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【屈強インタビュー】#26 森永光多 "狂気の伝染、狂気の継承"

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掲載日:2022.02.06
写真:ボディビル選手権大会・結果レポート様

写真:ボディビル選手権大会・結果レポート様

2021年静岡フィジーク優勝、2021年東海フィジーク優勝、2021年西日本クラシックフィジーク6位などの実績を持ち二か所のジムでトレーニングを行いながら日々成長を続ける森永光多氏に、日々のトレーニングに関する取り組みや考え方を伺った。

普段の生活や仕事に関して

静岡にある24時間ジムのM.A.Dスポーツジムに勤務しています。トレーニング指導もしますが責任者として事務作業も任されているので指導と並行して運営も勉強しています。
平日は14時から17時までスタッフが不在の時間帯があるので、その間の休み時間にトレーニングをしたりすぐ近くにある合戸さんのマッスルハウスジムに行くときもあります。部位によってジムを分けていて週3でM.A.Dスポーツジム、週3でマッスルハウスジムでトレーニングをしている感じです。

昔、サッカーをやっていた時に怪我で接骨院にかなりお世話になったので自分も同じように働きたくて柔道整復師の資格を取りました。M.A.Dスポーツジムは接骨院グループ会社が運営していて、最初の頃は一週間のうち接骨院に3日、ジムに2日ほどの勤務でしたが一昨年からMADスポーツジム一本になりました。
リハビリや怪我の処置以外にも、解剖学的に起始停止を近づけたり筋肉の走行を意識したりなど自身のトレーニングにおいても柔道整復師の知識が活かせています。
ちなみにM.A.Dは狂ったという意味ではなくMedical(メディカル)、Athletes(アスリート)、Dream(ドリーム)の頭文字を取ったものです。
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日頃のトレーニングメニュー

月 肩・腕
火 オフ
水 脚(マッスルハウス)
木 胸肩(マッスルハウス)
金 背中・腕
土 スクワットと四頭(マッスルハウス)
日 ハム・尻

一昨年、肘を怪我してしまって腕のトレーニングが出来なかったのでそれを取り戻すために腕は週2でやっています。
腕トレが好きで、高重量でやり込みすぎて上腕三頭筋の付着部である肘頭という部分を痛めてしまいました。上腕三頭筋はプレス系の種目でも動員されるのでどうしても治りにくい部分です。今は無事に治りましたので元以上に引き上げていこうと思います。

マッスルハウスジムにあるレッグエクステンションは膝が深く曲げられるようになっていて大腿四頭筋、中でも特に大腿直筋への非常に強い刺激が入ります。
全身を動員することで脚どころか腹筋もめちゃくちゃパンプするし背中にも刺激が入ります。それを合戸さんに言ったら「レッグエクステンションは背中も鍛えられるんだよ」と教えてくれました。

レバレッジマシンを使ったスクワットは高重量でやり込んでいて、脚で上げる感覚ではなく体全体で上げる感じで「効かせる」トレーニングとは無縁なやり方です。
高重量で脚をやり込むことで、腕のトレーニングよりも上腕三頭筋が筋肉痛になったりカーフもちぎれそうになる感覚が得られます。腹筋も使うのでウエストも3センチくらい太くなりました。教科書的なやり方とは大きく異なりますが、レバレッジスクワットで三頭がデカくなってもいいかと思います。

以前と比較すると重量や回数、セット数や種目などトレーニングの総ボリュームが飛躍的に増えました。合戸さんの影響も少なからず受けていますし、勝つためにはトレーニングの量を増やしていくしかありません。
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体作りに没頭できる良い環境

マッスルハウスジムは合戸さん自身がトレーニングしやすいように作った感じがあります。午前中は営業時間外で、合戸さんがトレーニングをしているので入ってはいけません。
一回、どうやらトレーニングが長引いていたようで合戸さんのトレーニング中に入ってしまったことがあるのですが、補助をしている妻の真理子さんと合戸さんが二人とも無言で佇んでいて、引き返そうかと思ったこともありました。

2020年の9月くらいから月に一回ほどのペースで合戸さんから脚のトレーニング指導を受けていました。合戸さんのパーソナルはサービス精神が凄くて、決められたセットを全てこなすまで離れないで側で見守っていてくれます。4時間くらいついてくれることもありました。とてもやさしいです。
おかげで「きつい」と思う閾値が飛躍的に上がり、脚以外の部位のトレーニング強度も上がったと思います。全力を振り絞ればこんなにできるんだと知りました。

合戸さんの指導を受けたくてジムの近くに引っ越してきたミスター千葉とミスター静岡の実績を持つ選手と時間が合えば脚トレを一緒にやるのですが、最近彼にも狂気が乗り移ってきている感じがします。

M.A.Dでも健康維持やコンテスト、競技スポーツの補強など、色んなカテゴリーで全国的に活躍している選手も多くいますので非常に良い環境に恵まれていると思います。
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発達させるための工夫

ビッグ3の重さが上がればどこかしら、ひいては全身が発達していると考えているのでビッグ3を伸ばしていくようにしていましたが、今年はデッドを外しました。
今までは合戸さんから教わった"合戸式デッドリフト"と呼ばれる高重量のハーフデッドやっていたのですがその代わりに今まで入れていなかったワンハンド種目を入れるようにしてみました。

合戸式デッドリフトは10RMの240㎏からアンダーグリップで5㎏ずつ落として10セット、その次は240㎏に戻してオーバーグリップで5㎏ずつ落として10セットを行うものです。
これをやると体力的にも時間的にも他の種目ができなくなってしまうので一旦やり方を変えて様子を見ます。

基本的には重量を求めていますが、アドレナリンが出せる種目を一種目目にもってくることを重要視しています。毎回各種目の重量や回数を記録して、更新できなければ成長していないと思いながら緊張感をもってアップすると良い感じにアガってきます。

ケアはトレーニングの前にダイナミックストレッチを入れるくらいです。夜にしっかり風呂に入って、必要ならストレッチに加えてマッサージガンを使います。それでどうにもならないくらいの問題が生じたら接骨院に行きます。
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日頃の食事で意識していること

大変ありがたいことに、トレーニングに深い理解のある職場なので業務に影響がない範囲であれば随時しっかりと栄養補給ができます。
100%の状態でトレーニングに入れるようにすることを意識して、消化の早いものであれば1時間くらい前に摂っています。以前は玄米やオートミールの時もありましたが、白米を食べると力が出るのでオフもオンも白米をメインにしています。

オフ時期のカロリーはあまり正確に計算していません。
メニューとしては朝昼は同じで、白米、鶏むね、卵、焼きそばなどをタッパーに入れて食べています。合間にはプロテインと団子。夜は好きに食べています。

脂肪がつきやすいし落ちにくい体質で、170㎝で100㎏を越してしまって大会に向けて30㎏落とした年もありました。減量末期は1000kcal、多くても1500kcalほどに抑えるのでなかなかつらい時期ではありますが、同じ時期にジムの会員さんも減量していることも多いので指導する側としてやり遂げなければと、それをモチベーションにしています。環境が良いので本当に支えになります。

写真:ボディビル選手権大会・結果レポート様

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摂っているサプリ

その時に安いプロテインををこだわりなく摂っています。他はグルタミンとビタミン、ミネラル。それに加えてビタミンBとC。Bはタンパク室の合成促進、Cは免疫向上のためです。
他はプロバイオティクス目的でCalifornia Gold Nutrition の「LactoBif」を飲んでいます。


クレアチンだけはこだわりがあって、KentaiのALKを摂っています。

他のメーカーのクレアチンだとお腹を下してしまうのですが、Kentaiのクレアチンはそれがなかったですし体感も良いです。
写真:ボディビル選手権大会・結果レポート様

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今後の方向性や目標

去年フィジークに出たのですが一旦やめて、ボディビルに出場してみようと思っています。骨格的にフィジーク向きではないとも思いますし、筋量と絞りがシンプルに評価される方が好きです。
これからも活躍して注目を集められばと思います。応援よろしくお願いします!


取材・文 せきぐち