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筋トレこそが減量に最適な方法である理由

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掲載日:2017.05.26
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有酸素運動の限界

体脂肪を減らし、体脂肪を継続的にコントロールできる最も良いエクササイズは、有酸素運動ではなくウェイトトレーニングです。その理由をいくつか挙げてみましょう。

まず、エアロビクス・エクササイズは、ウェイトコントロールするための最も良い手段として多くの人達に信じられ、愛好されています。エクササイズすることにより身体に蓄積された脂肪を燃焼してくれ、何時でもどこでも簡単に行えることこそが有酸素運動の魅力だと思います。エアロバイクは、リビングルームやアパートにもそれほど邪魔にならずに設置する事ができますし、それほど高価なものでもありません。また、ウォーキングは道さえあれば、いつでもどこでも好きな時に行うことができます。さらに、有酸素運動は、確かに脂肪を燃やしますが、継続的に体脂肪をコントロールするためには、それだけでは限界があるのです。

僕は現在起伏の無い、砂質の良い海岸沿いに住んでいて、そこは多くのウォーカーやランナーたちに愛好されています。そのビーチを、オーバーウェイトで座りがちの職に就いている中年の女性がウォーキング、もしくはジョギングを1時間したとすると、彼女は1時間に約500キロカロリー使うことができます。このウォーキング、もしくはジョギングを8ヶ月間毎日1時間続けたとすると、ダイエットをしないで、脂肪で何ポンド減らすことが出来ると思いますか?

1ポンド(約0.45kg)の脂肪は、約3500キロカロリーに相当します。この女性が1ポンドの脂肪を減らすためには、1日500キロカロリーをエアロビクス・エクササイズで今までより多く消費しますので、7日間で3500キロカロリー(1ポンド)、8ヵ月(32週間)では32ポンドの脂肪を燃やすことができる計算となります。しかし、彼女はわずか20ポンドしか減らすことができませんでした。それはなぜでしょうか?座りがちの女性だったので、エアロビクス・エクササイズをやり始めたばかりのころは、計算どおり1時間で500キロカロリー消費できたと思います。しかし、同じことを毎日続けていれば、彼女の体がその運動に適応し、500キロカロリー使っていたところが400キロカロリーしか燃やすことができなくなります。言い換えるならば500キロカロリー使って歩けた距離と時間が、400キロカロリーで同じ距離と時間歩けるようになったということです。エアロビクス・エクササイズでは、これが体が慣れ、上達していく過程なのです。この女性が海岸を1日に1時間ウォーキング又はジョギングしたとしても、必ずしも500キロカロリー使われるとは限らないということです。

有酸素運動を1時間行う事は、皆さんが期待している結果を早く導いてはくれません。その結果、さらにエアロビクス・エクササイズをする時間を増やしたり、摂取カロリーを減らそうとします。しかし、摂取カロリーを減らすことも、エアロビクス・エクササイズと同じことが言えるでしょう。初めは脂肪を燃料として使いますが、ある一定期間を過ぎてしまうと、体重の減少が遅くなるかまたはストップしてしまいます。これも、体がカロリーを減らした状態に適応したと言えます。そこで、さらに厳しいカロリー制限をしたとしても結果は先程と同じであり、逆にメタボリズムを低下させてしまいます。有酸素運動を支持する者たちは、心拍数を上げることでインテンシティーを高めると主張します。そうすることで確かに消費カロリーを増やすことはできます。しかし、すぐにそのカロリーに体が適応し、脂肪の減少が遅くなるか、ストップしてしまうのです。

継続的に脂肪を減らすことのできる方法は、ウェイトトレーニングです。ハードで正しいトレーニングは、筋肉を築きます。筋肉は代謝率を上げ、代謝が速いことは、それだけ多くのカロリーを燃やすことができます。極端な有酸素運動で消費カロリーを上げる事よりも、筋量を増やすことの方が脂肪の少ない身体を維持できるのです。ウェイトトレーニングはまた、筋肉を痛めつけます。一度痛めつけられた筋肉は、修復しなければなりません。その修復する過程においても(アナボリズム)、カロリーは必要とされます。その筋肉の修復に使われるカロリーのいくらかは、体に蓄えられた脂肪から使われます。

有酸素運動とダイエットは、体に蓄えられた脂肪を減らすことにより、体脂肪率を低くすることができます。ウェイトトレーニングは、体に蓄えられた脂肪を減らし、さらに筋肉をつけることにより、体脂肪率を低くすることができます。同じ体脂肪率の人でも、筋量の多い人と少ない人とでは、多い人のほうが多くのカロリーを消費することができ、それだけ体脂肪率をコントロールしやすいと言えるでしょう。

今、毎日海岸をウォーキングしている女性が、100ポンド(45kg)の筋肉と20ポンド(9kg)の脂肪を身に付けているとしましょう。その女性がウェイトトレーニングをし、筋肉をつけたならば、体脂肪率は低くなります。例えば1年間ハードなトレーニングを積み、10ポンド(約4.5kg)の筋肉を得たとすると、筋量が110ポンド(49.5kg)で脂肪は20ポンド(9kg)で体脂肪率は低くなります。たとえ、もし10ポンドの筋肉をつけたのと同時に3ポンドの脂肪がついてしまったとしても、トレーニングを始めた頃の体脂肪率よりも低い割合となるでしょう。

覚えておいてほしいポイントは、ウェイトトレーニングは継続的に脂肪をコントロールできる最も優れた方法だということです。そのウェイトトレーニングにエアロビクス・エクササイズを多少加えることにより、さらに脂肪を落とすことができるのであり、エアロビクス・エクササイズだけでは限界があります。

ここで、わたしは皆さんにこう言いたいのです。皆さんが目指している脂肪のない体とはボディビルダーのような体ですか?それともマラソン選手のような体ですか?

  • ■究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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