほど丁寧に引き継ぎを行って、退職させていただきました。退職後には、子どもができたら親の協力を得て仕事を続けていく環境が欲しかったため、自分の実家の方に引越し、妊娠・出産をしました。


私の場合、ウィダーを辞めたのが28歳の時でした。一般的に30歳前後というと、女性的にも実力をつけて、やっとこれから!という時に、結婚や妊娠・出産という人生の転機がやってきます。

それをマイナスととらえるのではなくそれを機会に、自分の方向性を見直し、前向きに悩んで欲しいと思います。

フリーランスがぶつかる問題

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 私の場合、ウィダーの時も個人事業主として仕事をしていました。フリーランスとして仕事をしているので、育休や産休もありません。会社勤めをしていれば、雇用保険も出ますが、失業保険もなし、育児休業給付金などもありません。

ということは、収入が必然的に少なくなってしまいます。その時に、私の場合は、夫の扶養に入り、扶養控除内で仕事をしていました。フリーランスの場合、そのようなことを勉強しておけば、後で面倒なことにならずに済みます。

フリーランスにとって、保育所に入所させるというのは大きな壁になります。保育所に預けたいと思っても、就労所得証明書を貰うあてがなかったり色々と苦労しました。

保育所に入れるために、地域の組合や、市役所の担当者の方に相談してみたり、コミュニケーションを取りながら進めると良いと思います。

子育てとのバランス

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 現在、私は育児をしながら主に3つの仕事をしています。

ひとつは、幼児から小学校低学年までの子どもに対するコンディショニングの教室。この教室は、自分の子どもが保育所に行っている間にできる仕事だったからです。アスリートを教えに行く場合には、どうしても夜になることが多いので、子どもの預け先を確保するのが難しいため、自分のライフスタイルに合わせ、できる範囲を考えた仕事のひとつです。


もう一つの仕事は、高校の部活におけるストレングス&コンディショニングの指導の現場になります。

こちらは、男の中で女が一人という環境が多いので、男子が気を使うことがないように、胸の空いた服を着ないなど配慮をしています。
また、ベンチプレスの補助に入ることもありますが、普段は選手だけでトレーニングをしているので、なるべく介入しないよう選手同士でできるように教育しています。そのため、彼らが卒業する頃にはトレーニングジムでアルバイトができる程のテクニックを持っています。


最後のひとつは、パーソナルトレーニングの指導です。こちらは、中1のスノーボーダーで、最年少プロで活躍しているかなり優秀な女の子です。最初に出会ったのは、小学4年生の時。思春期を迎え、体にも変化が起こってきます。そのような中で、どのように調整すれば良いのかなど話ながら進めています。彼女の家でトレーニングをすることが多いのですが、子どもの預け先がない時には、彼女のお母さんはとても協力的なので子どもを連れて行く時もあります。

子どもが保育所に通い出して、2年間はあらゆる菌をもらって、毎月のように病気をしては病院に通っているような状態になります。それを前提にスケジュールを組んでおかなければ、突然仕事をキャンセルしなければならないという事態がどうしても起こってきます。いざという時に預かってくれる人を確保しておくのか、もしくは代わってもらえる人を確保しておくなどの関係づくりをしておく必要があります。

女性トレーナーの役割

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 私たちの仕事は、生涯を通してあらゆる人たちに必要とされる職業だと思っています。

自分のライフスタイルをクライアントの必要にあわせて柔軟に対応させることができます。クライアントの幅は広いので、子育て中などの時には、自分がその幅の中で何をすることができるのか、自分の持っている知識をどう応用させることができるのかを探してみてはいかがでしょうか。

女性のトレーナーの方々には、女性であることの価値に気づき、誇りを持って、自分らしく、生涯の仕事としていただければと思います。

また、自分自身も子どもの成長に合わせて仕事をしていきたいと思います。
女性トレーナーにしか出来ない強みや働き方をアドバイス

女性トレーナーにしか出来ない強みや働き方をアドバイス

最後に・・・

ーー 今回、岡田さんのお話を伺いながら、トレーナー業に限らず、どの職業においても、働く女性は同じ悩みを抱えているものだと思いました。ただ、トレーナーという仕事は、クライアントとの距離感が近かいので、やはりご主人さまの理解を得ることは必須なのだな、と思いながら聞いていました。

女性は、トレーニングをする時に自分の悩みをさらけ出さなければならなかったり、自分の体型を良くしようと思って来ている時に、男性トレーナーに対して苦手意識を感じる人もいると思います。その時に、女性トレーナーの存在というのは、本当にありがたいものだと思います。また、女性特有の悩みは、女性にしか分かりません。これからもっと、女性トレーナーが輝ける場が広がればいいなと思いました。



文:カナ

セミナーのお知らせ

岡田氏が登壇する NSCAジャパン S&Cセミナー が2017年6月17日(土)に行われます。

岡田氏を含め女性ストレングス&コンディショニング(S&C)委員3名が講師を務める女性をテーマにした内容

NSCA会員はもちろん、一般の方も参加可能です。
(無料にて託児サポートをご利用いただけます。*事前予約制)


セミナー申込、詳細は NSCAジャパン 主催セミナーの6月17日をチェック
特定非営利活動法人NSCAジャパン(全米ストレングス&コンディショニング協会・日本支部)

HP:www.nsca-japan.or.jp

Blog:オフィシャルブログ

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