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2016 大阪男子ボディビル&女子フィジーク選手権 ベテラン奥村、急成長川辺を抑えてV2

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レポート/大阪ボディビル・フィットネス連盟・吉川雄士 写真/Ben[ 月刊ボディビルディング 2016年11月号 ]
掲載日:2017.07.25
女子優勝 新開由佳(マグナムFC)/男子優勝 奥村武司(B&F)

女子優勝 新開由佳(マグナムFC)/男子優勝 奥村武司(B&F)

8月21日(日)エルおおさか


おそらくこのメンバーからは今年も出ないであろう、日本選手権への決勝進出者のことである。そんな50回の記念大会を迎えた今回、不幸にもその予想は的中しているように思われる。それは古き良き時代を知る私にとっては残念でならない。大阪の優勝者が日本選手権で以前ほど活躍できなくなってきているという事実にも、誰もが疑念をいだかなくなっている昨今、そんなことが当たり前になってきているような気がしてならない。

川辺、奥村、杉田、酒井、佐藤、これが1回目のコールである。ここに2回目のコールで田中、岸岡が加わった。これが今年の大阪選手権の図式であり、この中から優勝者が出るのはまず間違いがない。

結果、奥村武司の優勝であった、いや優勝してしまった……。と、いうより他の連中が負けてしまったという表現がこのさい適切であろうか。奥村はそのすべてにおいて、ほぼ完璧に近かった。相変わらずのその重量感たっぷりのボデイは、56才となった今回もやはり健在であり、そしてそれを際立たせる厳しい仕上がり、全国レベルでの活躍も目覚ましいその奥村の優勝には異論はないものの、しかし10年ほど前の彼の全盛期ではないことだけは確かである。肌の張り、特にミッドセクション、いわゆる腹まわりには“ゆるみ”が見てとれる。マスターズにおいては秀逸な体も大阪のオーバーオールではそれは許されない。ここは負けた連中を責めるより、勝った奥村の日頃の努力精進には“あっぱれ”を少し多い目に進呈しておきたい。
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男子4位 酒井隆典(B&F)/男子3位 佐藤弘人(Muscle & Beauty)/男子2位 川辺 仁(マグナムFC)

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ファーストコール、左より江川、松尾、嶋田、玉井、金井

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男子8位 奥中裕也(KING GYM)/男子7位 田中良一(B&F)/男子6位 岸岡智久(ソティック)/男子5位 杉田智哉(Plus One)


惜しかったのは2位の川辺仁であろうか、決勝ラウンドに限っては小差逆転している。この数年の彼の成長には目を見張るものがあり、こぼれ落ちんばかりのバルクでモコモコであった。いつしかジャイアントキラーとなるべく、日夜ストイックに地道な努力を重ねているであろうことが、そのステージからひしひしと伝わってくる。王者鈴木雅の横に(比較で)立てるなら、果たしてどうなる。その日本選手権は今年は大阪、彼の予定はわからないが大阪の刺客として多いに推薦したいものである。

3位には佐藤弘人、この数年、優勝のコールを受けても決しておかしくはないレベルにある。が、しかしなぜかその評価は今年も低かった。特にメンバー中随一のその焼き込みの丹念さには、大阪戴冠にかけた執念が痛いほどに伝わってくる。高身長をカバーすべくポージングもよく研究されており、毎回観る者を決して裏切ることのない仕上がりの良さと相まって、彼の大阪戴冠は時間の問題、次回の楽しみとしておきたい。

4位にはその佐藤にわずか一点差と際どく詰め寄っているのが、先の大阪マスターズで角田信朗と接戦を演じた酒井隆典であった。来年度はマスターズに関しては60才以上級への出場も可能の、なんと59才。この日の仕上がりも文句なし、特にそのディフニションの素晴らしさには定評があり、もちろん今回も際立っている。そしてなんといっても彼の“財産”であるアウトラインの素晴らしさは絶品、細いウエストラインはまさに若者の“それ”を思わせている。今後は彼が日本のマスターズ界を、当地の古豪中野博之らとともに牽引してゆく、そんな存在になってもらいたいものである。

この三年で急成長したのが杉田智也、前回の予選落ちから大きく順位をあげている。「ミスター大阪という響きはいいですねえ」といったあの時(本誌の取材)の杉田の言葉が今も私は忘れられない。2位票や3位票もまじり、随所にポテンシャルの良さを垣間みせてはいるものの、サイドやバックはまだまだ薄く物足りなく、仕上がりが良かっただけに、やはり基本的な筋量アップ、特に体の厚みを増すトレーニングは必要であろうと思われる。

6位の岸岡智久、おそらく彼にすれば過去最高といえる仕上がりではなかったか。筋量
も大阪選手権においては存分であり、その迫力たるや相当なもの。しかしハムストリングスをはじめバックには、改善されつつあるとはいえまだわずかながらの不満も残している。よって今回の6位という評価は致し方のないところか。
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男子12位 吉村雅成/男子11位 泉 昌弘(B&F)/男子10位 大原健吾(マグナムFC)/男子9位 吉川幸男(ソティック)
左より川辺、奥村、岸岡、佐藤、田中

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左より大原、奥中、岸岡、田中、泉

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左より吉村、奥中、泉、大原


以下は誌面の都合上順位だけの報告にとどめたい。7位田中良一、8位奥中裕也、9位吉川幸男、10位大原健吾、11位泉昌弘、12位吉村雅成と続いている。以上の12名が今年度の大阪選手権のファィナリスト(決勝進出者)である。

尚、詳しく報告はできなかったが、9位の吉川幸男にこのあと一気に頂点まで駆け上りそうな気配が感じられたこともつけくわえておきたい。
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女子4位 住吉美華(B&F)/女子3位 正井梨佐(ソティック)/女子2位 海老原久美
左より正井、海老原、住吉、新開


女子フジィークは、ボデイビル実績のある新開由香が順当に優勝している。しかし彼女のその本当の評価は、10月の日本選手権に委ねなければならないであろう。2位に海老原久美、3位正井梨佐、4位に住吉美華と続いている。
レポート/
大阪ボディビル・フィットネス連盟・吉川雄士

写真/
Ben
[ 月刊ボディビルディング 2016年11月号 ]

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