フィジーク・オンライン
Weekly Monthly Shopping

【屈強インタビュー】#8 土屋優記 "自分に合わせた工夫をしていくこと"

この記事をシェアする

0
掲載日:2021.02.02
記事画像1
NPCJ(現FWJ)史上初となる四冠達成の快挙を成し遂げ、今もなお日々成長を続ける土屋優記氏に日頃のトレーニングに対する取り組みや考え方を伺った。

日頃のトレーニングメニュー

①脚(四頭)
②胸/肩/二頭筋
③背中/腹
④肩
⑤脚(ハム)
⑥二頭/三頭

曜日は決めていませんが上記のような6つを順番でやっています。この後にオフが一日入り、最初の①脚(四頭)に戻ります。

以前のメニューでは脚は前後とも同じ日で、腕の日がもう一日ありました。そこから腕を減らして足を前後に分けてやってみています。
何かの理論を取り入れているわけではなく経験則に近い感じですが、脚のトレーニングを前後面で分ける方法を聞いたことがあったので弱点の脚を強化する狙いでやってみています。

今はどの種目も重量を伸ばすことに重点を置いていて、重量を扱ったほうが体感的にもサイズが大きくなる気がします。基本的に疲労がある時にはトレーニングをやらないようにして、疲労が抜けてからやっています。
疲労を抜くために大事なのは十分な食事を摂ること、しっかり寝ること、オフをとること。
オフを入れずにトレーニングを続けてもパフォーマンスが下がる感じがあるので、しっかりと食べて休んで万全の状態で臨むことを重要視しています。



去年はあまり重量を扱わず、よく言われる「効かせる」トレーニングをやっていた時期もありましたがあまりサイズ感が増した気がしなくて、どちらかといえば現状維持くらいでした。それから重量を扱うようにしたらサイズも増えてきました。

トレーニングをやり始めた最初はフリーウェイトから入って、途中でマシンをメインにしてみましたが最終的にはまたフリーウェイトに戻りました。マシンばかりの時は大きくなる感じがしなかったですし、充実感もありませんでした。

筋トレ自体は8年くらいやっています。
柔道部に入っていたのですが、それをやめてから太らないようにするために筋トレをしていました。それでハマって今までずっとやっている感じです。コンテスト歴はまだ3年目くらいで、運良く4冠を獲れました。

普段はエニタイムでトレーニングをしていますが、週に一回だけ市営のジムに行きます。高校のときから通っていて、そこでのベンチプレスとプリ―チャーカールがすごく体に合うので好きです。特にプリ―チャーカールに関しては刺激が入るとか効くというより、重量を乗せて振り回すだけで二頭が死ぬので、そのために行ってます。

肩を丸くするサイドレイズ

特別に発達を感じるような種目はあまり思い浮かびませんが、自分は特にサイドレイズの刺激が入りやすい感じがあります。全ての種目の中でサイトレイズが一番効く。

いつもサイドレイズはスタンディングで20㎏ほどで丁寧にやっていますが、通常のサイドレイズと少しやり方が違っています。表現が難しいのですが、ダンベルを腰付近に降ろしたときに1レップごとに肩を意図的にふくらますようにして丸く見えるようにしています。
通常のサイドレイズ

通常のサイドレイズ

肩を丸くするサイドレイズ

肩を丸くするサイドレイズ

肩を丸くすると上げる時にギュッと強く収縮する感じがあって、その感覚が好きでやっています。感覚的には肩甲骨を開いたラットスプレッドに近いです。

これは効きやすいやり方を探していたら発見したオリジナルのやり方です。
他に同じことをやっている人を見たことがなくて、これが本当に良いのかわかりませんが体感や経験則としては良いので続けています。1レップごとに丸くなるのを鏡で見ると自分でも面白いです。

肩に関しては最初にショルダープレスで重量を扱ってからサイドレイズに入り、アップライトロウやフロントレイズ、リアレイズに移ります。インクラインでのサイドレイズ系はやってません。

背中の刺激が腕に逃げてしまう

背中の種目は全体的に刺激が入れにくい感じがあります。二頭や三頭などに比べると比ではないくらい刺激が入りにくいです。背中に限らないことですが、ある程度の解剖学を理解した上でやったほうが効率がいいと思います。見よう見まねでやっているとあまり良いことがないです。
トレーニング歴は7年ありますが、最初の数年は二頭と胸しかやっていなかったので他の部位が今のレベルに追いついていない感じもあって、背中がきつくなると二頭で引いてしまう感じがあります。背中の種目でも、背中の疲労より二頭筋の疲労が強かったりします。重量を扱っても結局二頭に逃げてしまって、グリップを変えても同様でした。
記事画像4

トレーニングの工夫と改善点

効きにくい部位は重量を扱うことで無理やり効かせることもあります。
例えば上腕二頭筋だと、プリ―チャーカールで全ての力を使い切って力が出なくなった状態で次の種目に行くようにしています。

自分はスクワットやデッドで腰を痛めやすいです。
見よう見まねでやっていることもそうですがそもそも筋トレが下手なのと、腰や足首、股関節が固いので無理やりしゃがもうとして痛めているのかと思います。なので最近は可動域を少し狭くして腰に負担がかからないようにやっています。

なお、腰を痛めたときにはスーパーマンみたいな体勢でプリ―チャーカールをやっていました。
記事画像5
筋トレ前にストレッチや腹筋をするのがイヤなので、筋トレ前後でのアップやケアは何もしていません。トレ後にプロテインを飲むくらいです。ジムに行ったらすぐに筋トレをしたいし、すぐメインセットに入りたいです。

トレ中に意識している事

毎回のトレーニング内容をすべてメモしていて、前の週にやったメニューより少しでも多くの重量や回数をこなすことを強く意識しています。
1レップでも数㎏でも、少しでも増えていれば前よりも強くなっているのでモチベーションにつながります。毎回緊張感を持って、前の週の回数や重量を更新できないと意味がないくらいの気持ちで臨んでいます。

特別際立った工夫はないかと思いますが、トレーニング前の食事では漬物などで塩分を多く摂るようにしています。塩分を摂れていないと力が出ない感じがあります。逆に、トレーニング前に甘いものを食べないようにしています。甘いものは好きなのですが眠くなってしまうので避けています。
記事画像6

日頃の食事で意識していること

試合期は別ですが、オフや増量期の食事に関しては目安は特になくて、カロリーも計算していません。一日6食を目安にして、一回につき鶏もも肉か鶏むね肉を1枚とご飯を食べています。炭水化物は気分で時々変えていて、お餅やサツマイモ、菓子パンのときもあります。炭水化物が極端に少なくならないようにして、タンパク質さえしっかり摂れていれば良いかと思います。
プロテインは朝と筋トレ後で、寝る前の6食目はプロテインになることがあります。寝る前に固形物を食べると胃がもたれる感じがあってあまり調子が良くないことがあります。

普段の食事で鶏肉が多いので、脂質が少なくなり過ぎないように卵や菓子パンを摂るようにしています。タンパク源はコロコロ変わって、鶏肉以外にも魚がメインのときもあります。その場合は脂質が多いので菓子パン等を控えてうまくバランスをとるようにしています。
減量期はしっかりやりますが、増量期は最低限のルールを決めてプラスに働けば良いかと思います。

摂っているサプリ

筋トレ前にクレアチンを、トレーニング中にはパープルラースを摂っています。

筋トレ後のプロテインにもクレアチンを入れていて、いつもはアイハーブのランキングの高いものをそのまま買っています。

最近はマッスルテックのクッキー&クリームを気に入って飲んでいます。自分はかなり甘党で、甘ったるい系が好きな人にはオススメです。


筋トレを始めてからずっとサプリを使い続けているので、それらを抜いたらどう変化するかはわからないのですが、水だけでは力が出ない感じはあります。
マルトデキストリン等を入れる人もいると思いますが自分はまだそのまま変えずにいます。

最近の気づきや発見

最近よくやる方法が、重量を扱う種目のときに連続で10回やるのではなくて、ラックから外して一旦セーフティーバーに落として、そこから毎レップを上げるようにしています。疲れて上げられなくなってセーフティーバーに乗せるのではなく、最初から意図的に乗せる。毎レップごとにゼロに戻す感じです。

重量を扱う種目で無理やり10回をやろうとするとフォームが崩れたりや怪我のリスクもあって不安要素が増えるので、丸くするサイドレイズと同様に一回ずつ筋肉を絞る意識で毎レップをセーフティーバーに戻してやっています。毎レップ落とすやり方はナローベンチプレス、ショルダープレス、ベントオーバーロウ、デッドリフトでよくやります。

一度降ろすことで反動が使えなくなって、ゼロから高い出力をすることで速筋が使えている感じもあります。降ろすときは大きな音が出ない程度にそっと戻します。これはまだ試して間もないので変化を見ている最中ですが、あまり負担なくできるている気がします。

今後の方向性や目標

優勝したりプロカードを取ったりというような大会の目標は特に決めていませんが、競技選手としてのレベルを上げる事と筋肉を増やすことです。
大会に出始めて、絞りやポージング、ステージングが弱いと感じたのでそこを強化していきたいです。なるべく毎年大会に出ようと思っているので、経験則として積みあがっていければと思います。

人見知りな方なので人に話しかけたり教わったりが苦手で、ジムにいる時は誰とも話さないようにしていますが他の人のフォームを見て参考にしています。そこから良さそうなものを自分で試してみる感じです。他の人に聞いたり、誰かがトレーニングしたり紹介している動画も見ません。

SNSのファンに伝えたいこと、ひとこと

今回の取材で自分のトレーニングのメニューややり方が記載されますが、あまりそのままマネをしてほしくないです。これらはあくまで自分にとって有効だと思うものを経験則で積み上げているので、それが他の人にも同じように有効かはわかりません。「こうやっている人もいるんだな」と参考になれば嬉しいのですが、そのままマネしてしまうことはその人にとってあまり良くないと思います。最近だと、人気のある筋トレYouTuber等が紹介するやり方をそのままマネしてしまうのもどうかと思います。少し試してみる程度ならいいかと思いますが、自分にとってどうなのかを考えることが大事だと思います。

自分も、今の自分のやり方が100点ではないと思っていて、自分に合ったやり方を試行錯誤している最中です。ぜひ、人のマネだけで終わらずに自分なりに理解してアレンジして、それぞれ自分に合うやり方をみつけてほしいと思います。

取材・文 せきぐち