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【屈強インタビュー】♯3 芳賀セブン “過去の自分を越していくこと”

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掲載日:2020.12.23
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新宿二丁目最強バルクを誇り、2017年よりゲイと公表した芳賀セブン氏。
2013関東学生ボディビル新人賞、2014全日本学生ボディビル6位、2017/2018/2019年神奈川県ノーギアパワーリフティング大会105kg級一位など多くの実績を残し、ボディメイクとLGBTに関する悩みの手助けをする芳賀セブン氏に、トレーニング界隈における考え方と美学を伺った。
※新宿二丁目最強のバルクは自称であり
・ゲイである事
・二丁目によく飲みに来る
・日本人である事(国籍の話)
・ドラックフリーのナチュラルである事
・全体の筋肉量とBIG3の総重量
を考慮した上で最強と言っているらしいです。

セブンの由来/最近の活動や仕事は?

名前の由来に関してよく聞かれますが、2013年に関東学生ボディビルでデビューしたとき、決勝のフリーポーズでウルトラセブンの歌を流してポーズをとったのがキッカケです。
YouTubeはもちろんのこと、通称"着るステロイド"芳賀Tシャツを展開しておりまして、それらに加えて芳賀セブンの部屋ブログ、紹介案件、note、ラインスタンプ等に力を入れています。わりといろいろやっています。

三年位前まではトレーニング指導もしていましたが最近はしていません。そういうご相談もたまに頂くのですが、僕は特に解剖学も生理学も栄養学も勉強しているわけでもないし、ガラじゃないと思って。
ジムでちょっと教えるくらいなら良いのですが、場所的に使えるジムも限られますしわざわざ予定を立てて相手のところまで行くのもどうかなと。そこでお金を頂くことはできるのですが、その分YouTubeやブログに力を入れていた方が自分は好きです。

あとは「レンタル遅刻するボディビルダー」というのをやっています。巷で流行っている「レンタル何もしない人」という方がいて、そのボディビルダー版をやろうと思って。

最初は「レンタルなんもしないボディビルダー」だったのですが遅刻癖が酷くて、予防線というか保険として名前を変えました。レンタルの待ち合わせ日、1時間半ほどかかる距離にも関わらず集合時間に起きたことがあります。

僕は横浜に住んでいるのですが、レンタルのご依頼で遠いところだと愛知県や岐阜県まで行きました。そんなに多くレンタルの依頼が来るわけではないですが、YouTubeの動画にもできますし人との繋がりが増えていくので楽しくやっています。

特に印象深い依頼内容としては、生後数か月の赤ちゃんがいる親御さんから「自分(両親)よりも体が大きい人を見たときの赤ちゃんの反応を見たいので、会って抱っこしてみてほしい」というものがありました。

それで会って抱っこした結果、赤ちゃんが吐いてしまいました。
僕が「高い高い」をし過ぎたのか、何もしなくても吐いたのかは定かではないですが、先方も喜んでくれていたので良いかなと。

日頃のトレーニングメニュー

最近は6分割でやっています。
胸、肩、背中、腕、スクワット、足。

間違いではありません、脚の日とは別にスクワットの日というのがあります。スクワットを気が滅入るまで好きなだけやる日があって、その次の日に脚のトレーニングをします。スクワットは脚トレとみなしていないというか。単純に、スクワットが好きで。しゃがんで立つという動作自体がもう好き。楽しいです。

スクワットの日の翌日の脚トレでは多少の疲労はありますが無視です。シカト。そもそも脚トレが好きなので、脚トレをやることにネガティブな感情が湧かないんです。

去年までのメニューはシンプルで、胸、背中、足の3分割でした。
で、肩はあまりおもしろくないのでやらない。腕は気分に合わせて、他の部位のついでにやる。それくらいです。
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パワーリフティングの試合には出るが練習はしない

僕はボディメイクやボディビルがメイン。
パワーリフティングの試合にも出ていますが、パワーリフターと名乗ったことは一度もありません。

ボディビルの減量がつらかったときがあって、でもせっかくトレーニングしているのだから何か大会に出ないとともったいないなと思って。パワーなら減量をしないで出れるし。で、出たら勝った。これはいいなと。それで味を占めて試合に出るようになりました。

でもパワーの練習は一切してません。
ベースはボディビルのトレーニングで、調整らしい調整は2日前に休むことくらいです。ゲン担ぎにいろいろやってみたり禁欲もしてみましたが、風邪というか熱っぽくなって体調を崩しちゃって。結局自分にとっては大会の2~3日前から休むことが一番整いました。

重量を挙げることに特化したトレーニングやエブリベンチというのもありますが、それらにそこまで多くの体力を注ぎたくない。毎日できるということは、逆にいえば7~8割に抑えているということでもあると思うので。僕は一回でまとめて、毎回全て出し切りたい。

ワイドスタンスのデッドもやりません。
みんな最短距離で最高重量を上げようとしてくるので、僕は最長距離で最高重量を上げてやろうと。

そういった美意識や反骨的な考え方があって、サイクルも組まないしピーキングもしません。その日にやることや重量や回数を制限されたり、縛りがあるとトレーニングがつまらないんです。面白くなくてやってられないので、全て自分の都合で決めます。

効いてる効いてないは二の次

効かせることを考える種目もありますが、ビッグ3では効かせることは考えていません。
怪我をしないために最低限のフォームは大事だと思いますが、それでもとにかく上げきることを目指す。上げるということ、上がるということ。リフティング自体を楽しむ。

最低限のフォームができていれば、ビッグ3においては効いてる効いてないは二の次です。何が楽しくてトレーニングをやっているかというと、上がるという事。今も昔もずっと変わらずに、それが楽しくてやっています。ベンチプレスだけは思うようにいかないので苦手です。

天才は何でもいいが凡人は固形物を摂れ

夢もロマンもないですが、食事に関しては固形物を摂ることを意識しています。昔はいわゆるダーティーバルクでした。とにかくオーバーカロリーならなんでもいいやと。それで重量が伸びることもありますが、イマイチ何かパッとしない。

一時期、インスタント食品やお菓子みたいなジャンクばかりを食べてデカくなる人もいました。「こんなのを食べてバルクアップしました、デカくなりました」とSNSで発信して。そうするとそれを見た人がそこだけ汲み取ってしまって、皆それをマネしてしまう。
僕もやってみましたが自分はデカくならなかったし、強くならないと体感しました。それから固形物を特に意識して摂るようになりました。
自分もいろいろ発信していますが、特に影響力のある人は発信する情報の内容に気を付けてほしいところです。

天才はいいんです。
天才はジャンクでもお菓子でもプロテインでもデカくなるかもしれません。放っておいても勝手にデカくなる。でも僕みたいな凡人は固形物を摂らないといけない。

おススメのサプリなんて聞いてくる奴は固形物の偉大さを分かってない

※僕は540プロジェクト様から商品を提供して頂き、愛飲していますが嘘は言いたくないので正直に言います。

プロテイン何飲んでますかとか、サプリ何飲んでますかとか聞かれますが、分かってない。そういうの聞いてくる奴は固形物の偉大さを分かってない。だからそんなこと言えてしまう。

粉じゃない。筋が張ったりトレーニング前に力が漲る、固形物を食った時にのみ得られる独特の感覚。

僕も粉ばっかり食ってる時期がありましたが、その時ジムの先輩から「お前が勝てない理由を教えてやる、粉ばっか食ってるから勝てないんだ」と言われました。強いやつはみんな肉食ってるから。強くなりたければ食えと。

なので、天才は粉でもお菓子でもいい。僕のような凡人は固形物。
凡人とはいえ実際のところ自分も体格に恵まれている方だとは思いますが、骨盤が広いのでボディビル向きではないですし、トップオブトップではないと思っています。

ただし、どうやっても体重が増えにくくて固形物が摂りにくい、食べることがキツい人はプロテインやサプリを活用するのは有りだと思います。
デカくするにはオーバーカロリーにしないといけないので、どうしても食が細い場合にはお菓子やジャンクや粉で、アイスを流し込んででも、ダーティーでもいいからカロリーを稼いでいく。
あくまで本当に食事がキツい、体重が増えない人の場合です。ある程度増やせる人ならばやはり固形物がいいです。

摂っているサプリ(それでも聞いた)

クレアルカリン。トレーニング前後に飲んでます。


錠剤のカフェイン。


マルチビタミン、ミネラル。

 
BCAAは減量中でカリカリの時は助かりますが、オフでエネルギーに満ち溢れている時は摂らなくてもいいと思う。摂取する日もありますが、ただの水の時もあります。

流行りの服、流行りのボトル、流行りのサプリ。流行りを知ったり取り入れるのもいいと思いますが、僕は多数派だったり小洒落たのが嫌いなのでトレーニング中は水を飲んでます。 

ベータアラニンは頭や身体がピリピリするのが面白いし、気合が入っているように思えるので飲んでます。体感は分かりません。
あとはロイシンだけのパウダーを540プロジェクト様から頂いてます。すごく沢山送ってきて下さるのですごく沢山飲んでます。

基本的にプロテインはトレーニング後だけ、540プロジェクト様のものを飲んでます。もともと540プロジェクト様の一つ20㎏のプロテインを買って飲んでいて、Twitterで呟いたらスポンサーについてくれました。

学生の時はお金がなかったのですが毎日飲んでいて、社会人1年目の時に100㎏のプロテインを見てみたいと思って20㎏を5個買って飲みまくってました。
そういったこともあって愛着もありましたし、ありがたいことに他のメーカーからもスポンサーの話は頂いていたのですが、多数派になりたくなかったのでお断りをさせて頂きました。皆と同じのがイヤで、少数派になりたかった。そういった経緯で今に至ります。

過去と今でトレーニングや食事における変化

昔は高重量を振り回して見栄を張りたい、そういう時期がありました。
バーベルカールにしても一回できるかどうかの100kgくらいの重量で、バーを持ち上げているのかバーの下に潜り込んでいるのかわからないようなフォームでやってました。

あと、学生の頃はドロップセットをやりまくっていました。体も張るし、充実感もあるしハードにやった感がある。
でも一度、何か調子が悪くてストレートセットだけで終わらせた日があって、その次の日に体の芯からくる筋肉痛があって「これだ」と。それからはほとんどドロップセットはやってません。

YouTubeや動画では見栄え良く重いものを扱っているところしか投稿していないので意外に思われるかもしれませんが、僕は重量を扱う種目とそうでない種目がはっきり分かれています。ビッグ3はある程度の重さを扱いますが、それ以外は20~50回のハイレップでやることが多いです。

特に脚はハイレップでやります。終わらせない。絶対に。
顔をくしゃくしゃにして脚をパンプさせているという優越感。高重量を扱ったときとはまた違う「これだけ俺はやっているぞ」という優越感があります。

セットの最後の方とかでも、例えば誰かに軽い重量でやっているところだけを部分的に切り取って見られて、「あの人はこれくらいしかできないんだ」と思われるのがイヤ。やるんだったら常に100%を見せたいです。

自分にとって効く種目、効きにくい種目

効きやすいことに関して言えば、脚。特にハムは何をやっても入ります。歩いているだけでハムに引っかかる感覚があります。ハムは幅や厚みに関して愛情を注いで育てているので絶対的に自信を持っていて、180センチの身長に対してこれだけ分厚いハムストリングは自分にとって武器だと思っています。160センチ170センチでハムがデカい人は別に珍しくないですが、180センチでハムのサイズがあるのでサイドポーズをとった時に強みだと思います。

逆に、胸と肩は効きにくい感じがあります。  
特に胸が苦手。プレスも弱いけどフライ系がしっくりときません。ケーブルクロスとか皆やるけどかなり難しい種目だと思います。肩も苦手で去年は一切やってないです。

それらの点は去年めちゃくちゃ指摘されました。
ボディビルで勝とうと思ったら苦手でも嫌いでもやらなければいけないとも思いますが、その一方でトレーニングを好きでやってるのにわざわざ指示をされたくなくて。やりたくないからやってないんだ、トレーニングは義務じゃないんだと言い訳しながら。

でもその対策として週に1回はやるようにはしました。
勝つためと思ってガマンして渋々と。最初は気分が乗ってこないので一種目から始めて、そこから徐々に種目を増やしていった感じで、最近では肩の日という独立した日ができました。

人と比べるということが好きじゃなくて、上を見たらキリがない。そんな中で自分を責めると疲れちゃうので、他人は他人と思っていましたが、最近は順位を気にするようになってきたところです。

「自分はこうしたほうが効く」等の工夫

少ない種目でやること。各部位に対して2~3種目くらいでしょうか。疲れてしまってあまり多くの種目をやれないので、少ない種目で全力を出し切る方向性です。

時間はあまり意識しないようにしていて、飽きたらやめる感じです。学生の時は腕だけで4時間くらいやってたのですが、最近は大体1時間くらい、長くても2時間くらいだと思います。

あとは去年くらいに気付いたんですが、パーカーを被るとスクワットの重量が伸びるんですよ。理論はわかりませんがラックアップの時とか、重量つけ間違えた?というくらいに軽く感じます。パワーリフターの方とか、生地が分厚くなったりバーが体から離れることを嫌がる方も多いですが、体感的に10㎏くらい軽く感じるのでおススメです。

最近の発見

ビジネスに関して真面目な話ですと、僕は今までリスク0で起業するなんて無理だと思ってたんですけど、本当は可能だと気付いたんです。
大切なポイントの1つは市場。
サラリーマン時代は新規事業開発室とかに呼び出されてプレゼンしてましたけど、どれだけお客様を喜ばせる為のプレゼンではなくて、どれだけ上司を喜ばせるかを考えたプレゼンになっていたんですよね。

よく皆は難しい言葉を使いたがるんですけど、ビジネスって実はそんなに難しくないんですよね。
まず一つは市場を選ぶことで、皆よく「自分の市場は競合が多くてレッドオーシャンなんですよ~」って言うんですけど、本当に競合いるんですか?って話で。
市場の選び方を大きいカテゴリーでやってしまってて、例えば居酒屋はたくさんあってレッドオーシャンと言われてますが、市場をしっかりセグメント(カテゴリ分類)しましたか?って話です。

例えば日本酒が好きな方もいればワインが好きな人もいるし、焼酎が好きな人もいる。好みは様々で、全てのニーズに応えようとするとコストがめっちゃかかっちゃうんです。
だからセグメントをする。お客様が求めてるニーズをセグメントする。これはニーズセグメントと言って、あとはタイムセグメントをして営業時間は朝なのか夜なのか、相手は法人なのか個人に対してなのかをセグメントしていけば、絶対に競合の少ないブルーオーシャンがある。最近、そういったセグメントの大切さを学びました。

今後の方向性や目標

まず、筋トレは人生を豊かにするためのもの。
でもSNSとか見てると筋肉に振り回されている人が多い気がします。
極端にトレーニングを優先して周囲から孤立したりとか。筋肉に振り回されている人生は良くないかなと。

過去の自分を越すということ。
僕の目指すところの一つにパワーとボディメイクの両立というのがあります。極端に太っていて重量が扱えるというのも嫌だし、バキバキに絞れていてデカくても力がないというのも嫌。両方追い求めたい。
かっこいい体になってトレーニングを通じて人生を豊かにして、素敵な彼氏と幸せに暮らしたいです。

お金に関しても勿論、将来は豊かになりたいですが100円と200円の物で迷った時迷わず200円の物を買えたり、友人と飯食ったときにちょっとお金出せたり、妥協したい時にタクシー拾って帰ったり、週に一回気にせずお酒が飲めたり出来るくらいの財力は欲しいです。
僕は物欲はそんなになくて、高級車や高級腕時計が欲しいと思うことはそんなに無く、人に見られても恥ずかしくないある程度の身嗜みはしたいけど、物じゃない事にお金出したいですね。

ファンにひとこと

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取材・文 せきぐち