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【研究論文超訳】#7 腹筋を意識すると動員する筋肉を変えられる

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掲載日:2021.08.30
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腹筋を行っているだろうか。コンテストで上位に入るフィジーカーやボディビルダーでも、他の種目で鍛えられているからわざわざ腹筋を単体で鍛えていないという選手もいる。しかし圧倒的な腹筋をつけたい場合にはやはり腹筋を行うしかないのだ。

主働筋は意識で変わる

腹筋の代表例、トランクカールで説明しよう。
トランクカールの主働筋は腹直筋であり、腹斜筋群(内腹斜筋と外腹斜筋)は腰部の安定性に貢献すると考えられている。

そんなトランクカールにおいて、腹直筋と腹斜筋群(内腹斜筋と外腹斜筋)をそれぞれ意識して行うことでそれらの活性や動員率を意図的に変化させることができるという研究がある。(※1)これらには最小限の指導のみで、特別な練習は必要なかったとのこと。

トランクカール以外にも、プレートを持ってシットアップベンチでの腹筋を好む者もいるだろう。いずれにおいても漠然とただ腹筋を収縮させるのではなく、「腹筋のどの部分を狙っているのか」を強く意識しながら行うことでまた違った効果が得られるはずである。

今回はトランクカールにおける腹筋群の研究だが、他の部位にも同様に応用できる可能性もある。こういった情報がなくとも、経験則や感覚的にすでに行っている者も少なくないはずだ。
ウェイトトレーニングにおいて「筋を意識して動かす」ことは基本として根付いているが、さらに対象筋を細分化して刺激を入れる技術も非常に有用となるだろう。筋肉の奥は深い。




※1:Effects of specific exercise instructions on abdominal muscle activity during trunk curl exercises