フィジーク・オンライン

2013 TOKYO WEIGHT CATEGORY Winner Interview 加賀義和

この記事をシェアする

0
[ 月刊ボディビルディング 2013年12月号 ]
掲載日:2017.08.22

2013東京クラス別ボディビル70㎏級優勝
加賀義和

記事画像1
かが・よしかず/1972年10 月13 日生まれ/千葉県出身/職業:インストラクター
/トレーニング歴10 年/身長:164㎝/体重:68・5㎏(オン)、79・5㎏(オフ)
/所属:ゴールジムイースト東京

体づくりで大切なのは小さなことの積み重ね

――昨年の東京オープンで加賀選手が出てきたときの、あの驚きの歓声は忘れられません。まさに衝撃的なデビューでしたね。
加賀 正直自分でも驚きました、意外に反響が大きくて。自分ではそんなにすごい体だとはまったく思っておらず、あれだけ評価していただけるとは思ってもいませんでした。
――昨年それからは関東クラス別優勝、東京クラス別は僅差の2位。しかし日本クラス別は予選落ちでしたが。
加賀 勢いに乗って日本クラス別にもチャレンジしたのですが、長い間のダイエットで最後は疲れ切ってしまったという感じでしょうか。
――最後は残念な結果に終わりましたが、ステージ上ではとてもコンテスト初挑戦とは思えない堂々たる姿でした。トレーニングは長年やっていたと思いますが、なぜコンテストに出ようと思われたのですか。
加賀 トレーニングは10年ほどやっており、コンテストにはいつか機会があれば出てみたいという漠然とした思いはありました。あるときステージに立った自分はどう映るのだろうかと思うようになりました。失礼な言い方になってしまいますが、ジムで見るとすごくいい体だと思う人がステージに立つとそうでもなかったり、その逆もあると思います。では自分はどうなんだろうかと思うようになりました。それは実際ステージに立たないと分からないことだし、そう思った時期がたまたまトレーニングしやすい環境にあったので出場することに決めました。それで一昨年の12月頃から調整に入りました。
――今年は東京クラス別に焦点を合わせていたのでしょうか?
加賀 いいえ、最初は東京クラス別には出ず、ミスター東京だけチャレンジしようと考えていました。しかし次第に迷いが生じて、やはり東京クラス別のタイトルは獲りたいと。またいきなりミスター東京に出るよりは一戦はさんだほうが修正もできるのではないかと考え直しました。
――調整はいつ頃からでしたか。
加賀 東京クラス別の20週前ぐらい。最初は脂質を完全にカットし、夜は炭水化物をやめました。そうしたらみるみる体重が減り、1か月で4㎏落ちました。それからは炭水化物を調整し、2か月くらい前から有酸素も取り入れました。
――普段の食事内容はどのようなものですか?
加賀 アスパラガス、ブロッコリー、トリ胸肉200~250g、玄米160gを1食分として、ほぼ同じメニューの弁当を3、4個作ります。体重の変動や疲労の度合いに応じて炭水化物の量を加減します。疲れていると感じたら増やすとか。大会3、4日前に炭水化物をやめ、2日前ぐらいからカーボアップを始めます。肉はトリがメインですが、牛も1日1回は摂るように心がけています。
――昨年の経験から学んだことはありますか?
加賀 昨年は初めてのダイエットでしたから、炭水化物の量をどう調整したらよいか迷いながらでした。食べない日もあったり、1日1回だけとか。食べないと体にハリが出ずしぼんでいくだけで、筋量も減りました。食べられる限りはしっかり食べ、さらにたんぱく質も摂らなければならないことを学びました。
――ご自分では満足のいく仕上がりでしたでしょうか?
加賀 大会当日の朝食は牛肉と玄米を食べ、会場入りしてからはバナナ二房を少しずつ食べましたが、いい感じだと思いました。応援に来てくれた人も昨年よりいいと言ってくれましたし、あとでビデオを見ても昨年よりもサイズが残っていてハリもあり、やってきたことは間違ないと実感しました。堺部さんにお世話になっているのですが、その的確なアドバイスのおかげだと感謝しています。

オーバーオールでは新たな発見がある

――スポーツ歴を教えてください。
加賀 小学1年の頃から水泳をやっていて高校時代は水泳部がなかったので水球。県大会ベスト8くらいでしたね。高校卒業後は水泳のインストラクターをめざし、専門学校に行きました。専門学校時代にウエイトトレーニングの授業はありましたが、あまり興味はなかったです。しかし就職後、スポーツクラブの事業所に赴任した際、そこではトレーナーもやらなければならず、勉強のためにウエイトを始めたらハマってしまいました。
――ハマった理由はなんでしょうか?
加賀 そうですね、始めた頃は体重が55㎏だったのが、どんどん体重が増えていくにしたがい体も大きくなるのに締まっていくことがおもしろかったことでしょうか。
――話は変わりますが、トレーニングで心がけていることを教えてください。
加賀 コンテストに出場しようと思ったときから、基本的にはとくに用事がない限り休まないこと。体をつくるということは小さなことの積み重ねだと考えているからです。だから多少疲れていても毎日ウエイトに励みます。習慣づけしてしまえば苦にもならないし、やりすぎることもありません。
――内容はどのようなものですか?
加賀 背中、胸、脚は週2回、肩だけは週1回。月曜は背中の下部、火曜は肩、水曜はハムストリングスとカーフ、木曜は胸全体、金曜は背中の上部、土曜は脚の前、日曜は胸の上部という流れで、出勤前にやることが多いですね。
――今年ミスター東京に初チャレンジした感想をお聞かせください。
加賀 6位以内とファーストコールで呼ばれることを目標にしていました。2つともクリアする事ができたのでよかったのですが、やはり表彰台に立ちたかったという悔しさも……。少々生意気な言い方になりますが、これからもトレーニングをうまく積んでいければ勝負させて貰う事ができるのではないかという思いは抱きました。
――とくに改善したい箇所はありますか?
加賀 背中ですね。昨年までは肩甲骨を動かすことに意識が行きすぎていたり、重量にこだわり過ぎていました。それを今年は重量を下げて回数を増やしつつ筋肉に効かせることを意識してやったら、だいぶ良くなりました。今後はさらに工夫してサイズをあげて完成度を高めたいと思っています。
――めざす体と今後の目標について教えてください。
加賀 ボディビルは魅せる競技だと思いますので、バランスの良い均整のとれた体をつくっていきたいです。そのためにもオーバーオールでもまれながら、弱点を少しずつ克服していきたいと考えています。オーバーオールでは、クラス別では気づかない新たな発見あるからです。まずミスター東京に焦点を合わせつつ、日程や場所次第ですがジャパンオープンや日本クラス別にもチャレンジしていきたいです。
――来年はさらにパワーアップした加賀選手を見せてください。期待しています。
昨年の経験を活かした調整で雪辱を果たす

昨年の経験を活かした調整で雪辱を果たす

記事画像3
インタビュー/伊藤幸也
撮影協力:ゴールドジム幕張千葉ANNEX
[ 月刊ボディビルディング 2013年12月号 ]

Recommend