第1回グアム親善ボディビル選手権出場手記
相川浩一総合優勝!
グアム親善大会参戦記
[ 月刊ボディビルディング 2013年3月号 ]
掲載日:2017.07.30
11月8日、午前9時時ちょうど、成田空港第1旅客ターミナル出発ロビー。23㎏上限ギリギリのスーツケースを持って、何とか到着しました。自分にとって、9回目の国際大会。これまで実にいろいろなことがありました。
ドイツワールドゲームズでは、世界チャンピオンのエジプト人から、ポイントを奪ったこともありました。ドーハでは、ドーハの悲劇ばりに惨敗したこともありました。その多くに反省する点がありました。朝出発して、1時間以内で着く大会ですら、気を遣う調整なのに、大荷物で、時差を超え、数日間の泊まりとなれば、当たり前と言えば、当たり前に準備は難しいものです。ましてや、到着時、80㎏級のリミットを約2㎏オーバーしている自分は、まずは検量をパスし、無事にステージに立つことが最初の戦いとなります。いかにダメージ少なくパスし、いかに上手くアップするかが、国際大会では問われていることを、今までの経験から感じていました。体重計を持参して正解でした。現地は、ポンド表示でしたから。
さて、時差はたった1時間、約3時間半でグアムに到着です。ちょっと、照れ臭くもありがたいミスグアムのお出迎えです。非常に暑く、まだ夏と言った感じです。正直、日本でのラスト2週間は、急に寒くなってきて、調整はやりづらかったです。何より1人、夏をばく進中の風体は、グアムの地に入り、初めて違和感なく、融合したのでした。現地の人に「俺の友達に似てるよ!」なんて、声を掛けられ、既に名実ともに国境を超えた趣です。
木曜日に着き、金曜日の3時からの検量に備えます。金曜日は、朝から、何度かの入浴で体重を落とします。ところが、部屋のバスタブは扉の通気が良いのでいつもタオルで目貼りをし、スチームサウナのようにするのですが、それが出来ません。快適過ぎて心配しましたが、繰り返し入るうちに何とか落とせました。そうなると早く体重計に乗りたい! となるのでした。車で移動し、検量場へ。174.8ポンド。無事にパスしました。ここからは、リカバリーです。
大会会場は、ホテル内の大ホールでした。全てにおいて今年やってきた方法で、いつも通りを心がけ、多少のアクシデントでも気にせずに、を意識しました。実際、午前のプレジャッジでは先に開催されていたグアム選手権で、ウェルター級が普通にあったので、そのつもりでいると、ライト級が終わるとすぐにミドル級でした。もっとパンプアップもしたかったのですが、カーボアップを問題なくしていたので、無理やり張らせなくても、すでに張っていました。落ち着いてラインナップできました。眩しく熱いステージに、妙に落ち着いて立つことが出来ました。何より、日本から応援に来ていただいた観戦ツアーの方々の存在が心強かったです。前列の日本人の方々にポーズをとっていたという感じでした。
比較は、たった2回で終わりましたが、国際大会では、いつも感じることですが、リラックスポーズをしっかり何度もとらせます。最後は、中央に呼ばれて終わりました。とにかく、プレジャッジが終わったという思いで、バックステージに帰ると、1人の黒人選手が、「You win!」と声を掛けてくれました。ここまでで、昨日からの調整の疲れがドッとでてきました。
ナイトショーまでは、5時間もあります。宿泊先のレオパレスリゾートホテルには立派なジムはもとより、陸上トラック、競泳プール、野球場まで、広い敷地に完備されており、野球場を覗くと、試合をしており、疲れに任せてボーッと見ていると、ボディビルダーかと、話しかけられました。グアムの人々は、一様に鍛え、挑む、ボディビルダーを尊敬してくれていました。自分的には、頬は削げ落ち、色は尋常じゃなく黒くて、ツッコミどころ満載だなー、といつも思うのですが、こちらでは、トレーニングをしていない人でも、関心を持ち、尊敬してくれている感じで居心地が良かったです。
カーボを摂りすぎると起きられないほど、疲れが溜まっているのは、わかっていたので、部屋に帰り、ベランダでグアムの大自然を眺めながら、長く、いろいろあった一年を考えていました。1人では、絶対にここまで来られなかったと改めて思うのでした。目の前のヤシの木から、遥か向こうまで、赤土とジャングル、漆黒の海。
ナイトショーが始まりました。ホテル内が会場なので、移動が非常に楽です。会場内では、アルコールが売られており、バンド演奏が始まり、着飾ったお客さんもちらほら見えてくるうちに、いつの間にか満席で、たくさんの立ち見客の状態となりました。
良い選手やポーズには、物凄い盛り上りです。これだけでも、感動的でした。女子のフィギュア、ボディビルも多くの選手を集め、非常に華やかです。1分30秒のフリーポーズは、落ち着いてとれ、ゲストポーズのような盛り上りで、観客と一体感を感じられる充実した時間でした。 短いポーズダウンの後、3位から順位発表です。プロポーション抜群の黒人選手が3位に呼ばれて、優勝を強く意識しました。自分のゼッケン42番が優勝でコールされました。久しぶりの感覚でした。正直、もう充分満足で、オーバーオールがあることを知らされたときも、終わりにしたかったくらいでした。
最後は、プレジャッジのバックステージから、目に留まった白人選手と一騎討ちでした。全体像として、観られるのは、ジャッジと観客だけで、果たしてどうなのか、よくわからないうちに、比較から、ポーズダウンまで終わりました。正直、ミドル級優勝で、充分満足していましたから、ガチガチになって、オーバーオールの発表を待つことなく、心地よい緊張感でコールを観客とともに待ちます。
「2012Guam International Bodybuilding Championship Men's Overall Champion…#42Koichi Aikawa!」
ご尽力下さった日本、グアムの関係者の皆様、最後まで応援いただいた観客の皆様、その歓喜にみんなの勝利だと心から思いました。自分にとっては、オーバーオールは、予想外のサプライズでしたが、初めて会った人々の中、今までやってきたことに自信が持てる出来事でした。半面、この瞬間を迎えられた理由として、多くの方々からの無償の愛があったことを深く感じていました。とっくに折れていた心をどれだけの人に前進させていただいただろう。戦うライバルにすら、励まされる始末の自分に、人の優しさだけが滲みる勝利でした。
「アーノルドで会おう!」
「また、来年、エントリーしろ!」
なんて言ってもらいながら、夏景色のグアムを後にしたのでした。
関係し、尽力下さった全ての皆様に心から感謝申し上げます。言葉だけでは足りない思いを言葉に詰め込んで…ありがとうございます。
ドイツワールドゲームズでは、世界チャンピオンのエジプト人から、ポイントを奪ったこともありました。ドーハでは、ドーハの悲劇ばりに惨敗したこともありました。その多くに反省する点がありました。朝出発して、1時間以内で着く大会ですら、気を遣う調整なのに、大荷物で、時差を超え、数日間の泊まりとなれば、当たり前と言えば、当たり前に準備は難しいものです。ましてや、到着時、80㎏級のリミットを約2㎏オーバーしている自分は、まずは検量をパスし、無事にステージに立つことが最初の戦いとなります。いかにダメージ少なくパスし、いかに上手くアップするかが、国際大会では問われていることを、今までの経験から感じていました。体重計を持参して正解でした。現地は、ポンド表示でしたから。
さて、時差はたった1時間、約3時間半でグアムに到着です。ちょっと、照れ臭くもありがたいミスグアムのお出迎えです。非常に暑く、まだ夏と言った感じです。正直、日本でのラスト2週間は、急に寒くなってきて、調整はやりづらかったです。何より1人、夏をばく進中の風体は、グアムの地に入り、初めて違和感なく、融合したのでした。現地の人に「俺の友達に似てるよ!」なんて、声を掛けられ、既に名実ともに国境を超えた趣です。
木曜日に着き、金曜日の3時からの検量に備えます。金曜日は、朝から、何度かの入浴で体重を落とします。ところが、部屋のバスタブは扉の通気が良いのでいつもタオルで目貼りをし、スチームサウナのようにするのですが、それが出来ません。快適過ぎて心配しましたが、繰り返し入るうちに何とか落とせました。そうなると早く体重計に乗りたい! となるのでした。車で移動し、検量場へ。174.8ポンド。無事にパスしました。ここからは、リカバリーです。
大会会場は、ホテル内の大ホールでした。全てにおいて今年やってきた方法で、いつも通りを心がけ、多少のアクシデントでも気にせずに、を意識しました。実際、午前のプレジャッジでは先に開催されていたグアム選手権で、ウェルター級が普通にあったので、そのつもりでいると、ライト級が終わるとすぐにミドル級でした。もっとパンプアップもしたかったのですが、カーボアップを問題なくしていたので、無理やり張らせなくても、すでに張っていました。落ち着いてラインナップできました。眩しく熱いステージに、妙に落ち着いて立つことが出来ました。何より、日本から応援に来ていただいた観戦ツアーの方々の存在が心強かったです。前列の日本人の方々にポーズをとっていたという感じでした。
比較は、たった2回で終わりましたが、国際大会では、いつも感じることですが、リラックスポーズをしっかり何度もとらせます。最後は、中央に呼ばれて終わりました。とにかく、プレジャッジが終わったという思いで、バックステージに帰ると、1人の黒人選手が、「You win!」と声を掛けてくれました。ここまでで、昨日からの調整の疲れがドッとでてきました。
ナイトショーまでは、5時間もあります。宿泊先のレオパレスリゾートホテルには立派なジムはもとより、陸上トラック、競泳プール、野球場まで、広い敷地に完備されており、野球場を覗くと、試合をしており、疲れに任せてボーッと見ていると、ボディビルダーかと、話しかけられました。グアムの人々は、一様に鍛え、挑む、ボディビルダーを尊敬してくれていました。自分的には、頬は削げ落ち、色は尋常じゃなく黒くて、ツッコミどころ満載だなー、といつも思うのですが、こちらでは、トレーニングをしていない人でも、関心を持ち、尊敬してくれている感じで居心地が良かったです。
カーボを摂りすぎると起きられないほど、疲れが溜まっているのは、わかっていたので、部屋に帰り、ベランダでグアムの大自然を眺めながら、長く、いろいろあった一年を考えていました。1人では、絶対にここまで来られなかったと改めて思うのでした。目の前のヤシの木から、遥か向こうまで、赤土とジャングル、漆黒の海。
ナイトショーが始まりました。ホテル内が会場なので、移動が非常に楽です。会場内では、アルコールが売られており、バンド演奏が始まり、着飾ったお客さんもちらほら見えてくるうちに、いつの間にか満席で、たくさんの立ち見客の状態となりました。
良い選手やポーズには、物凄い盛り上りです。これだけでも、感動的でした。女子のフィギュア、ボディビルも多くの選手を集め、非常に華やかです。1分30秒のフリーポーズは、落ち着いてとれ、ゲストポーズのような盛り上りで、観客と一体感を感じられる充実した時間でした。 短いポーズダウンの後、3位から順位発表です。プロポーション抜群の黒人選手が3位に呼ばれて、優勝を強く意識しました。自分のゼッケン42番が優勝でコールされました。久しぶりの感覚でした。正直、もう充分満足で、オーバーオールがあることを知らされたときも、終わりにしたかったくらいでした。
最後は、プレジャッジのバックステージから、目に留まった白人選手と一騎討ちでした。全体像として、観られるのは、ジャッジと観客だけで、果たしてどうなのか、よくわからないうちに、比較から、ポーズダウンまで終わりました。正直、ミドル級優勝で、充分満足していましたから、ガチガチになって、オーバーオールの発表を待つことなく、心地よい緊張感でコールを観客とともに待ちます。
「2012Guam International Bodybuilding Championship Men's Overall Champion…#42Koichi Aikawa!」
ご尽力下さった日本、グアムの関係者の皆様、最後まで応援いただいた観客の皆様、その歓喜にみんなの勝利だと心から思いました。自分にとっては、オーバーオールは、予想外のサプライズでしたが、初めて会った人々の中、今までやってきたことに自信が持てる出来事でした。半面、この瞬間を迎えられた理由として、多くの方々からの無償の愛があったことを深く感じていました。とっくに折れていた心をどれだけの人に前進させていただいただろう。戦うライバルにすら、励まされる始末の自分に、人の優しさだけが滲みる勝利でした。
「アーノルドで会おう!」
「また、来年、エントリーしろ!」
なんて言ってもらいながら、夏景色のグアムを後にしたのでした。
関係し、尽力下さった全ての皆様に心から感謝申し上げます。言葉だけでは足りない思いを言葉に詰め込んで…ありがとうございます。
オーバーオール優勝トロフィー
ゲストの山岸プロ
大会翌日に一緒に参加した太田選手と
グアム空港でグアム政府観光局、グアムボディビル協会、ミスワールド2012 グアムに歓待されるJBBF 選手団と観戦ツアー一行
プレスカンファレンス。スピーチしているのはグアム連盟会長
ミスグアム2012 に祝福される相川選手。右はアニキ吉田
ホテル内にあるトレーニングジム
大会会場及び選手団のホテルとなったレオパレスリゾート
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