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ウォーミングアップとしての逆立ちの活用

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掲載日:2018.10.16
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はじめまして。
兵庫県西宮市でHigh Performance Institute というトレーニングジムを運営しております岡本雄作と申します。
一般の方々へのトレーニング指導を中心に活動しております。
その他に、大学のバドミントン部へのコンディショニングとトレーニング指導、大阪医科学委員としてジュニアのテニス選手への指導をしております。

2回にわたりウェイトトレーニングへの取り組みについて少し違った視点で記述させていただきます。
初回はウォーミングアップについてです。

逆立ちのウォーミングアップへの活用

ウェイトトレーニングをする際のウォーミングアップはどのようなストレッチやエクササイズを実施していますか?

整形外科疾患をお持ちでない方に限り外せないのは、逆立ちです。
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逆立ちで狙う筋肉は横隔膜です。

各関節の動作性や各筋への安定性へのアクティベーションは多く存在しますが、肝心の横隔膜へのアクティベーションはあまり見かけません。
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そこで、横隔膜への外的負荷での収縮を考えた場合、壁倒立での呼吸が、唯一横隔膜の収縮時に重力に対して拮抗する状態となります。
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まさに、横隔膜への負荷が一番高い状態ではないかと思います。

負荷は内臓です。
逆さまになることで、内臓が横隔膜に乗りかかってきます。
そこで呼吸を繰り返せば必然と横隔膜へのストレングストレーニングとなり、最適な負荷でのアクティベーションとなります。

肋骨の形状から、横隔膜が緊張状態に陥っている状態の時、内臓が乗ることで内臓の重みにより横隔膜もストレッチされます。そうなれば肋骨の動きにも変化をもたらします。

吸気の際にうまく横隔膜を引き上げられない(この際は逆さまでの話です)場合は、力みになり顔が真っ赤になります。

うまく引き上げられる場合は、真っ赤にはならずに吸気に対して負荷が乗った感覚になります。

横隔膜は固有感覚受容器が少ない筋だと言われています。
よって、横隔膜自体を収縮させようと意識せずに、頭に血が昇らない吸い方を感覚として捉えられるようにしてください。

安静時の血圧が高い方や、脳疾患、循環器系などの内科疾患の方には禁忌となりますので、その辺りのご判断はくれぐれもしっかりするようにしてください。
  • 岡本雄作(おかもと ゆうさく)
    【経歴】
    2008−2011 THINKフィットネスゴールドジム事業部
    2011−2014 医療法人展性会 こみ整形外科 リハビリテーション部
    2012−2013 大阪体育大学トレーニング科学センター
    2014−現 パーソナルトレーニングジムHPI
    2016−現 大阪テニス医科学委員
    2017−現 甲南大学バトミントン部

    【資格】
    NSCA−CSCS