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【研究論文超訳】#3 プレス系種目はベンチでもバランスボールでも、主働筋に与えられる刺激はほぼ同じ

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掲載日：2021.07.24
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既存の研究をざっくりとまとめてわかりやすく紹介していく、研究論文超訳シリーズ。今回は土台による刺激の違いに関してだ。

今すぐにダンベルを使ったプレス系種目をしたいが、ベンチが空いていない。誰しもがそんな経験をするだろう。
では、ベンチの代わりにバランスボールを使ってみてはどうか。

土台による刺激の差

バランスボールとフラットベンチでそれぞれダンベルプレスとショルダープレスを行った際の筋活動を比較した研究（※1）では、三角筋前部、大胸筋、腹直筋の活性化に大きな差はなかったと報告されている。

要は、ベンチが空いてなかったらバランスボールでプレス系種目をやっても同じくらい刺激が入るということだ。

不安定な土台であればその分胴体や下肢の筋群は動員されるだろうが、プレス系トレーニングの主働筋への刺激を考えた場合にはその効果を向上させることもないし損なうこともないことになる。

さらには、安定したベンチと不安定な土台でそれぞれダンベルプレスを両手と片手で行った場合の筋活動を比較した研究（※2）でも大きな変化は見られなかったと報告されている。

これらのことから、ベンチがなかった場合や空いていなかった場合にバランスボールで代用することは筋への刺激を低下させないため有効な手段となるだろう。
しかし言うまでもなく、バランスボールはそもそも不安定なので種目の実施には十分に気をつけないと自身だけでなく周囲を巻き込んだ大きな怪我につながる恐れがあるため、周辺環境には十分に配慮して臨みたいところだ。

また、極端に安い価格帯のバランスボールは素材がビーチボールくらいの厚みしかなく、ウェイトトレどころか体重を預けることすら不安に感じるものもある。購入する際には耐荷重の高く、アンチバーストのものを選ぶことをおススメする。





※1 Muscle activation when performing the chest press and shoulder press on a stable bench vs. a Swiss ball
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18296960/

※2 Differences in unilateral chest press muscle activation and kinematics on a stable versus unstable surface while holding one versus two dumbbells
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26528421/