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オーバートレーニングとサイクルトレーニング

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掲載日:2016.07.25

オーバートレーニングとサイクルトレーニング

サイクルトレーニングとは、ハイインテンシティー(高い強度)でトレーニングする期間と、ハイボリューム(多くの量)でトレーニングする期間とを組み合わせたトレーニング方法です。簡単に言えば、ある期間はヘビーウェイト(高重量)をローレップス(低回数)で、セット数も少なく行い、別の期間には、軽めのウェイトをハイレップス(高回数)で、セット数も多く行うというものです。この方法は、オーバートレーニングという落とし穴にはまるのを避けながら、筋量を増やす目的で考案されたものです。

トレーニングに変化を持たせることによって刺激が常に変わり、筋肉が刺激に対して新鮮な状態であるために、発達が起こるというわけです。それに、ワークアウトの内容を変えれば、一種類の刺激によって体を酷使することもありません。つまり、マンネリ化した刺激、強すぎる刺激を避けることによって、オーバートレーニングという悪い結果にならずにすむのです。

机上では、この方法は非常によいもののように見えます。実際効果があることもあり、アイアンマン・トレーニング・システムを取り寄せ、その結果に満足している人々もいます。

しかし僕は、この方法には2つ問題があると思います。まず、僕はオーバートレーニングを避けることは大切だと思いますが、アクティブ・リカバリー(積極的な回復)は、それほど信用していません。サイクルトレーニングでは、ジムで100%の力を出さないようにする期間があります。この、インテンシティー(強度)を下げることの目的は、次の100%力を出すオールアウトトレーニング期間の前に、体を休ませ、活力を取り戻させるためだということになっており、このことを、アクティブ・レスト(積極的な休息)と呼んでいるのです。

次に、高重量で100%の力を使ってトレーニングしなければ、筋肉は発達しない、というのが僕の考えです。あなたは、頑固な筋線維を目覚めさせるのに十分なだけハードにトレーニングしなければならないのです。この頑固な筋線維とは、速筋であるタイプIIbの線維で、それはすばらしい発達の可能性を秘めているのです。

すべてのセットで全力を出し切ることは大変なことで、それは体を酷使し、消耗、オーバートレーニングといった状態になることもあるでしょう。しかし、ワークアウトと次のワークアウトの間に十分な休みの日を取ったり、何回かに一回の割合でトレーニングの量を中程度から低めにして行えば、消耗を防ぐことができます。しかし、アクティブ・レストの間に、軽い重量でトレーニングしても、それはIIb線維を動員していることにはなりません。

生き生きと活力がみなぎり、十分に回復しているときでなければ、トレーニングをするべきではありません。ほんの少し疲れたなあと感じる時でさえ、筋肉を刺激し、発達させるのに必要な100%の力を出すことはできません。疲れている状態でトレーニングすれば、オーバートレーニングになるだけです。

覚えておきましょう。オールアウトトレーニングをしなければ、筋肉は発達しません。しかし、疲れ切っていては、オールアウトトレーニングはできません。

ルーティーンについて

オフシーズンの目的といえば、余分な脂肪をなるべくつけずに、質の良い筋肉をつけることです。このためには、6~10レップスしかできないようなヘビーウェイトを使うことです。より重いウェイトを扱うためには、セット間の休憩をなるべく長く取ることが大切です。そうすれば、それぞれのセットに全力で臨むことができるでしょう。

あまりにも多くのボディビルダーが、雑誌で紹介されているルーティーンにやみくもに従うという過ちを犯しています。これらのルーティーンは大抵の場合量が多すぎますし、そこで決められているセット間の休憩は、回復するのに不十分であることが多いのです。これだけは覚えておいてください。回復こそが成長を生むのです。

僕は4日オン1日オフというパターンが好きです。4日で全身を鍛え、5日目を休みにするのです。しかし、ここ何年かは、これを少し変えたルーティーンを使っています。もっと休息をとるために、さらにトレーニングを、2日オン1日オフ、2日オン1日オフという具合に分けたのです。基本的には4日オン1日オフと同じですが、これだと休みが多く取れます。

ヘビーウェイトを使ったトレーニングをすれば、回復と成長のために体が休息を欲しがるのは当然です。コンテスト前は、最もオーバートレーニングに陥りやすく、筋肉を失いやすい期間です。体脂肪を減らすためには、カロリーと、炭水化物の両方を減らすことが必要ですが、その一方で、体脂肪を燃やすために、有酸素運動の量は増えます。
これにヘビーで激しいトレーニングが加わったりしたら、回復能力は落ち、たちまちオーバートレーニングに陥ってしまうでしょう。筋量を最大に保ちたいと思うならば、休息、インテンシティー、食事、それにサプリメントに十分気を配ってください。

最後にもう一度言います。回復こそが成長であり、モア・イズ・ベターではありません。



  • ■究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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