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Q&A ジュラシック木澤に聞け!!
JURASSIC ANSWER

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[ 月刊ボディビルディング 2013年4月号 ]
掲載日:2017.08.02

1・最後まで追い込む精神面の強化とは?



 少し前の連載の中で「トレーニングでは、限界後のさらに1、2レップスを行なうことが大切」と書いてありました。私はスクワット等の高重量で行なう種目のとき、いつも最後まで追い込めず、途中で諦めてしまいます。心の中では最後まで追い込もうとは思っているのですが、メンタル面が弱く毎回同じことの繰り返しとなってしまいます。トレーニング歴も6年を数え、もう初心者とは呼べないキャリアだと思いますが、木澤さんは初心者の頃から〝最後まで出し切る〟というトレーニングを行えたのでしょうか?

 もし、トレーニングキャリアが進むにつれ、追い込むことができるようになったのであれば、メンタル面では何か特別なことをしたのでしょうか? トレーニングを取り組むにあたって、メンタルを強化する方法等がありましたら教えて下さい。



 追い込むといっても個人差が相当ありますよね。一言で追い込むという表現は曖昧すぎますので、自分の持っている筋力を100%出しているか? という言い方のほうが分かりやすいと思います。上級者になれば101%出せているか? と。そのために絶対に必要なものがあります。それは明確な目標です。トレーニングの種目は、必ず何㎏で何回行うという表現ができます。という事は明確な目標設定が必ずできます。現在100㎏で10回できるのなら、次の目標設定は102.5㎏で10回やるぞ! 100㎏で11回やるぞ! のどちらかです。その目標に対して挑む事が追い込むという事です。ですから、実際のトレーニングでは追い込むぞ! などと考える必要はないのです。目標をクリアする事に集中するだけです。ですから、毎回のトレーニングの重量や回数は毎セット記録します。そのためにトレーニングノートは必ずつけるべきです。

 補助で追い込む・ドロップセットで追い込む・短いインターバルで追い込む。色々な追い込み方があるかと思いますが、まずは自力でできる重量を確実に伸ばし、自力の100%を毎セット安定して発揮できるようになる事が大事です。自力を100%だせないのに補助をつけてもドロップセットを行っても効果はないと思って下さい。

 小さい頃運動会のかけっこでゴールに向かって全力で無心に走りませんでしたか? 走る事が辛いなんて思いながら走っていないはずです。早くゴールしたい! の一心で走ったのではないでしょうか。ゴールしたら脚がピクピクする位、脚の筋力は全力を出していたはずです。それと全く同じです。

 目標に向かって全力で挑むトレーニングは緊張感があり、辛いとか思う暇などないくらい集中できるものです。〝追い込む=辛い〟ではない事を覚えておいて下さい。

2 胸の下部ラインを作る



 胸の下部のラインを作る良いトレーニング種目、方法等がありましたら教えて下さい。現在ディップスを胸の下部の種目として行っていますが、減量をすると今ひとつ盛り上がりに欠けてしまいます。ちなみに他の胸のエクササイズはベンチプレス、ダンベルフライ、インクラインダンベルプレス、そしてディップスです。セット数はだいたい5セット前後で、レップスは10回前後です。レップスやセット数等も関係してきますか?



 僕自身胸は弱点ですので色々試してきました。現在も良いと思うものは、積極的に取り入れています。色々試すといってもマニアックなトレーニング法を実施するのではなく、フォームや種目で良いものを求めるのであって、重量を伸ばすという基本的な方針は変えません。弱点部位について色々考え過ぎてトレーニングが他の部位と全く違ったやり方や方向性になってしまっている方を見かけますが、やはり弱点部位であっても強度を上げていくという基本は絶対にはずしてはならないと思います。

 本題の胸の下部についてです。現在はディップスで下部のトレーニングをされているようです。アドバイスするならディップスでも肩甲骨を寄せたまま挙上するやり方と、肩甲骨を開いて背中を丸めながら挙上する方法があります。おそらく肩甲骨を寄せて行うディップスをされる方がほとんどですので、写真を参考に一度試してみて下さい。胸の下部の収縮を強く意識できます。下ろした際のストレッチに関してはどちらも肩甲骨を寄せますので一緒です。

 その他の下部の種目はプルオーバーも良いかと思います。ダンベルで行えばストレッチがしっかりできます。ケーブルで行えば収縮を意識できます。同じ動きでもダンベルとケーブルの特性を利用して負荷のかかり方に変化をつけられますので是非試してみて下さい。
ディップスのストレッチ。胸の下部をストレッチします

ディップスのストレッチ。胸の下部をストレッチします

通常のディップスの収縮ポジションです。 もっと脚を後ろに引いて状態を前傾させてもOKです

通常のディップスの収縮ポジションです。 もっと脚を後ろに引いて状態を前傾させてもOKです

肩甲骨を広げ背中を丸めた収縮ポジションのフォームです。胸の下部の収縮が強くなります

肩甲骨を広げ背中を丸めた収縮ポジションのフォームです。胸の下部の収縮が強くなります

記事画像4
ダンベルプルオーバーのストレッチポジションです。肘を軽く曲げて肩への負担を減らします。ストレッチをより強くする際はダンベルを下ろすにつれてお尻を下げていきます
ダンベルプルオーバーの収縮ポジションです。ダン ベルの場合は収縮感は弱いです

ダンベルプルオーバーの収縮ポジションです。ダン ベルの場合は収縮感は弱いです

記事画像6
ケーブルプルオーバーの収縮ポジション。ケーブルの場合は、ダンベルと同じフォームでも収縮を強く意識できます。コツは収縮に向かってお尻を上げていくとより強く収縮できます
[ 月刊ボディビルディング 2013年4月号 ]

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