第45回日本社会人ボディビル選手権~9月4日(日)きゅりあん大ホール~
[ 月刊ボディビルディング 2011年12月号 ]
掲載日:2017.05.08
男子一般の部
昨年一般の部で城間明と激しく優勝争いを演じた長田洋一が、念願のてっぺんを射止めるかが注目された社会人一般の部であったが、どっこいとんでもない強敵が立ちはだかった。かつて、日本選手権でも上位で活躍し、この社会人でも1986年、1994年と2度の優勝経験を持つ新井弘道と、やはり1989年に優勝経験があり、一昨年に長年の沈黙を破りコンテストにカムバック、その後、年々かつてのポテンシャルを取り戻しつつある超バルク派の渡辺茂だ。
長田はスケール感、全身の仕上がりの厳しさ、肌の焼きこみ、ポージングといい申し分がないのだが、今回は相手が悪すぎた。新井は53歳だが、かつての日本選手権ファイナリスト時からいささかの衰えも感じさせない筋量と完成度を維持しており、肌の色は白いが大胸筋、大腿四頭筋にアーチ型のストリエーションを浮かばせる、その仕上がりにもいささかの妥協も感じさせない。同じく53歳の渡辺もカムバック後、年々、その筋量と密度、仕上がりとも全盛時に戻しつつある。総合力で上回る新井が貫禄の優勝、バルクの渡辺が準優勝にそれぞれ輝いた。3位には予選比較審査では長田と同点で並走していた桃沢裕二が、決勝のフリーでリードし滑り込んだ。長田もフリーを得意とする選手だけに残念な結果となった。
長田はスケール感、全身の仕上がりの厳しさ、肌の焼きこみ、ポージングといい申し分がないのだが、今回は相手が悪すぎた。新井は53歳だが、かつての日本選手権ファイナリスト時からいささかの衰えも感じさせない筋量と完成度を維持しており、肌の色は白いが大胸筋、大腿四頭筋にアーチ型のストリエーションを浮かばせる、その仕上がりにもいささかの妥協も感じさせない。同じく53歳の渡辺もカムバック後、年々、その筋量と密度、仕上がりとも全盛時に戻しつつある。総合力で上回る新井が貫禄の優勝、バルクの渡辺が準優勝にそれぞれ輝いた。3位には予選比較審査では長田と同点で並走していた桃沢裕二が、決勝のフリーでリードし滑り込んだ。長田もフリーを得意とする選手だけに残念な結果となった。
優勝■新井弘道
左より2位■渡辺茂/3位■桃沢裕二/4位■長田洋一
左より5位■田代圭/6位■加藤充/7位■高橋幸男
左より8位■丹羽真一/9位■久保田宏之/10位■石津永司
左より桃沢、新井、渡辺、長田
左より加藤、久保田、石津
左より高橋、丹羽、田代、加藤
左より高橋、丹羽、田代、加藤
マスターズ65才の部
昨年までは、マスターズの歴史とも言える登坂勉76歳とそのライバル木村博男74歳の一騎討ちの場であったこのカテゴリーに、60歳の部で磐石の強みを見せて連覇を続ける井原茂が65歳になり上がってきた。優勝争いという面では実力+年齢差のある井原が加わったことで面白みがなくなったが、それでも年齢差をものともせず木村はカットで、登坂はワイドなアウトラインで立ち向かった。
結果は井原の優勝となったが、実際に木村に1位をつけた審査員がいたほど、その全身にほとばしる切れ味するどいカットは存在感を持っていた。また登坂のバックショットは迫力満点であった。
結果は井原の優勝となったが、実際に木村に1位をつけた審査員がいたほど、その全身にほとばしる切れ味するどいカットは存在感を持っていた。また登坂のバックショットは迫力満点であった。
65才の部優勝■井原茂
マスターズ65才の部比較。左より井原、吉田、木村、登坂
マスターズ60才の部
このクラスの絶対王者、井原茂が抜けたあとの優勝争いは、東京マスターズで優勝している石津永司と、50歳クラスから上がってきた松山茂の対決となった。
スケールが大きく仕上がりも良い松山だが、スケールが大きいだけにフレームに比してのバルクが不足しているように見える。対する石津は筋肉の作り出すラインが丸みを帯び、このクラスの選手としては下半身の筋量が豊かでこれと言った弱点が見当たらない。60歳になったばかりなので井原同様、このクラスでの今後の連覇に期待がかかる。
スケールが大きく仕上がりも良い松山だが、スケールが大きいだけにフレームに比してのバルクが不足しているように見える。対する石津は筋肉の作り出すラインが丸みを帯び、このクラスの選手としては下半身の筋量が豊かでこれと言った弱点が見当たらない。60歳になったばかりなので井原同様、このクラスでの今後の連覇に期待がかかる。
60才の部優勝■石津永司
マスターズ60才の部比較。左より松山、石津、福島、中谷
マスターズ50才の部
このクラスでは、昨年2位のバルクの渡辺茂が飛び出し、カットの稲益稔、バランスのよい体をした矢崎丹堂、辺見不二男が追うという形で争われたが、バルクの差はいかんともしがたく、渡辺の優勝が決まった。
50才の部優勝■渡辺茂
マスターズ50才の部比較。左より稲益、渡辺、辺見、矢崎
マスターズ40才の部
一昨年優勝しながら、昨年、城間明、登坂文朗に敗れ3位に終わった丹羽真一が、カットバリバリの小島正裕、昨年2位の登坂文朗を破り、リベンジをはたした。しかし、丹羽はフレームに一杯詰まった完成度では群を抜いていたものの、決して万全のコンディションとは言えず、予選審査では小島と同点、決勝審査でかろうじて振り切ったという僅差での勝利であった。
40才の部優勝■丹羽真一
マスターズ40才の部比較。左より丹羽、吉田、登坂、小島
- text:
- Toshiyuki Yoshiga
[ 月刊ボディビルディング 2011年12月号 ]