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ゴルフのためのトレーニング ~ゴルファーは健康で効率よい身体から、最も利益を得られる。~#2 腰痛予防のために、まずは姿勢を安定させよう。

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掲載日:2018.11.07
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腰痛改善の第一歩!!

さて、前回のコラムで、ゴルフスィングにおいて腰痛がでてくる要因として、次の3つ挙げました。

・姿勢が悪い(体幹の安定性が悪い)
・骨盤回旋が悪い(骨盤の可動性が悪い)
・胸椎回旋が悪い(胸椎の可動性が悪い)


この中から、まずは、姿勢の安定性から確認していきましょう。正しいアドレス姿勢を保つことができなければ、正しいスィング動作を体現することは難しくなります。正しいアドレス姿勢をとるために必要な要素は以下の3つになります。
・骨盤の前傾
・お腹の筋肉(腹筋群)の活用
・お尻の筋肉(臀筋群)の活用

ご自身のアドレス時の姿勢をご覧になったことはありますか?

では、皆さん、実際にクラブを構えてアドレスをとってみましょう。
骨盤で前傾角度を調整し、上半身はまっすぐに保つのが正しい姿勢の作り方ですよね。
つまり、股関節を動かして上半身の角度を調整し、背筋(背骨)はきれいにまっすぐの伸びた状態のはずです。
ちなみに、TPIの統計データによると、アマチュアゴルファー(総計:19,051名)のうち、約40%のゴルファーは正しい位置でアドレス時の姿勢をキープできていなかったそうです。
皆さんは、どうですか?正しいアドレス姿勢ではなく、こんな姿勢になっていたりしませんか?

①股関節(骨盤)で角度を調整できず、背中が丸まってしまっている。
②お腹やお尻の緊張感がなく、必要以上に腰(腰椎)が反ってしまっている。


①のケースは骨盤(股関節)の可動性の問題です。骨盤で角度調整ができるようにトレーニングする必要があります。
②のケースは腹筋群(お腹の筋肉)と臀筋群(お尻の筋肉)の弱体化していて腰椎を保持できないのが原因です。(ちなみに“ポッコリお腹”も腰が反ってしまう要因となりえます。ダイエットも一つの対策かもしれません。)
弱っている筋肉を強化する必要があります。それでは、それぞれのケースを改善するためのエクササイズをご紹介します。

骨盤の角度調整を練習するエクササイズ

アドレス時に骨盤で前傾角度を作れない場合、背中が丸くなってしまいスィングの回旋動作がスムーズに行えません。
また、無理に回旋させようとすると当然、背骨(特に腰椎)にストレスがかかってしまい腰痛の原因となります。骨盤の角度調整を練習するため、2種類のエクササイズをご紹介します。

・キャット&ドッグ
スタートポジション:両手/両ひざで四つ這いの姿勢をとる。
ドッグポジション:骨盤を前傾させて(骨盤を下に押し下げるイメージ)、背中を反らせる。
キャットポジション:骨盤を後傾させて(骨盤を上に押し上げるイメージ)、背中を丸める。
この動作を交互に行い、骨盤の傾きをコントロールする練習をする。
※注意点:胸や肩周辺を動かすことで、背中を反らせたり丸めたりするのはNG。
腰から骨盤にかけた部分が動くことで、結果、背中が反ったり丸まったりする。
・グッドモーニング
立位で行う。
スタートポジション:足を腰幅程度に開き、つま先は正面を向くようにセットする。両腕は胸の前で交差させる。

エンドポジション:股関節を曲げることにより、骨盤を前傾させる。お尻を後方にスライドさせるようなイメージ。
※注意点:股関節の動作で骨盤の前傾をコントロールするようにする。背中は丸めない。

腰椎/骨盤周辺筋肉を強化するためのエクササイズ

骨盤の角度調整の動きができるようになったら、体幹部分は、常にニュートラルなポジション(背中が反ったり丸くなったりしないように)を保たなくてはいけません。

そうするために、周辺筋肉が姿勢を保持できるように強化していきます。お腹の筋肉(腹筋群)とお尻の筋肉(臀筋群)が弱いと背骨が必要以上に反ってしまいがちです。

そのため、背骨にストレスがかかり腰痛の原因となります。お腹の筋肉(腹筋群)を強化する2種類のエクササイズとお尻の筋肉(臀筋群)を強化するエクササイズをご紹介します。
・スタビライザー(腹筋の強化)
スタートポジション:うつ伏せになり、肘が肩の真下に来るように位置をとる。

エンドポジション:肘とつま先で姿勢をまっすぐ保つ。(30秒~1分程度保持。)
※注意点:横から見て、お尻の位置が上にあがったり、腰が反ってお腹が下に落ちたりしないように。
スタビライザー

スタビライザー

・二―タック
スタートポジション:仰向けになり、両腕を交差し手を肩に置く。膝を曲げ、踵をお尻の近くにセットする。

エンドポジション:膝を抱え込んでくるように、肘の方に持ち上げてくる。踵はお尻の近くから離れないようにする。
※注意点:骨盤から下腹部をコントロールするように、頭が床から離れてしまうのはNG。
・ヒップリフト
スタートポジション:仰向けになり、膝を曲げた状態で足を置く。両手は空中にあげておく。

エンドポジション:お尻の筋肉をイメージし、ブリッジのようにお尻を床から持ち上げる。運動強度を強くしたい場合は、片足で同じ動作を実施する。
注意点:腰を反らせるような動きはNG。あくまでもお尻を意識。
各エクササイズ、10~15回、エクササイズ間は60秒のインターバルをあけて実施してみてください。正しいアドレス姿勢が、簡単に作れるように変化していくと思います。
  • 中井 大輔(なかい だいすけ)
    【経歴】
    盛岡医療福祉専門学校非常勤講師
    NSCAジャパン東北地区アシスタントエリアディレクター
    盛岡大学付属高校硬式野球部(2017~)
    専修大学北上高校男子サッカー部(2018~)

    山形大学理学部時代にはスキーに明け暮れ、卒業後は一般企業へ就職するも、スキーやスポーツの想いを断ち切れず渡米。スポーツ指導の専門家を目指し、野球では2006年・07年に全米チャンピオンになったDivision1のオレゴン州立大学へ編入。米国NSCA認定Strength & conditioning specialistの資格習得。大リーグのシンシナティ・レッズでのインターンシップや大学でのトレーニング指導を通じて数多くの指導経験を積み、帰国。帰国後は、フィットネスクラブの店舗マネージャーや野球の指導を専門に、神宮大会や甲子園大会へ出場を果たす。’17年よりCREDOへ加入しトレーニング責任者を務める。