2024年9月29日開催 第58回 全日本学生ボディビル選手権大会 観戦レポート 男子ボディビル
撮影:塚本
文:せきぐち
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男子ボディビルは39名の選手がエントリー。学ボの特徴の一つとしてマスキュラ―が規定ポーズに入っている点が挙げられる
84神奈川大学 五十嵐貴彦選手、素晴らしいプロポーションとクラシカルなポージング。85東北大学 田村祐也選手、足幅を狭めにとることで重心が高く、美しく見える
86日本体育大学 川村一智選手、床に踵を打ち付けるようなプレアクションでのアブサイが目を引いた
本年度はステージ上に誘導係が配置され立ち位置に迷いにくくなったが、全体的に前に出てきてしまうため列ごと後ろに戻される事が多々あった。しかしそれほどまでに強い自己顕示が必要であるともいえる
ハムのデカさやセパレーションだけでなく尻まで絞り切れている選手も散見された
マスキュラーポーズでは細かい手の位置などは決まっていない
せっかく番号を呼ばれても自身の番号と気付かず「お前だよ自分の番号覚えてとけー!」と檄が飛ぶ一面もあった
88東京大学 竹本周平選手、「88がボディビルだー!」の声援の通り全体的なバルクが際立った。一方、番号を呼ばれて前に並んだ際には「早くフロントリラックスとれー!早くしろー!!」と激が飛ぶこともあった
94日本大学 斎藤成哉選手、特にマスキュラーでの胸、肩、僧帽の完成度と線の多さが群を抜いていた
学ボではかなりの回数と時間で比較審査が行われるためポージングの持久力も必要になる
72早稲田大学 中郷李生選手 全体的にバリバリ、特筆してバックポーズにおける尻のカットは声援にも反映された
71法政大学 佐々木千秋選手、薄い皮膚感とドライな仕上がりはあらゆるポーズを映えさせた
76日本体育大学 三好順一朗選手、惜しくも入賞は逃したがモストマスキュラ―の迫力が凄まじく、大会パンフレットのトレ歴の欄には「21年」と記載されていた。生まれてから今日までのすべてがボディビルなのだ。
部分賞審査
学ボ特有の部分賞審査、まずは胸。ポーズは審査員から指示が出され、規定ポーズにはないポーズも多く含まれる。
なお、学ボにおける部分賞の存在意義は自身の強みや「バランスの中のアンバランス」を見つけることにあると提言された。(昨年度同大会総括より)
様々な角度で胸が審査される。通常のポージングでは全身が見られるが、部分賞審査では対象部のみが見られるため胸審査であれば足のカットは一切審査対象に入らないため脱力していても問題ない。
長時間のポージングの辛さや情熱が顕著に表情に現れていた選手もいれば、
91名城大学 久野清照選手や68東京大学 岡野陸選手のように長時間のポージングによる辛さや苦しさがほとんど表情に現れない選手もいた。無表情でありながらも正確無比なポージングは独特の存在感と佇まいを感じさせた
部分賞審査では審査が進むにつれて上位選手のみが残されていく
最後まで残った両名。部分賞に2位はない、受賞するかしないかである
胸のストリエーションが凄まじい
部門賞、腹の審査。「腹斜筋を出して」の指示に合わせたポージング
ここでは腹筋を見せる必要があるため、不意に腹筋を触って隠してしまった選手には「腹触んじゃねぇ隠すなー!」の檄が飛んだ
腹筋がよく見えれば腕や足などはどんなポジションでも問題ない。
場に応じた応用力も求められる
腹部門上位三名の比較。甲乙つけがたい
「バキュームしてください」の指示にも全員即時適応。
部門賞、腕の審査。後ろから三頭をチェック
文字通りの腕自慢が集う
腕を横に伸ばし手首を曲げる指示。
普段取らないポーズでも柔軟に対応。マッスルコントロールとポージング技術の高さが垣間見える
部分賞、脚審査。
レッグカールでハムも審査される
「サイドチェストの足だけ」の指示。
「アブサイの足だけ」の指示。
モストマスキュラー賞審査。
気迫が伝わってくる。表情筋までもが十分に鍛えられている
手の甲を合わせる指示。
胸・腕が強い選手は特に見せ場
フリーポーズ&表彰
9位 日本体育大学 長谷川一球選手
17位 日本体育大学 大島侃選手
優勝 大阪学院大学 本多虎之介選手 熱量のあるフリーを携え、昨年度の悔しさと反省を糧に抜群のコンディションで優勝を飾った。
2位 日本体育大学 大島達也選手 この混沌とした令和のインターネッチョを照らす一筋の光…!昨年に続きインターネットエンジェル光臨、完成されたパフォーマンスは青白い画面越しにヲタク達の心を癒していった
19位 神奈川大学 岩渕航大選手 発達した大腿部に加えて感情の入った表現が全体を美しく際立たせていた
8位 日本体育大学 根本照選手 ポージングに加えて表情も多彩。溢れる情熱を感じた
3位 東京大学 岡野陸選手 規定も上手いしフリーも上手い。スキのない完成された技術。
15位 法政大学 佐々木千秋選手 曲とポージングが見事にマッチ、ポージング構成から間のとり方まで美学とセンスを感じた
20位 早稲田大学 中郷李生選手 技術に裏付けされた気品あるパフォーマンスが印象的。
10位 大阪体育大学 山田航大選手 力強いポージングを基調に、比較審査では出せなかった美しいサイドバックも存分に披露。
6位 早稲田大学 瀧上蒼生選手 曲の前半と後半で雰囲気が大きく変わりギャップが際立った
5位 早稲田大学 小原啓太選手 開始前からの声援多数、指先までコントロールされた抜群のセンスを披露
11位 神奈川大学 五十嵐貴彦選手 規定もフリーもバキュームを多用し、説得力のある立体感とプロポーションが際立った。全体的にクラシカルな雰囲気も良い
7位 日本体育大学 川村一智選手 予選では青かったビルパンを決勝では赤に変え登場。ステージを大きく使ったポージングは多くの観客の目を引いた。
14位 日本体育大学 設楽和永選手 フリーの多くがマスキュラーで構成されており、完成度の高いマスキュラーのゴリ押しに会場が沸いた。
18位 東京大学 竹本周平選手 おそらく今大会最もポージング数が少なく、約4ポーズほどしかとらずにフリーを終えた。そこに一体どんな美学が潜んでいたのだろうか…!
16位 東海大学 田中絢士選手 ステージを左右ではなく前後に広く使うパフォーマンスは迫力と説得力を感じさせた
4位 名城大学 久野清照選手 規定もフリーも表情が変わらず、ポージングに集中して見ることができた
13位 国士舘大学 金子聖選手 感情の起伏や緩急を用いて独自の存在感を誇示した
12位 日本大学 斎藤成哉選手 一つ一つ丁寧かつ力強いポージング。特にバックが際立った
優勝:本多虎之介選手 大阪学院大学からたった一人の出場だったが、会場中から大きな拍手と称賛が浴びせられた
胸部門賞、久野清照選手。
腹部門賞は小原啓太選手。
腕部門賞は本多虎之介選手。腕は強みと自負していた通り。
脚部門賞、久野清照選手。羽状筋の走行まで見えるカットとストり具合だった。
背中賞は根本照選手。素晴らしい立体感
背中の部分賞審査の際、勢い余ってコール前にバックポーズを取ってしまい「いうこと聞いてー!」のヤジが飛んだ
モストマスキュラー賞、久野清照選手。部門賞を合計三つ受賞した。
臼井オサム審査員長による総評。昨今、フィジークとボディビルのダブルエントリーも見られるが、この二つは本来の理想体型として両立しないと提言した。ボディビルは奥行き、フィジークはシャープさやVシェイプが重視される。学生の年代だとまだ成長途中ということもあり体型的に区別がつきにくいこともあるが本来は別の競技であるとした。
また、全体として皆大腿部はよく発達しているがカーフや前腕が弱い傾向が見受けられるため細かいところもやるように、と叱咤激励を送り大会の幕を閉じた。
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