【屈強インタビュー】#20 吉岡賢輝 "トレーニング中にどれだけ発見できるか"
掲載日:2021.11.03
2021年日本クラス別優勝、2021年日本ボディビル選手権12位、2019年神奈川ボディビル総合優勝などの実績を持ち、圧倒的な成長と躍進を続ける吉岡賢輝(よしおかまさてる)氏に、日頃のトレーニングに対する取り組みや考え方を伺った。
普段の生活や仕事に関して
最近は友人と一緒に立ち上げた、イベントの運営や制作等を行う会社で仕事をしていましたが一段落つきまして、元々やっていたトレーナーの仕事にまた戻りたいと思っています。どこのどんなジムで、どんな形態でやるか等は全く決めていません。
生活のサイクルは日によって多少変わりますが、5時半くらいに起きてしまったときにはとりあえず食事をしてまた寝ます。その後9時に起きて食事をして、10時~19時頃まで仕事をしてトレーニングはその後に2時間くらい行います。
最初の朝5時半の起床に関しては意図的なものではなく減量中のルーティーンが染みついてしまって起きてしまう感じです。もっと早い時間帯や深夜に目が覚めることもあります。もう起きてしまう前提で、起きてしまった時用の食事やプロテインを準備してあります。睡眠障害なのかわかりませんが、それでもとりあえずは休めて回復できている感じはあります。
今回は挑戦心もありましたが、今年ファイナリストになれるかというのがすごく重要な分岐点だったのでプレッシャーのほうが大きかったです。気持ちの波が大きくて「やってやる」と「だめかも」が交互に浮かんでしまう状態でした。精神的なストレスからか、大会前から腕が痺れて胸郭出口症候群のような神経痛が続いていたのですが大会が終わったあとに症状もなくなりました。
生活のサイクルは日によって多少変わりますが、5時半くらいに起きてしまったときにはとりあえず食事をしてまた寝ます。その後9時に起きて食事をして、10時~19時頃まで仕事をしてトレーニングはその後に2時間くらい行います。
最初の朝5時半の起床に関しては意図的なものではなく減量中のルーティーンが染みついてしまって起きてしまう感じです。もっと早い時間帯や深夜に目が覚めることもあります。もう起きてしまう前提で、起きてしまった時用の食事やプロテインを準備してあります。睡眠障害なのかわかりませんが、それでもとりあえずは休めて回復できている感じはあります。
今回は挑戦心もありましたが、今年ファイナリストになれるかというのがすごく重要な分岐点だったのでプレッシャーのほうが大きかったです。気持ちの波が大きくて「やってやる」と「だめかも」が交互に浮かんでしまう状態でした。精神的なストレスからか、大会前から腕が痺れて胸郭出口症候群のような神経痛が続いていたのですが大会が終わったあとに症状もなくなりました。
撮影:りゅう@fightersmuscle
日頃のトレーニングメニュー
基本的にはオフを挟んで5分割です。
①脚
②胸
③オフ
④背中
⑤肩
⑥腕
⑦オフ
2019年頃からこのサイクルを続けていて本来はこれで回していきたいのですが、日本選手権の後からはトレーニングが楽しすぎて、オフを取らずにほぼ毎日続けてしまっています。
ジュニアの時にはオフを入れていなかったのですが、社会人になってオフを入れるようになってから発達しやすくなった感覚があります。なので本来はオフを入れた方が良いとも思うのですが、今はトレーニングがすごく楽しく、オフが少なくても質感が良くて重量も伸びている感じがあるので続けてみています。忙しくなったら自然とオフも入るかと思います。
昔は脚は前後で分けていたのですが、オフを週に二日入れたかった事や、ハム+尻と四頭筋で分けたとしてもどうやっても多少はお互いが動いて影響を受けてしまいます。また、前腿が筋肉痛だと膝を曲げる可動域が狭くなってレッグカールなどの種目がやりにくくなる感じもありました。
脚を前後面同じ日にやった方が収縮感や刺激の入り方が良い感じがあるのですが、その一方で一回のトレーニング時間がすごく長くなってしまうデメリットがあるので脚は仕事が休みの日にやることにしています。
①脚
②胸
③オフ
④背中
⑤肩
⑥腕
⑦オフ
2019年頃からこのサイクルを続けていて本来はこれで回していきたいのですが、日本選手権の後からはトレーニングが楽しすぎて、オフを取らずにほぼ毎日続けてしまっています。
ジュニアの時にはオフを入れていなかったのですが、社会人になってオフを入れるようになってから発達しやすくなった感覚があります。なので本来はオフを入れた方が良いとも思うのですが、今はトレーニングがすごく楽しく、オフが少なくても質感が良くて重量も伸びている感じがあるので続けてみています。忙しくなったら自然とオフも入るかと思います。
昔は脚は前後で分けていたのですが、オフを週に二日入れたかった事や、ハム+尻と四頭筋で分けたとしてもどうやっても多少はお互いが動いて影響を受けてしまいます。また、前腿が筋肉痛だと膝を曲げる可動域が狭くなってレッグカールなどの種目がやりにくくなる感じもありました。
脚を前後面同じ日にやった方が収縮感や刺激の入り方が良い感じがあるのですが、その一方で一回のトレーニング時間がすごく長くなってしまうデメリットがあるので脚は仕事が休みの日にやることにしています。
撮影:りゅう@fightersmuscle
脚でいうとハックスクワットと自重のシッシースクワット。大腿四頭筋はこれで発達した感じがあるのでぜひおススメしたい種目です。ハックスクワットはバーベルスクワットやスミスマシンと異なり、膝から曲がることで一番刺激が入る感覚があります。
脚のトレーニングが上手くなってきたこともあると思いますが、バーベルスクワットからハックスクワットの流れで組んでいます。シッシ―スクワットは大腿四頭筋のストレッチ種目として取り入れていて、シッシースクワットをやると大腿直筋がパンパンになって燃え尽きる感覚があります。
バーベルスクワットでも大腿直筋に刺激は入ると思いますが、大腿直筋を使った感覚はあっても筋電図を見ると実際はそれほど動員されていないという研究もあるので、やはり個別で攻めるためにはシッシ―スクワットを取り入れるのが良いかと思います。
胸に関して、今まではベンチプレスをやり込んでいました。胸はベンチプレスで作った感じがあるのですが、一方で胸は弱点でもあって、ベンチプレスがどれだけ貢献したのか疑問は残ります。
今大会に向けて相澤隼人選手や相澤飛鳥選手と並んでポージング練習をしていたのですが、両名のドカンとした大胸筋のボリューム感と比べると自身の胸の弱さを感じました。
僕は上腕三頭筋が強く、ベンチプレスの重量は相澤隼人選手ともさほど差があるわけでもないのですが、それでも大胸筋のサイズ感が全く違います。重量に見合った大胸筋が作れていない感じです。それこそベンチプレスとナロープレスがほぼ同じ重量でできるので、三頭筋で押しているようにも思います。
なので最近はベンチプレスもインクラインベンチプレスもやめてダンベルフライを取り入れています。大会前は38~40㎏でやっていましたが、大会後は52㎏前後に戻して5~6回できるようになりました。やはり効きが良いです。ただこの変更が功を奏すか、成果がわかるのは来年になります。
それでもベンチプレスはおススメしたいです。やはりデカい人は皆ベンチプレスをやり込んでいます。まずやり込んでみて思うように大胸筋が発達しなければ別の方法を試してみることが必要だと思います。
今シーズンの大会では背中を高く評価して頂いたのですが、背中に関しては重量を求めずに効かせ方を重視していました。特に欠かせない種目はケーブルプルオーバーです。ストレッチも収縮もかけやすくて好んで取り入れています。
また、デッドリフトは背中に入らず腰にばかり入ってしまって、あまり感覚が掴めずに何年もやっていませんでした。
しかし今回の日本選手権の一週間くらい前にふと思い立ってやってみたら広背筋に刺激を入れる感覚がすごく良く掴めて、それ以降は取り入れるようにしています。ベントローでの刺激の入り方が良くなって、バーを降ろしたときに広背筋のストレッチをかけたり効かせる感覚がわかってきたので試しにデッドリフトをやってみたらうまくできた感じです。
それでもやはりすごく難しい種目だと思うので、トレーニングを始めて間もない場合はデッドリフトよりも他の種目をやったほうが効率的とも思います。
脚のトレーニングが上手くなってきたこともあると思いますが、バーベルスクワットからハックスクワットの流れで組んでいます。シッシ―スクワットは大腿四頭筋のストレッチ種目として取り入れていて、シッシースクワットをやると大腿直筋がパンパンになって燃え尽きる感覚があります。
バーベルスクワットでも大腿直筋に刺激は入ると思いますが、大腿直筋を使った感覚はあっても筋電図を見ると実際はそれほど動員されていないという研究もあるので、やはり個別で攻めるためにはシッシ―スクワットを取り入れるのが良いかと思います。
胸に関して、今まではベンチプレスをやり込んでいました。胸はベンチプレスで作った感じがあるのですが、一方で胸は弱点でもあって、ベンチプレスがどれだけ貢献したのか疑問は残ります。
今大会に向けて相澤隼人選手や相澤飛鳥選手と並んでポージング練習をしていたのですが、両名のドカンとした大胸筋のボリューム感と比べると自身の胸の弱さを感じました。
僕は上腕三頭筋が強く、ベンチプレスの重量は相澤隼人選手ともさほど差があるわけでもないのですが、それでも大胸筋のサイズ感が全く違います。重量に見合った大胸筋が作れていない感じです。それこそベンチプレスとナロープレスがほぼ同じ重量でできるので、三頭筋で押しているようにも思います。
なので最近はベンチプレスもインクラインベンチプレスもやめてダンベルフライを取り入れています。大会前は38~40㎏でやっていましたが、大会後は52㎏前後に戻して5~6回できるようになりました。やはり効きが良いです。ただこの変更が功を奏すか、成果がわかるのは来年になります。
それでもベンチプレスはおススメしたいです。やはりデカい人は皆ベンチプレスをやり込んでいます。まずやり込んでみて思うように大胸筋が発達しなければ別の方法を試してみることが必要だと思います。
今シーズンの大会では背中を高く評価して頂いたのですが、背中に関しては重量を求めずに効かせ方を重視していました。特に欠かせない種目はケーブルプルオーバーです。ストレッチも収縮もかけやすくて好んで取り入れています。
また、デッドリフトは背中に入らず腰にばかり入ってしまって、あまり感覚が掴めずに何年もやっていませんでした。
しかし今回の日本選手権の一週間くらい前にふと思い立ってやってみたら広背筋に刺激を入れる感覚がすごく良く掴めて、それ以降は取り入れるようにしています。ベントローでの刺激の入り方が良くなって、バーを降ろしたときに広背筋のストレッチをかけたり効かせる感覚がわかってきたので試しにデッドリフトをやってみたらうまくできた感じです。
それでもやはりすごく難しい種目だと思うので、トレーニングを始めて間もない場合はデッドリフトよりも他の種目をやったほうが効率的とも思います。
撮影:MAXMEN TOKYO
トレーニング中にどれだけ発見できるか
例えば脚のトレーニングにしてもその日によって調子が若干違ったりするので、5本指の靴を使って足の裏のどこで踏むかを試行錯誤してやってます。
足の裏の感覚を変えるためにスクワットの時や重量を伸ばしたいときはスクワットシューズを使い、そこからハックスクワットに移る時は5本指の靴に履き替えたりもします。これらの考え方は鈴木雅さんに大きな影響を受けています。
トレーニング中はどれだけ発見できるかだと思います。
例えば重心を変えてみたり、あごの向きを変えてみたりすると思いもよらない気付きが得られたりするので、いかに頭でっかちにならずに柔軟になれるかを重視しています。同じことをしていながら違う感覚を得られるのは大きなチャンスです。
発見と試行錯誤を繰り返す過程で扱う重量が下がるのは全く問題ないと思います。感覚的な気付きがあって重量を上げなくても効かせられたり、効かせられているから重量を上げなかったりというのは良いと思いますが、いずれにしてもどう変化をつけるのかが大事です。
こういった気付きや発見は減量中の方が多く得られやすいです。
関節周りの脂肪の量も変わりますし、増量期は効きも感覚も鈍くなります。減量末期の方が本来の姿に近いというか、感覚が鋭くなることで多くの発見があります。先述のデッドリフトも同様で、減量末期に感覚的な気付きが得られました。
極限状態で気付くことが多くあります。ずっとオフ状態というよりは減量を経験してみたりコンテストに出てみることをお勧めしたいです。その方が得られるものが多くて結果的に伸びやすいです。感覚が鋭くなっている減量末期にトップビルダーのパーソナルを受けてみると得られるものが一際多くてすごく良いと思います。
足の裏の感覚を変えるためにスクワットの時や重量を伸ばしたいときはスクワットシューズを使い、そこからハックスクワットに移る時は5本指の靴に履き替えたりもします。これらの考え方は鈴木雅さんに大きな影響を受けています。
トレーニング中はどれだけ発見できるかだと思います。
例えば重心を変えてみたり、あごの向きを変えてみたりすると思いもよらない気付きが得られたりするので、いかに頭でっかちにならずに柔軟になれるかを重視しています。同じことをしていながら違う感覚を得られるのは大きなチャンスです。
発見と試行錯誤を繰り返す過程で扱う重量が下がるのは全く問題ないと思います。感覚的な気付きがあって重量を上げなくても効かせられたり、効かせられているから重量を上げなかったりというのは良いと思いますが、いずれにしてもどう変化をつけるのかが大事です。
こういった気付きや発見は減量中の方が多く得られやすいです。
関節周りの脂肪の量も変わりますし、増量期は効きも感覚も鈍くなります。減量末期の方が本来の姿に近いというか、感覚が鋭くなることで多くの発見があります。先述のデッドリフトも同様で、減量末期に感覚的な気付きが得られました。
極限状態で気付くことが多くあります。ずっとオフ状態というよりは減量を経験してみたりコンテストに出てみることをお勧めしたいです。その方が得られるものが多くて結果的に伸びやすいです。感覚が鋭くなっている減量末期にトップビルダーのパーソナルを受けてみると得られるものが一際多くてすごく良いと思います。
撮影:りゅう@fightersmuscle
日頃の食事で意識していること
以前の増量期はコロナが流行っていた事もあってモチベーションも下がり外食も多かったのですが、それでもとりあえず鶏胸肉とお餅4個を2~3時間おきに食べていました。脂質が足りない時には白米にカマンベールチーズをのせてレンジで温めたものに塩と胡椒とニンニクをつけて食べるような雑なこともしていました。
最近ではファイナリストになれたことでモチベーションも戻ってきて、ご飯と鶏胸肉、卵、牛肉をメインに6食ほど、一日4000kcalくらい摂るようにしています。本当はチョコレートなどのお菓子やチーズ牛丼が大好きなのですが、食べすぎるとすぐに太ってしまうのでセーブしています。
減量中は一日2000kcalくらいに抑えるのですが今年の減量は特にきつかったです。減量中に家族から応援としてもらった馬肉がすごくおいしくて減量中でも朝ごはんの馬肉を楽しみにしていました。高たんぱく低脂質ということに加えて、ひとえにおいしいし食べやすい。ポン酢とおろししょうががおススメです。それ以外は鶏むね肉に岩塩をかけて食べていました。脂質は卵一個を摂るくらいです。
最近ではファイナリストになれたことでモチベーションも戻ってきて、ご飯と鶏胸肉、卵、牛肉をメインに6食ほど、一日4000kcalくらい摂るようにしています。本当はチョコレートなどのお菓子やチーズ牛丼が大好きなのですが、食べすぎるとすぐに太ってしまうのでセーブしています。
減量中は一日2000kcalくらいに抑えるのですが今年の減量は特にきつかったです。減量中に家族から応援としてもらった馬肉がすごくおいしくて減量中でも朝ごはんの馬肉を楽しみにしていました。高たんぱく低脂質ということに加えて、ひとえにおいしいし食べやすい。ポン酢とおろししょうががおススメです。それ以外は鶏むね肉に岩塩をかけて食べていました。脂質は卵一個を摂るくらいです。
摂っているサプリ
プロテインはビーレジェンドの波動拳味を飲んでいます。
EAAはパープルラース。
あとはクレアチン、マルトデキストリン、グルタミン、マルチビタミン。
EAAはパープルラース。
あとはクレアチン、マルトデキストリン、グルタミン、マルチビタミン。
今後の方向性や目標
前の順位より上に行きたいです。
12位で呼ばれたとき、順位に不満があったわけではないのですが悔しさがありました。10位や9位だと結果に満足してしまっていたかもしれませんが、12位の悔しさのおかげで来年へのモチベーションがすごく高くなっているので、結果として良かったと思っています。
今後はまずは6位以内を狙い、最終的には30代になるまでに表彰台を狙いたいです。業界を盛り上げる意味でも相澤隼人選手と競いたいですし、競技者としても1位を狙っていきたいです。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
取材・文 せきぐち
12位で呼ばれたとき、順位に不満があったわけではないのですが悔しさがありました。10位や9位だと結果に満足してしまっていたかもしれませんが、12位の悔しさのおかげで来年へのモチベーションがすごく高くなっているので、結果として良かったと思っています。
今後はまずは6位以内を狙い、最終的には30代になるまでに表彰台を狙いたいです。業界を盛り上げる意味でも相澤隼人選手と競いたいですし、競技者としても1位を狙っていきたいです。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!
取材・文 せきぐち