2013 大阪クラス別・マスターズ大阪・大阪ジュニアボディビル選手権
フライ級(60㎏以下)は初出場12名を含む29名の出場ラッシュとなった。優勝は予選ラウンドでやや票を失うも、終わってみれば8ポイントの差をつけた日下哲也が余裕の勝利。仕上がりも良くフロントでのリラックスポーズが目を惹きつける。特に欠点は見当たらずも、もうひと回りの厚みがほしいところ。スコア的には完敗も2位の徳山明夫(新人の部1位)の仕上がりも良かった、が、フライ級では168㎝とやや長身、さらなる〝高み〞を目指すなら、長身克服がこれからの彼の課題であろう。特筆はキャリア一年半で3位に食い込んだ、元レーサー(競輪)志望の恵口雅博(新人の部3位)である。さすがに下地は充分、脚部の充実がとりわけ素晴らしい。青汁のCMに推薦したいダンディな男、外有恒昭がクラス別(60㎏級)で4位に名を連ねているのは賞賛に値する。今後、彼が日本のマスターズを賑わすことを期待したいものである。外有に惜敗の5位の石田彰雄が、翌日次なる目標に合わせてトレーニングする姿を私は某ジムで確認している。外有ともども、張本氏(サンデージャポン)ばりに〝あっぱれ〞を進呈しておきたい。続いて中野和憲が少し水を開けられての6位。しかしこの日の出来からすれば巻き返しは可能である。
成長著しい井野川基知は16名出場のバンタム級(65㎏以下)を制覇。1年の充電で年期が必要とされる背面の充実は明らかであり、そのステージングに私は往年の名選手、ボブ・パリスを見た思いがした。彼がこれから関西のボディビル界を牽引してゆく若手の一人であることに間違いない。ハードな仕上がりを見せる吉田倫徳が2位。決勝ラウンドで井野川に予想外に水を開けられたのは残念であろう。今後の精進に期待したい。3位の田中義法はいわゆる〝きれいな〞ビルダーである。とりわけそのフロントでのリラックスポーズが素晴らしい。願わくはポージングに今少しの迫力が加わればスコアが伸びるのではと思われる。4位にはベテランの原裕幸。その仕上がり、そしてそのステージマナーともに今回も大阪ボディビル連盟の優等生であった。クラスを上げてきた一昨年のフライ級の覇者赤星健次郎が大差をつけられての5位。しかし頭を打っているわけにはいかない。このクラスも突破できるものと信じたい。6位の場谷繁樹、〝小粒〞ではあるが闘志溢れるステージングには好感が持てる。 期待通り〝ふた皮〞剥けて見事に大化けした杉田智哉がライト級(70㎏以下)をほぼフルマークで制圧。さらなる成長で関西も制圧できるのか、井野川ともども伸びしろ充分な関西期待の若手である。これに続いたのが昨年のバンタムの覇者坂口俊司である。クラスを上げての2位は立派であろう。今回強調したいのは杉田がいなければ優勝も、と思われた金田豊和に競り勝ったことである。ここにも張本氏流に〝あっぱれ〞を進呈しておきたい。競り負けた3位のその金田、レベルの高いマスターズ40を制しているだけに残念である。来年は素晴らしいポージングにも益々磨きをかけて雪辱を期待したい。2位票もあった城野恒嘉が4位、5位に樋上耕平、6位に井上英治(新人の部2位)と続いた。
ミドル級(75㎏以下)はどうなのか。フライ、バンタムに続き3階級制覇を狙う道田泰三は仕上がりに手抜かりはない。しかしここまで上がるとさすがに苦しかったか。3位ではあったがこれは大健闘とお伝えしておきたい。ちなみに道田の身長は、〝怪物〞山崎岳志と同じ160㎝である。ラインナップ時からひと際目だっていた西村拓史のバルクの豊富さは衆目の一致するところ。仕上がりも良くその優勝に異論はない。が、この重いクラスを制した今、今後彼は好むと好まざるにかかわらず大阪クラス別なら目玉になるべき存在だ。今のままでは関西では戦えない、と憎まれても〝辛口〞も呈しておきたい。サイドチェストでは胸筋がはみ出すほどに強烈な印象を与えてくれた2位の田中良一ともども、今後さらなる精進を重ねて飛躍を期待したいものである。4位はベテラン泉昌弘、5位に吉村雅成、6位に大崎徳と続いた。
ライトヘビー級(75㎏超)は福井豊が少し抜けた結果となったが、メンバー的にここは恵まれたといえる。フロントで見せる恵まれた非凡な脚部や、スケールの大きな胸郭は素晴らしい。が、しかしまだまだ甘さも残し、改善の余地も多々見受けられる。将来を嘱望される〝逸材〞であり、あり余るバルクを生かすも殺すも彼の精進次第である。8月の大阪オーバーオールは予定になく(本人談)、楽しみは来年以降にとっておきたい。大差がついたが2位には吉田朋文が辛うじて3位堀本淳治の追撃を振り切っている。堀本のクセのあるポージング、そして目線が下方になるのは気になる。これらを改善すればこのクラスの優勝も夢ではなかろう。続く4位に兼子史郎、5位中西正樹、6位橋本治樹であった。以上このクラス、2位以下はかなりの接戦であったことをお伝えしておきたい。
男子60 ㎏級
優勝 日下哲也(PLUS ONE)
2位 徳山明夫(マグナム)
3位 恵口雅博(FLEX)
4位 外有恒昭(ZIP)
5位 石田彰雄(ジャングルGS)
6位 中野和憲(ZIP)
左より細田、石田、日下、恵口、外有
男子65 ㎏級
優勝 井野川基知(B&F)
2位 吉田倫徳(マグナム)
3位 田中義法(SCトライ)
4位 原 裕幸(岸和田TC)
5位 赤星健次郎(PLUS ONE)
6位 場谷繁樹(ジャングルGS)
左より田中、井野川、吉田、原
男子70 ㎏級
優勝 杉田智哉(PLUS ONE)
2位 坂口俊司(PLUS ONE)
3位 金田豊和(B&F)
4位 城野恒嘉(ソティック)
5位 樋上耕平(マグナム)
6位 井上英治(マグナム)
左より坂口、杉田、金田、井上
男子75kg 級
優勝 西村拓史(B&F)
2位 田中良一(B&F)
3位 道田泰三(ジャングルGS)
4位 泉 昌弘(B&F)
5位 吉村雅成(SCトライ)
6位 大崎 徳(SCトライ)
左より森本、吉村、新居、西村、道田
男子+75kg 級
優勝 福井 豊(ジャングルGS)
2位 吉田朋文(SCトライ)
3位 堀本淳治(マグナム)
4位 兼子史郎(ZIP)
5位 中西正樹(マグナム)
6位 橋本治樹(マグナム)
左より兼子、吉田、中西、橋本、福井
マスターズ40 以上
優勝 金田豊和(B&F)
2位 兼子史郎(ZIP)
3位 樋上耕平(マグナム)
4位 大崎 徳(SCトライ)
5位 吉村雅成(SCトライ)
6位 中村大希(ジャングルGS)
左より金田、兼子、赤星、中野、樋上
マスターズ50 以上
優勝 原 裕幸(岸和田TC)
2位 堀本淳治(マグナム)
3位 桝富正紀(B&F)
4位 妙瀬田安通(マグナム)
5位 南 勝美(M&B)
6位 飯田彰彦(マグナム)
左より宇治澤、飯田、岩下、桝富、原
マスターズ60 以上
優勝 佐竹次郎(B&F)
2位 銭 安武(マグナム)
3位 外有恒昭(ZIP)
4位 宮越康裕(SCトライ)
5位 秦 興司(ソティック)
銭(左)と佐竹
マスターズ65 以上
優勝 中野博之(マグナム)
2位 細田一仁(ジャングルGS)
3位 酒井 仁(B&F)
左より中野、細田、酒井、中村
ジュニア
1位 森井 翼(マグナム)
2位 吉本 礼(B&F)
写真提供/大阪ボディビル連盟
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