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無性にコレが食べたい!食物渇望を倒す戦略①

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掲載日:2021.10.03
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
今回のテーマは、「無性にコレが食べたい!食物渇望を倒す戦略」です。
無性に甘い物がが食べたい!無性に塩っからい物が食べたい!無性にカレー屋CoCo壱の1300gカレーを20分以内に食べたい!(今はやっておりません、私が学生の頃20年前はやっていました。20分以内に食べると無料になりましたw)
お腹がいっぱいでカロリーが足りてるのに、特定の食品を無性に食べたい!と食欲がコントロールできていない時は「栄養不足の食物渇望」になっています。
衝動に任せて余計なカロリーを摂らない為にも、本来不足している栄養素を知り、摂り、食物の渇望を制御しましょう。

食欲を司る視床下部

食欲は脳の視床下部の摂食中枢が司ってます。
ちなみに視床下部は、食欲以外にも、性欲、体温調節、血圧調節を管理する、自律神経の総本山とも言われる高次中枢です。視床下部に大きなストレスがかかると、摂食中枢の働きも悪くなります。非常に大事なので、医療系の国家試験ではよく出るので、私も語呂で「師匠の食欲抑制、体温ケツで自立」と覚えました。

食欲が増す4つのきっかけ

食欲が増してしまうきっかけを大きく四つあげます。

①飢餓状態
これは血糖値が下がってる時、胃、腸管内が空っぽの時に、空腹ホルモンが上昇し食欲が増します。所謂シンプルなカロリー不足、栄養不足です。

②大脳皮質
感覚器、嗅覚、視覚、聴覚が反応して食欲が増します。
これは美味しいCMを観たり聴いたり、美味しいお店の前を通った時に匂いを嗅いだりなど、大脳皮質の感覚器が反応し、嗅ぐ、視る、聴くことで食欲が増し、食べたくなってしまいます。

③脳内物質
ドーパミン、オレキシンなどの脳内物質、膵臓ホルモンのインスリン食欲を増進させます。
特に快楽物質のドーパミンは、食べることによっても出ます。本来ドーパミンは達成感を得られた時に出るのが、自然な分泌反応ですが、食べることによって簡単にドーパミンの快楽を得ようとしてしまうので、度が過ぎるとカロリー過多になるので、そこは抑えたいところです。
④肥満によるレプチン抵抗性からの過食
これはまず食欲系ホルモンで、レプチンとグレリンがあります。レプチンは、食欲を抑制するホルモンで、基本的に食事をしたあとに脂肪細胞から分泌します。
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こちらの①の図のように、レプチンが脳の視床下部にある満腹中枢の受容体を刺激し、満腹感を感じます。
猫ちゃんもお腹いっぱいだ!ニャーと食べるのを止めます。
ちなみにレプチンは、脂肪細胞が多い人・体脂肪が多い人ほど、レプチンは多く分泌されます。
グレリンは、食欲を増進するホルモンです。胃から分泌されるホルモンで、本来は空腹で体内のエネルギーが不足しがちなときに、食べなさいと分泌されます。
腹がいっぱいの時レプチン、腹減った時グレリンなんです。
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そしてこちらの②番のように、体脂肪が多い状態が続くと、レプチンの受容体感受性が低下し、満腹だよ!という指令に反応しにくくなります。✖️になってて、レプチンが届きません。これを「レプチン抵抗性」と言います。かくして、満腹中枢はいつまでも満足せず、「足りない、もっと食べる」と食べ続けてさらに体脂肪が増えるという悪循環に陥ってしまいます。

食欲が増すきっかけを抑える4つの方法

それでは4つの食欲が増すきっかけを抑える方法を順番に紹介します。

①不足している栄養素の補給
今回のメインテーマです。七大栄養素を見直し、不足している栄養素を補う必要があります。後で個別に対策を紹介します。

②物理的排除
これは食欲を刺激する物を側に置かないようにします。排除します!家にお菓子やデザートがストックしてあるから食べてしまうのです。またダイエット中は、CMや広告などの美味しい宣伝は、食欲を増してしまいますので、遠ざけるようにします。
物理的排除の論理の三原則、買わない、見ない、触らない!買わない、見ない、触らないです。

③ストレス対処能力アップする
食べること以外のストレス解消を身につけます。食べる事を忘れるくらい没頭できる趣味を見つけましょう!そしてその趣味でドーパミンを分泌できるようにしましょう。
あと寝ることも大事です。睡眠は自律神経を整えて、日内周期を安定させ、視床下部の働きを正常にします。

④体脂肪を落として、高脂肪食を止める
これはシンプルに体脂肪が多い場合はダイエットすることです。肥満が続くとレプチン感受性が低下しているので、正常にレプチンが働くように、体脂肪を落としてリーンな(無駄のない)食生活に努めましょう。
そしてここでも寝ることは大事です。睡眠欲が満たされると、身体の疲労も取れて食欲が安定します。

無性に甘い物が食べたい時は?

今回の本題の栄養不足の食物渇望ですが、甘い物が無性に食べたいという時は、甘い物ではなく、タンパク質が不足していることが多いです。
タンパク質の中でも必須アミノ酸のトリプトファン、他にはミネラルのクロム、炭素、リン、硫黄です。
タンパク質が不足し、必須アミノ酸のトリプトファンが不足すると、セロトニンという脳内物質の精製も鈍るので、体は糖度の高いものを欲するのです。またミネラルのクロムは、白米、白パンなどの精製された炭水化物を摂り過ぎると、クロムが不足してしまい、身体がミネラルを渇望して甘い物が食べたくなります。
そこで甘い物でなく食べるべき食品は、タンパク質の中でも牛肉、魚、チーズです。そして玄米、全粒パン、全粒パスタなどの未精製食品でクロムを取り、果物、アブラナ科の野菜(キャベツ、白菜、カリフラワー)などめ各種ミネラルを補給します。
こうすれば甘い物が無性に食べたくなる事がなくなります!

まとめ

「食欲」を客観視できるようにし、栄養不足の食物渇望に陥っていないか注意しましょう。
次回は無性に〇〇が食べたい!を更に深掘りして、様々な食物に対する欲求の対処法を紹介します。

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  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝