フィジーク・オンライン
  • トップ
  • フィットネス
  • 相川浩一考案、着るような感覚で扱う第三のフリーウェイト「スーツダンベル」 後編

相川浩一考案、着るような感覚で扱う第三のフリーウェイト「スーツダンベル」 後編

この記事をシェアする

0
掲載日:2023.08.25
記事画像1
独自の形状をした今までにないウェイトトレーニング器具「スーツダンベル」。
JBBF日本体重別選手権四連覇等の実績を持つボディビルダーでありストレングスコーチとしてトップアスリートへの指導経験も豊富な相川浩一氏が考案し、主に輸入トレーニング器具を取り扱う極楽トレーニング倶楽部との共同開発によって作られた。
後編ではスーツダンベルを使った実践形式のトレーニングをご紹介。

肩の種目

まずは肩。大きく回してクルクル回し、その後にサイドレイズ。最初に肩のコンディションを整えその後の種目をやりやすくする狙いもある。

まずは肩。大きく回してクルクル回し、その後にサイドレイズ。最初に肩のコンディションを整えその後の種目をやりやすくする狙いもある。

サイドレイズはドロップセットを用いる方法も有効だ。

サイドレイズはドロップセットを用いる方法も有効だ。

重りを前腕で支えられることで握力や前腕の疲労がないまま対象筋だけが追い込める。サイドレイズはそれが特に顕著に感じられる種目だ

重りを前腕で支えられることで握力や前腕の疲労がないまま対象筋だけが追い込める。サイドレイズはそれが特に顕著に感じられる種目だ

前編で軽く触れたが、勢いをつけても負荷が抜けにくい。フリーウェイトでありながらマシンのような感触になる。

前編で軽く触れたが、勢いをつけても負荷が抜けにくい。フリーウェイトでありながらマシンのような感触になる。

仰向けになり大きく円を描くように動かす。

仰向けになり大きく円を描くように動かす。

通常のダンベルではやりにくいこの動きも、重りを前腕でも支える特性上ストレスなくスムーズに行うことができる。普段トレーニングをやり込んでいても大きく振り回すような動作は誰もが不慣れである。

通常のダンベルではやりにくいこの動きも、重りを前腕でも支える特性上ストレスなくスムーズに行うことができる。普段トレーニングをやり込んでいても大きく振り回すような動作は誰もが不慣れである。

普段からトレーニングを重ね、基本動作ができている人ほどこれら特有の動きや変化を実感しやすい。

普段からトレーニングを重ね、基本動作ができている人ほどこれら特有の動きや変化を実感しやすい。

振り回した後にダンベルプレスも行う。大胸筋の起始部を意識して各ポジションでストレッチを狙う。

振り回した後にダンベルプレスも行う。大胸筋の起始部を意識して各ポジションでストレッチを狙う。

ダンベルプレスに続いてベンチプレスも行う。補助も入り、各々しっかりと出し切る。

ダンベルプレスに続いてベンチプレスも行う。補助も入り、各々しっかりと出し切る。

最終セットではネガティブ負荷もかけていく。底面が平らなので押しやすそう。

最終セットではネガティブ負荷もかけていく。底面が平らなので押しやすそう。

インターバルを挟みトレーニングが続く。

インターバルを挟みトレーニングが続く。

肩(後部)

前傾姿勢でグルグルと大きく回す。

前傾姿勢でグルグルと大きく回す。

少し重くしてリアレイズ。

少し重くしてリアレイズ。

スーツダンベルは特に上半身の種目に多く活用できる。

スーツダンベルは特に上半身の種目に多く活用できる。

大会前の選手。素晴らしい仕上がりだ

大会前の選手。素晴らしい仕上がりだ

この状態でダンベルをクルクルと回旋させるやり方も推奨された。余計な力みをなくし、対象筋に刺激が入りやすくなる。

この状態でダンベルをクルクルと回旋させるやり方も推奨された。余計な力みをなくし、対象筋に刺激が入りやすくなる。

二頭&三頭

カールで二頭を追い込んだらすぐに三頭へ移る。

カールで二頭を追い込んだらすぐに三頭へ移る。

握力を消耗しにくいスーツダンベルの特性を活かした腕の種目だ。

握力を消耗しにくいスーツダンベルの特性を活かした腕の種目だ。

限界までカールをしてから、

限界までカールをしてから、

すぐにエクステンションへ移る。

すぐにエクステンションへ移る。

さらに補助が入る。

さらに補助が入る。

色々試してみた

私も実際に使ってみた

私も実際に使ってみた

サイドレイズ。最低限軽く握るだけで良く、想像以上に前腕で持ち上げている感が強い。速さを入れてもトップで負荷が抜けない感じが非常に良い。

サイドレイズ。最低限軽く握るだけで良く、想像以上に前腕で持ち上げている感が強い。速さを入れてもトップで負荷が抜けない感じが非常に良い。

カール。こちらもほぼ握らずカールができて感触が良い。前腕をほぼ使わず二頭筋だけを使う不思議な感覚だ。テコが前腕にあるため、刺激は入りつつもマシンやケーブルを使っているようなソフトな感触になる。怪我のリスクも低減されているように思う。

カール。こちらもほぼ握らずカールができて感触が良い。前腕をほぼ使わず二頭筋だけを使う不思議な感覚だ。テコが前腕にあるため、刺激は入りつつもマシンやケーブルを使っているようなソフトな感触になる。怪我のリスクも低減されているように思う。

ショルダープレス。スーツダンベルと前腕の間にクッションがあり、隙間ができないことで安定感が抜群。こちらも掌に乗せておくだけで良い。ウェイトトレーニングを行う上で非常に良く考えられた構造だと感じた。特筆してレイズ系だけでなくプレス系の感触も至宝である。

ショルダープレス。スーツダンベルと前腕の間にクッションがあり、隙間ができないことで安定感が抜群。こちらも掌に乗せておくだけで良い。ウェイトトレーニングを行う上で非常に良く考えられた構造だと感じた。特筆してレイズ系だけでなくプレス系の感触も至宝である。

ダンベルプレスも同様。握らずにフリーウェイトを扱う感覚が新鮮。手首や前腕のストレスがないだけで全く別物に感じる。

ダンベルプレスも同様。握らずにフリーウェイトを扱う感覚が新鮮。手首や前腕のストレスがないだけで全く別物に感じる。

ダンベルフライ。これも前腕の支えがあることで勢いが抑えられる上、掌に乗せておく程度で支えられるので大胸筋に刺激を入れることだけに集中できて非常にやりやすい。

ダンベルフライ。これも前腕の支えがあることで勢いが抑えられる上、掌に乗せておく程度で支えられるので大胸筋に刺激を入れることだけに集中できて非常にやりやすい。

グルグル回す動き。初めてやる動きだがストレッチとしてもトレーニングとしても非常にやりやすい。ダンベルだと強く握る局面がほとんどだが、スーツダンベルだとほぼ握らずにできた。

グルグル回す動き。初めてやる動きだがストレッチとしてもトレーニングとしても非常にやりやすい。ダンベルだと強く握る局面がほとんどだが、スーツダンベルだとほぼ握らずにできた。

ワンハンドローイング。前腕とスーツダンベルが密着することで凄まじい安定感だ。通常のダンベルを握り込んだりダンベル自体のバランスを保つことにどれだけ多くのエネルギーを費やしているか初めて気づいた。

ワンハンドローイング。前腕とスーツダンベルが密着することで凄まじい安定感だ。通常のダンベルを握り込んだりダンベル自体のバランスを保つことにどれだけ多くのエネルギーを費やしているか初めて気づいた。

着るように前腕に密着する筒状のダンベル「スーツダンベル」はあまりにも高い機能性と実用性を持ち合わせていた。まさに第三のフリーウェイトの呼び名にふさわしい。
軽く動かして感触を知る程度のものではなく、筋肥大を求めて本気で追い込んだときに特にその真価がわかる。

今回ご紹介した種目はごく一部だが、さらに形状や特性に着目すれば既存の種目の代替ではなく完全に独自の種目を生み出す事すらも可能だ。
ぜひ、体感したことのない刺激を味わってみてほしい。


取材・文:せきぐち
取材協力:男衾(おぶすま)ボディビルジム
相川浩一 プロフィール
競技ボディビルダー。JBBF日本体重別選手権四連覇他、優勝入賞多数。GNPCグアムインターナショナルインビテーショナル選手権優勝(80kg級&オーバーオール)、NPCゴールドコーストマッスルクラシック(ミドル級)優勝。

(フィジカルコーチ)男子ハンドボール日本代表 東京オリンピック2020、(ストレングスコーチ)男子ハンドボール日本代表 トヨタ自動車東日本レガロッソ。

パーソナルトレーナー/コーチ
新日本プロレス 肉体強化トレーニングコーチ歴任
学校部活動コーチ
作家(筋力トレーニング書籍、専門誌連載、著作小説)
講師(大学、消防学校。セミナー)
日本スポーツ歯科医学会正会員 歯科技工士 元消防士。