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【研究論文超訳】#2 ヘキサバーでのデッドリフトは、ストレートバーよりも最大筋力、パワー、速度の向上に効果的な可能性がある

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掲載日:2021.07.12
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既存の研究をざっくりとまとめてわかりやすく紹介していく、研究論文超訳シリーズ。今回はデッドリフトをヘキサバーとストレートバーで行った場合の比較だ。

ところで、ヘキサバーを使ったことがあるだろうか。体を囲むように六角形に作られたバーベルは、ストレートバーとは大きく異なる刺激が得られる。
その特徴的な形状から、バーベルでありながらニュートラルグリップで握ることができるためデッドリフトはもちろん、ローイングも非常に行いやすい。

ヘキサバーは実際にどんな効果が見込めるのか

ヘキサバーとストレートバーでそれぞれデッドリフトを行った場合、ヘキサバーではストレートバーに比べてコンセントリック局面で外側広筋の活動が大きく、ストレートバーではヘキサバーに比べてコンセントリック局面で大腿二頭筋が、エクセントリック局面で脊柱起立筋の活動が高かった。(※1)

また、ストレートバーとヘキサバーのそれぞれの1RM重量に大きな差はなかった。※ヘキサバーの方が1RMが高かったとする研究もある(※2)。

最も注目すべき点は、重量が同じだった場合にはヘキサバーの方が最大筋力、パワー、速度が高いという結果になったことだ。(※1、2)
言うまでもなくバーベルの形状により筋肉の活性化のパターンは異なるが、特に最大筋力、パワー、速度の向上にはヘキサバーの導入が効果的である可能性が示された。

誤解を招かないようにお伝えしておきたいのが、ヘキサバーがストレートバーの上位互換というわけではないことだ。ストレートバーにもヘキサバーにもそれぞれの特性があり、メリットがあればデメリットもあるのだ。それらを使い分け、相互的に補完していくことがより屈強になるヒントになるだろう。


※1 An Examination of Muscle Activation and Power Characteristics While Performing the Deadlift Exercise With Straight and Hexagonal Barbells
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26840440/

※2 A biomechanical analysis of straight and hexagonal barbell deadlifts using submaximal loads
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21659894/