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ビッグ・ヒデ臨時帰国 5/28山岸秀匡トレーニングセミナーレポート

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掲載日:2017.06.13
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5月28日(日)日本人唯一のIFBBプロである山岸秀匡選手によるトレーニングセミナーが開催された。世界の舞台で戦う日本人ボディビルダーによる生きたアドバイスを聞くことができるこの貴重な機会。会場となったミッドブレス初台には、およそ50名にも及ぶトレーニーが集結した。
会場となったミッドブレス初台には多くのトレーニーが詰めかけた

会場となったミッドブレス初台には多くのトレーニーが詰めかけた

セミナーの進行役はミッドブレス初台のヘッドパーソナルトレーナーである堺部元行氏。事前に参加者から集められた質問に基づいて堺部氏が質問し、山岸プロが回答するという形でセミナーは進行した。トレーニングはもちろんのこと、食事やサプリメント、減量、ポージング、さらにモチベーションを維持する秘訣まで、多岐にわたる質問に対し山岸プロはひとつひとつ丁寧に答えていった。中でも質問が多かった肩と腹筋のトレーニングについては山岸プロが行っている具体的な種目とレップ数・セット数などが説明され、受講者は熱心にメモを取っていた。
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例年であれば山岸プロの帰国は1年に1回だが、今回は昨年開催された“NPCJ WORLD LEGENDS CLASSIC”のタイミングからおよそ半年ぶりという比較的短いスパンでの帰国となった。なぜこのタイミングなのだろうか?

その答えはセミナーの冒頭で詳しく語られた。

蓄積された怪我

今回のセミナーはいずれも6位という結果に終わった昨年のミスター・オリンピアと、今年のアーノルド・クラシックの話題からスタートした。前回のセミナーで優勝を宣言していただけに、今年のアーノルド・クラシックにおける6位という結果は、山岸プロ自身にとって不本意な結果だったに違いない。開口一番に「今回は皆さんにお詫びをしなくちゃいけない」と切り出した。

オリンピアでは身体をイメージしていた状態に近いところまで持って行くことができ、手ごたえを感じて臨むことができたが「最後の仕上がりで少し浮腫みが落とせなかった」という。一方、アーノルド・クラシックについては
「6位以下でもおかしくなかった」
「今までのプロのコンテストの中では最も悪い仕上がりで出てしまった」
とまで言い切った。

仕上がりを納得がいくものにするために何をすべきかという問いの答えが、長年のキャリアの中で蓄積されやがてトレーニングに大きく差し支えるまでになってしまった怪我を治すこと。今回の帰国はそれらを思い切って治すための帰国だったという。

定期的にマッサージやカイロプラクティックを受けていても、オーバーユースによる怪我は避けられない。若いうちに積み重ねてしまったダメージは歳を重ねてから不調の原因となる。山岸プロは会場に集まった若いトレーニー達へ、基本を身に付けて自分に合ったトレーニングを行うこと、万が一怪我をした場合には怖がらずに休むようアドバイスした。

モチベーション、そして抱負

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トレーニングを長く続ける秘訣について尋ねられると、
「日々の進歩を楽しむ事。人と比べるとおもしろくない。自分の中でどう変わっていくかが重要」だと回答した。一方で、プロである以上コンテストは勝負である。子供を養うためにステージに立つハングリーな選手もいる。そのシビアな世界でステージに立ち続ける原動力は「ファンの応援」だ。

「肉体的にも精神的にもリラックスできている。ここから仕切り直してやっていきたい」と決意を新たにした山岸プロ。次の目標であるミスター・オリンピアは9月に開催される。そして次回の帰国は、11月19日に開催される“NPCJ WORLD LEGENDS CLASSIC”のタイミングとなる。

世界の舞台で戦い続ける “BIG HIDE” が今度こそ栄冠を勝ち取ることを願うばかりだ。
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取材協力/ミッドブレス初台
TEXT by SSS-FIT

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